アマゾンと言えば宅配サービスを思い浮かべますが、今回、とり上げるのはもちろん、ECサービスを提供するAmazonではなく、ブラジルのアマゾンです、

 

ピラニアで有名なアマゾン川はアマゾン川流域に広がる盆地で、熱帯雨林が密集する総面積は820万平方キロメートルを超える広大な面積を誇り、その全体の40%がブラジル、その他がボリビア、エクアドル、ペルーに広がっています。

(ちなみに日本の総面積は37.7万平方キロメートル)

 

 

ベレーン市

 

 

ニューヨークと勘違いしそうですが、これはパラー川の河口にあるパラー州の州都ベレーンです

 

 

ブラジルは「人種のるつぼ」の国と言われるだけあって、東西南北にメチャ広大なこの国には、それぞれのルーツを持つ移民たちプラス原住民(インディオと呼ばれる)プラス、アフリカから奴隷として連れて来られた黒人たちなどが持って来て伝えた料理や調理法があり、ブラジル北部のアマゾン州や今回の記事で紹介するパラー州にも独特の「郷土料理」があります。

 

 

パラー川の河口にあるベレーン市 水が濁っているのは川の色

 

 

 

ベレーン市の写真 (観光スポット「ヴェル・オ・ペーゾ市場)

 

 

 

その昔、ゴム貿易で栄えたベレーン港 (1825年の風景)

 

 

 

ベレーン市(人口150万)のホットな観光スポットと言えば、『エスタソン・ダス・ドッカス』(Estação das Docas)。ドッカスとはドックのポルトガル語読みで、船着き場+港湾設備+倉庫などがあるところです。

 

 

エスタソン・ダス・ドッカス

 

 

写真の通り、クレーンなどありますが、これは昔の名残でモニュメント的に残されているもので、現在は小型船の発着などしかやってなく、元倉庫だった広い建物の中は、たくさんのレストランや土産物店、バーなどがあり、ベレーン市民や観光客に人気のスポットで夕方や週末となると多くの人でにぎわいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッカス内部

 

 

 

パット・ノ・ツクピー料理

 

ベレーン市には、昔、仕事の関係で年に数回行っていました。

その時に、このドッカスに行ってレストランで必ず食べていたのが『パット・ノ・ツクピー』なのです

 

 

                           『パット・ノ・ツクピー』

 

『パット・ノ・ツクピー』(Pato no Tucupí)は、翻訳すると「アヒルのツクピーソース煮」という意味になります。

 これはアヒルをツクピーというソースで煮た料理です。


ツクピーを抽出するキャサバ(タピオカの原料でもある)は、ブラジルに原生種があったようで、「中央ブラジル西部を中心あたりで1万年前には栽培が始まっていた」とWikiにある)、つまり、ポルトガル人がブラジルにやって来る前(西暦1500年以前)には、すでにブラジルの原住民(インディオ)は、インディオ語でmandioca(マンジオッカ)と呼ばれるこのキャサバ芋を栄養源として食べていたのです。

 

その利用法の一つとして、キャサバ芋を煮ることで根に含まれる毒(シアン化水素)を抜いたあとで、煮た芋と煮た汁(これがツクピーソース)も食べたのです。 その後、ポルトガル人たちによってアヒルなどが持って来られると、アヒルを使った「パット・ノ・ツクピーソース煮」が作られたようです。

 

ベレーン市で売られているツクピーソース

(ペットボトルに入れて売られている)

 

 

「パット・ノ・ツクピーソース煮」に必要な材料は、
(たぶん5~6人分です)


  ①ツクピーソース 
  ②アヒル 
  ③ジャンブーの葉
  ④玉ねぎ
  ⑤ニンニク
  ⑥トマト
  ⑦チコリー
  ⑧オリーブオイル、バター、胡椒、レモン汁


などなどですが、この③のジャンブーという野菜が不可欠なのです。ジャンブー(jambú 和名オランダセンニチ。学名:Acmella oleracea)は食べると舌や口中をピリピリと痺れる作用をもっておりえーん、料理の味を際立たせる作用があります。

                                  ジャンブー草

 

 

茹でたジャンブー



オリジナルの「パット・ノ・ツクピーソース煮」は、昔インディオが野生の鴨を焼いたものをツクピーで煮て料理を作ったそうですが、現在はアヒルを使っています。
アヒルを二晩かけて油、塩、玉ねぎ、にんにくなどで下味をつけ、オーブンでたれをかけながら、こんがり焼き上げ、適当な大きさに切り分けてジャンブーという、これもブラジル北部に自生するキク科の植物と一緒にたっぷりのツクピー・スープでくつくつ煮込めば完成ですが、このパット・ノ・ツクピーをたっぷりお皿にとり、これにライス(米)とファロッファ(キャサバ芋を摩りおろした粉をバター、にんにくなどと一緒に炒めたもの)と一緒に食べます。


そして、このパット・ノ・ツクピーに欠かせないのが、ピメンタ・デ・シェイロという、アマゾン特有の激辛唐辛子で、この唐辛子は淡い黄色をした小粒(丸い形)なのですが、その辛さといったら赤唐辛子の数倍ではないかと思います(ああ、書いているだけで顔に汗が出てきましたタラー
これを好みの量入れて、汗をかきながら食べるのです。


アヒルと一緒に煮たジャンブーという野菜は、どういうわけか口に入れて噛むと口中が痺れてくるのですねσ(^_^;)アセアセ...  
これにピメンタ・デ・シェイロの辛さとパット・ノ・ツクピー料理の美味さがミックスして、もう、極楽の境地を味わえます
星星星

 

 

 

 

 

 

そのほかのツクピーソースを使った郷土料理

 

 

ヴァタパー(Vatapá)

 

 

 

 

タカカー(Tacacá)

 

 

 

カランゲージョ(Caranguejo)

 

 

アマゾンの郷土料理、次回も紹介したいと思います。

 

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