部門間の「待ち」を見える化する、シンプルなローカルアプリを作りました

「こちらは準備できているのに、次の部門へ渡せない」

「受け取ったあとで、必要な情報が足りないことに気づいた」

「担当者が休むと、承認も引き継ぎも止まってしまう」

複数の部門が関わる仕事では、各担当者が頑張っていても、部門と部門の間にある受渡しが曖昧だと、全体が止まってしまうことがあります。

そこで、部門間の受渡し条件、期限、代替経路を整理するローカルHTMLアプリ「部門間依存関係リスク」を作りました。

プロジェクト全体ではなく、部門と部門の間を見る

このアプリは、大きな工程表を作るプロジェクト管理ツールではありません。

どの部門から、どの部門へ、何を渡すのか。受取側は、どの状態なら完成と判断できるのか。予定どおりに進まなかったとき、代理や代替経路はあるのか。

こうした「受渡し」に絞って、一件ずつ記録します。

入力するのは、成果物、提供する部門、受け取る部門、調整責任者、期限、受入条件、進捗確認の頻度、代替経路、遅延影響、現在の状態、阻害要因、解消アクションなどです。

担当者を責める材料ではなく、両部門が同じ完成イメージを持つための確認表として使えます。

入力すると、優先して確認する受渡しが見えてくる

記録を保存すると、期限、遅延影響、代替経路、現在の状態、遅延日数などをもとに、スコアと判定が表示されます。

判定は「部門間調整を優先」「受渡し条件を確認」「依存管理良好」の3段階です。あわせて、判定の根拠と推奨アクションも表示されます。

たとえば、状態が「遅延」なら、阻害要因、責任者、再期限を両部門で合意することが提案されます。代替経路がなければ、代理対応や分割受入を考える方向が示されます。

点数はあくまで目安です。契約、品質、安全、法令、顧客への影響など、入力していない事情までは判断できません。重要な決定は、原資料と責任者の確認を優先します。

会議前に、優先順位をそろえやすい

保存した記録は、スコアの高い順に並びます。

画面上部には、表示件数、高優先の件数、注意が必要な件数、平均スコアが表示されます。検索欄で部門名や成果物名を入力すれば、関連する記録だけに絞り込めます。

週次会議の前に高優先のものを確認し、「誰が遅いか」ではなく、「何を合意すれば次へ進めるか」を話す材料にできます。

検索で絞り込んだ状態でCSV出力すると、画面に表示されている記録が出力されます。特定部門に関係する項目だけを会議資料の下書きにしたいときにも使えます。

新商品やサービスの公開前に使う

たとえば、商品企画からEC運営へ商品マスタを渡す場面です。

商品コード、価格、公開日の承認が必要なのか。どのファイル形式で渡すのか。承認者が休んだ場合に代理対応ができるのか。

こうした条件を先に書いておくことで、受け取ったあとの差し戻しを減らしやすくなります。

システム導入や業務変更の前に使う

情報システム部門から現場へ設定情報を渡す、現場から開発側へ受入結果を返すなど、複数の受渡しが連鎖する場面にも使えます。

本番直前だけでなく、作成中や確認待ちの段階から状態を更新すると、期限前の中間確認に役立ちます。

週次会議や部門間レビューで使う

プロジェクトマネージャー、PMO、部門責任者、業務改善担当者が、会議前に高優先の記録を確認できます。

調整責任者、代理経路、阻害要因、再期限までひとつの画面で見られるので、担当者だけに解決を背負わせず、必要な意思決定を関係者へつなぎやすくなります。

パソコンの中で使えるシンプルなアプリ

このアプリは、1つのHTMLファイルで動きます。外部ライブラリや外部APIを呼び出すコードはなく、インターネット接続を前提としていません。

入力した内容は、利用中のブラウザの保存領域に記録されます。CSV出力、JSONバックアップと復元、印刷にも対応しています。

一方で、クラウド同期、ログイン、権限管理、複数人での同時編集、通知機能はありません。ブラウザやユーザープロファイルが変わると、以前の記録が見えないことがあります。

必要な記録は、JSONバックアップまたはCSVで保管してください。個人情報や機密情報は必要最小限にし、組織の情報管理ルールに従って利用することも大切です。

使い方はシンプルです

HTMLファイルをブラウザで開き、「新規登録」から受渡しの内容を入力します。

期限、受入条件、代替経路、影響度、現在の状態などを設定し、「保存して判定」を押します。表示されたスコア、根拠、推奨アクションを確認し、会議や個別調整で次の行動を決めます。

最初は「サンプル」ボタンで記録例を追加できるので、表示を試してから本番の記録を始められます。

よくありそうな質問

Q. どんな人に向いていますか?
A. 複数部門をつなぐプロジェクトマネージャー、PMO、業務改善担当者、部門責任者、バックオフィスの調整担当者などに向いています。

Q. いつ使うと便利ですか?
A. 遅延が起きたあとだけでなく、成果物、期限、受入条件が決まった段階で記録すると、確認待ちや代替経路の不足を早めに見つけやすくなります。

Q. 一般的なプロジェクト管理ツールとの違いは何ですか?
A. プロジェクト全体のタスクや工数ではなく、部門間の受渡し条件、完成定義、代替経路に焦点を当てています。既存ツールを補う用途です。

Q. データは外部へ送られますか?
A. HTML内には、外部APIやサーバーへデータを送る処理は確認できません。入力内容はブラウザの保存領域に記録されます。

Q. バックアップはできますか?
A. JSON形式でバックアップし、あとから復元できます。復元すると現在の記録がバックアップ内の記録に置き換わるため、必要に応じて復元前にもバックアップを取ってください。

Q. 自動判定だけで重要な決定をしてもよいですか?
A. 自動判定は、入力された項目だけを使った目安です。契約、品質、安全、法令、顧客影響などを含む重要な判断は、原資料と関係者、責任者の確認を優先してください。

部門間の調整は、相手を急かすだけでは進まないことがあります。

何を、いつまでに、どの状態で渡すのか。止まったとき、誰がどの経路で動くのか。曖昧な条件を言葉にして共有すると、会議を責任追及ではなく、次の行動を決める場に変えやすくなります。

詳しい機能や使い方は、noteの記事にまとめています。

詳しくはこちら: