不具合対応を応急処置で終わらせない、CAPAを一画面で管理する方法

 

「不具合の応急対応は終わったけれど、恒久対応が進んでいるかわからない」

 

「期限を過ぎた案件を、会議のたびに探している」

 

「重大度の高い問題と、再発リスクの高い問題を分けて見たい」

 

品質問題への対応では、目の前の影響を止めることが優先されます。

 

しかし、出荷保留や再検査が終わったあと、原因側の対策や効果確認が後回しになることがあります。

 

担当、期限、暫定対応、恒久対応が別々のファイルやメールに散らばっていると、何が残っているのかを確認するだけでも大変です。

 

そこで作ったのが、パソコンのブラウザで使える「品質是正CAPA管理」です。

 

不具合から暫定対応、恒久対応、効果確認までを一画面で追える、シンプルなローカルHTMLアプリです。

 

未完了と期限超過を最初に確認する

 

画面上部には、未完了CAPA、期限超過、重大度「高」、再発リスク「高」の件数が表示されます。

 

未完了は、状態が「完了」以外の案件です。期限超過は、完了していないまま期限日を過ぎた案件です。

 

会議の最初にこの4つの数字を見ることで、どこから確認するかを決めやすくなります。

 

重大度と再発リスクは利用者が入力します。アプリが自動評価するのではなく、登録された判断を集計して見えるようにする仕組みです。

 

最低限の情報からCAPAを起票できる

 

新規登録で必須なのは、不具合、期限、担当の3項目です。

 

重大度、原因カテゴリ、暫定対応、恒久対応、再発リスク、状態も同時に登録できます。

 

原因カテゴリは、手順不備、教育不足、設備・治具、設計・仕様、仕入先、検査漏れから選びます。

 

まず案件を起票し、調査や対応が進んだら一覧を直接編集できます。別の編集画面を開く必要はありません。

 

暫定対応と恒久対応を混ぜない

 

たとえば、不適合品の隔離や追加検査は、影響を広げないための暫定対応です。

 

手順の改訂、設備対策、教育、ポカヨケなどは、再発を防ぐための恒久対応として記録できます。

 

2つの欄を分けることで、「今の流出は止めたが、根本側の対策は残っている」という状態を把握しやすくなります。

 

状態は、未着手、対応中、効果確認、完了の4段階です。恒久対応を行ったあと、効果を確かめる段階も区別できます。

 

件数だけでなく、全体傾向をグラフで見る

 

重大度別件数は棒グラフ、原因カテゴリ分布はドーナツグラフで表示されます。

 

教育不足や設備・治具など、特定カテゴリに問題が集中していないかを確認できます。

 

個人の注意力だけに原因を求めず、手順、教育、設備、設計、仕入先管理など、仕組みの改善を考える材料になります。

 

なお、グラフと上部の集計値は全登録データが対象です。検索やフィルターで一覧を絞っても、グラフは絞り込み結果には変わりません。

 

必要な案件だけを探してCSVへ出す

 

キーワード検索に加え、状態、重大度、再発リスク、原因カテゴリで絞り込めます。

 

絞り込み後に「CSV出力」を押すと、現在一覧に表示されている案件だけが出力されます。

 

期限超過案件の会議資料、仕入先別の確認用データ、担当者の引き継ぎ一覧などを作るときに使えます。

 

品質保証・品質管理の定例会議で

 

品質担当者が会議前に未完了件数と期限超過を確認します。

 

会議中は、暫定対応、恒久対応、期限、状態を一覧上で更新します。重大度と再発リスクが高い案件からレビューできます。

 

製造現場で不具合が見つかったときに

 

現場責任者が、不具合、流出防止のための暫定対応、担当、期限を登録します。

 

原因を整理したあとに恒久対応を追記し、実施後は「効果確認」へ進めます。

 

仕入先の是正対応を追うときに

 

受入検査で見つかった不具合を「仕入先」カテゴリで登録します。

 

担当者や不具合内容で検索し、回答待ち、対策実施、効果確認といった進捗を状態で管理できます。

 

小規模チームの改善活動に

 

専用システムを導入する前に、必要な管理項目や定例会議の進め方を試せます。

 

似た案件は複製できるため、別ロットや別設備で発生した類似問題の登録も始めやすくなっています。

 

パソコンの中で使えるシンプルなアプリ

 

このアプリは単一のHTMLファイルで動きます。

 

コード上では、外部API、CDN、fetchによる外部通信を使用していません。登録内容は使用中のブラウザのlocalStorageに保存されます。

 

ブラウザの閲覧データを削除した場合や、別のブラウザへ移った場合は、保存内容を参照できない可能性があります。

 

CSV出力はできますが、CSVをアプリへ読み戻す復元機能はありません。大切な記録は、正式な管理先にも保管してください。

 

また、「初期値リセット」はデータを空にする操作ではありません。現在の編集内容を消し、最初のサンプル5件へ戻します。実行前に必要な記録をCSV出力してください。

 

よくありそうな質問

 

Q. 誰が使うことを想定していますか?

 

A. 品質保証、品質管理、製造、生産技術、購買、現場責任者など、不具合の是正対応を担当・確認する人に向いています。

 

Q. 登録した内容はあとから変更できますか?

 

A. はい。一覧の各欄を直接編集できます。変更後は集計とグラフが更新され、ブラウザ内へ保存されます。ただし、変更前の履歴を残す専用機能はありません。

 

Q. 絞り込み結果だけをCSVにできますか?

 

A. はい。検索やフィルターを適用している場合、現在一覧に表示されている案件がCSV出力の対象になります。

 

Q. CSVをアプリへ戻せますか?

 

A. いいえ。CSVを読み込む機能は確認できません。CSVは保管や外部での加工に使い、アプリ内データの復元手段とは分けて考えてください。

 

Q. 初期値リセットを押すと空になりますか?

 

A. いいえ。確認画面のあと、現在のデータが消え、初回に用意された5件のサンプルへ戻ります。

 

Q. 正式な監査記録としてこのアプリだけを使えますか?

 

A. 承認履歴、変更履歴、添付ファイル、アクセス権管理などの専用機能はありません。組織に適用される規格、法令、社内手順を確認し、必要な原資料や正式システムと組み合わせてください。

 

不具合対応を、次の改善へつなげるために

 

CAPA管理で大切なのは、問題が起きた人を責めることではありません。

 

確認できた事実を残し、影響を抑え、原因に応じた恒久対応を進め、その効果を確かめることです。

 

「品質是正CAPA管理」は、その流れをチームで共有し、期限や対応漏れを見つけやすくするための道具です。

 

詳しい使い方や注意点は、noteの記事にまとめています。

 

詳しくはこちら: