前回の“フェイジョアーダ”に続いて、シュラスコの話しです。

 shuhasko

シュラスコとはバーベキューのことですが、ブラジルのシュラスコには、シュラスカリア(シュラスコ専門店)と一般家庭で食べるシュラスコがあり、どちらも焼肉であることは変わりませんが、焼く肉の大きさに違いがあります。

 シュラスカリアでは牛肉、羊肉、豚肉、鶏の心臓、腸詰などを金串で刺し、炭火で焼いたものを出しますけど、これらの焼肉は日本や米国あたりのバーベキューとはかなり違い、日本のように薄く切った(スライスのような?)肉片を焼くのではなく、牛肉の場合は肉塊、つまり1キロかまたはそれ以上の牛肉のパーツを粗塩だけで味付けして金串(50~60センチくらいの長さのもの)で刺し、炭火で焼いたものをウエイターがお客さんのテーブルに持って来て、各自食べやすい大きさに切って皿に入れてくれるのです。 

 

 

 

 

 

大概のシュラスカリアではテーブルにスタート/ストップと書いた小さな目印があって、“スタート”を示すと、次から次へと、それこそノンストップでウエイターが美味しそうに焼けてジュウジュウ肉汁が流れている焼肉(牛肉、羊肉、豚肉)、鶏の心臓、腸詰など(サーモンを焼いたのを出すところもある)を次から次へとテーブルに持って来ます。 

もちろん、客は持ってくるものを全て食べなければならないということではなく、好きなものを好きなだけとって食べればいいのです。 あるていど食べて小休憩したかったら、例の標識を“STOP”にすればシュラスコを持ってくるのがストップする、というわけです。

 

 

 

 

このシュラスコ・コースには、豊富なサラダ類、ご飯、サラミ・ソーセージ、各種ハム、チーズ、シーフード、色々な種類の野菜料理、その他のいかにも美味しそうな料理も多数含まれていて、結構バランスのとれた食事ができるようになっています。

 それに最近は寿司、寿司刺身の世界的流行を反映してか、ほとんどのシュラスカリアでも鮨、刺身を提供しています。もちろん、醤油とワサビ付きです。 ただし、特別高級なシュラスカリアなどを除いて、ふつうのシュラスカリアの鮨、刺身はお世辞にもあまり上等な材料を使っていませんけど、ブラジル人たちはスシ、サシミがダイエット・フードと知っているからか、競うようにして食べます^_^; 
 

 

 

 

 


 これらのサラダやサラミ&チーズなどの嗜好品、野菜料理や寿司、刺身などは、シュラスカリアの一ヶ所にまとめて(豪華な飾りつけをして)置いてあるので、各自自由に好きなだけとることができます。これらの食べ物の料金はシュラスコ・コース代金に含まれているので、別途支払う必要はありません。
(サラダ、サラミ、チーズ、ハムなどの嗜好品、それに寿司、刺身、野菜料理などが豪華に飾り付けられて置かれてあります)

 

 

 

シュラスカリアで上手に美味しい肉(特に牛肉)を食べる秘訣は、まず最初にサラダなどを軽くとって胃袋をスタンバイの状態にしておきます。 まず、最初のころウエィターが持って来る牛肉は、よほどの場合(特にこの肉が好きだとかいう個人的好み)を除いてあまり食べないこと。なぜなら、あとになればなるほどピカンニャ(牛モモの最も味のある部分)などの高級な肉をもって来るからです(シュラスカリアも伊達で商売をやってない?)。 これを知らない人は、最初からはりきって安い肉を食べ、高級な肉が来る頃はもう満腹でございま~す、とホールドアップの状態になります^_^; 
 

  日本人や栄養のバランスに気をつける若い女性や肥満を気にする人などは、野菜やご飯などもほどよく食べますけど、シュラスカリアに来て肉以外のものを食べるのは損だと思う(?)ブラジル人もかなりいて、彼等は気に入った肉だけを狙って、ドンドン注文して馬のようにばかばか食べます。それも早メシが得意な日本人なんかと違って、延々と2~3時間くらいかけて、ビールを飲みつつ、おしゃべりをしながら、ゆっくりと時間をかけてシュラスコを堪能するのです。

 

 

シュハスコ

 

 

