地域活性化活動の一環で、お付き合いさせて頂いている地方自治体の職員の方々の中には、地域の将来にむけて、真剣に取組んでおられる方もたくさんおられます。
また、一見、ただ事務的に職務をこなしているかのように見える若い担当者でも、話しをすると、実は熱い思いを内に秘めており、それをうまく表現できない人や、能力があるのに、まわりの環境がそうさせない、チャンスを与えない。という事を感じる場面があります。
時には、とっつきにくい人でも、持っているパフォーマンスをどれだけ引き出すか、協力して頂けるかが、外部者としてお付き合いさせて頂く時には重要なポイントとなりますので、時には、自分から溶け込もうとする努力も必要ですが、こちらからの提案やアプローチに対して、何とか、絡んでもらえるような手法を検討しなくてはいけません。
地域活性化に取組むときは、メインテーマを決めて動き始めますが、単独の部署で完結する事は殆どなく、必ずいろいろな部署を巻き込んでの活動になります。
各部署の中にも、細分化された担当職務がありますので、その案件は、「私と関係ない」と思われないように、すこしずつでも、商材や内容を絡ませる事で、新しい担当者を仲間に巻き込んでいくことが重要と感じています。
例えば簡単なイベントを行うときでも、その担当者の担当商材を絡めるとか、会議の時に、特別に参加して頂き、担当者としての意見を聞かせて頂きながら、より具体化できる方法を教えていただき、「一緒に考える。一体感の創出」という場面をつくる事もあります。
民間主導で動く事もありますが、やはり地域づくり、地域活性化は、自治体職員の方々の協力がなければ、うまく行きませんし、継続性が担保されない事も事実です。
そのような取り組みを重ねているうちに、みんな、本当は「燃える行政マン」なのに、その力が発揮できてない、発揮しづらい環境・仕組みがある。という点が行政運営における改善課題のひとつである事と、「行政マンの育成・組織の維持」という観点から見たときに、どのような具体的手法がとられているのかが不明瞭である。と感じています。
民間企業の場合は、経営企画室・経営戦略室等の部署が、あらゆる情報を集約管理し、多角的リスク分析も行った後、適切な施策を経営に提案します。
彼らは、ジェネラリスト的要素を多分に持っており、単独事業のプロフェッショナルではありません。
自治体運営では、組織上、職務の専任化(職場ローテーションは確かにありますが)をせざるを得ない事も理解できますが、「自治体組織運営・行政マンの育成」という観点からも、ジェネラリスト育成・政策マンを生み出す仕組みについて、民間企業をヒントにした取組みを始める事が、将来にむけて大事な事と考えます。
自治体の規模の違い(県・市・町)により人材不足などの差はありますが、これから地方分権が進む過程の中で、人材不足を嘆くよりも、自らが育成する事を念頭において、強い組織つくりをすることが必要になりますので、民間特有の経験と考え方を自治体運営のヒントにしてもらえるように啓蒙活動も続けていきたいと考えています。