一般家庭のシュラスコも、基本的にはシュラスカリアのシュラスコと同じで、違うのはほとんどの場合、大きな肉塊を焼かずに、ビーフくらいの大きさに切って網の上に載せて炭火で焼くのが多いですね。これだと火の通りが早いので早く焼けるというわけですけど、、本格的シュラスコが好きな人は、やはりシュラスカリアのように、かなりピカンニャ(牛モモの最も味のある部分)や3~4キロはある骨付きあばら肉などの大きな肉をやはり粗塩だけで味付けし(焼きながら塩を上からふったり、粗塩を肉の表面にふるなどの方法あり)、じっくり時間をかけて炭火で焼き、ほどよく焼けたところをナイフでそいで食べます。 

                     もっとも人気のある部位ピカンニャ

Picanha:ピカンニャ/ イチボ. 牛の腰肉で、1頭の牛から約1.5kgしか取れない希少部位。周りに脂が巻いた形に串を打つのが特徴。旨味のある肉で、シュハスコでは一番の人気部位。

 
家庭でする場合は、牛肉、腸詰、それに鶏の羽などが良く使われるますね(これは結構おいしいです)。 それと、ブラジル人は、家庭シュラスコをする時、よくフランスパンを買います。 このパンを縦半分に切って、中にシュラスコの牛肉をはさんで食べるのです。まあ、一種のサンドイッチですね。 日本人というか、日系人がシュラスコをする場合は、やはり日本人らしく、テーブルには必ずといって良いほどおにぎりとか、サラダとかが出てきます。そして面白いことに、シュラスコにはこのあっさりしたおにぎり(白ご飯のおにぎりです)の味がピッタリ合うのです(^∇^)  


 だから、日系人のシュラスコに呼ばれたブラジル人たちも、そのことを知っていておにぎりを美味しそうにシュラスコといっしょに食べるのです。シュラスコにおにぎりがなかったりすれば、「あの美味しいお米のダンゴはないの?」と聞かれるくらいお握りは好評なのである。 シュラスコでこうしてふんだんに牛肉を食べれるのは、ブラジルなどでは牛肉が安いからでしょうね、高級な牛肉でも1キロ5ドル程度なので、日本のように「三切れ下さい」とか「400グラム下さい」などと少量買わなくてすみます。 

 
ほとんどのブラジル人は牛肉を買う場合、1キロはふつうで、家族の多い家庭などは2、3キロ買うのがふつうです。 これが、シュラスコをする時は、シュラスコのメーンである牛肉は一人あたり300~400グラムをメドに買います。 したがって、20人集まる予定なら少なくとも20x300=6キロくらいの牛肉が必要ということになります。 実際には、鶏肉とか腸詰などがあるので、少しくらいは減らしてもいいですけど、これが1日中のシュラスコとなったら、やはり多めに買わないと不足してしまいます。 

 それに、ビールやジュースもたくさん買わないと足りなくなります、当然のことですけど。 塩気のあるシュラスコを食べていれば、必然的に喉が乾くので飲み物が必要になるというわけですね。 こうして、思う存分肉を食べ、ビールを飲み、騒いで楽しむのがブラジル流バーベキュー、すなわちシュラスコというわけです。


 

 

 

Lobyは昔、リオデジャネイロ市で仕事をしたことがあるのですけど、毎年、年末には務めていた会社がイパネマ・ビーチ(そう、あの有名な曲『イパネマの娘』が歩いていたビーチです)にある人気シュハスカリア(バーベキューレストラン)『Porcão』(ポルコン)で忘年会を開いていました。


写真で見てもわかる通り、一等地にありました。
 

 


なぜ、過去形かというと... ググってみたら2017年に閉鎖されたとあったからです。
まあ、高級BBQ店ですから、維持するだけでも大変だったのでしょう。
『ポルコン』の大きさはけた外れで、年末には2千人近くが詰めかけごった返していました。
2千人って、月にじゃなくて、1日の夕食時ですよ!

 
『ポルコン』からはリオの海が見えました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

食事が終わればデザートですが...

あまり肉を食べ過ぎると、デザートが入らなくなるので気をつけなければなりません...タラー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

usagi_wave.jpg
 

ご訪問有難うございます

lobo.gif

 

usagi_wave.jpg

 


 

シュハスカリア『ポルコン』の全貌