ブラジルと言えば、アマゾン、サンバにカーニバルが有名です。

では食べ物では何が代表的か、と聞かれたらやはりシュラスコ(ブラジル式バーベキュー)とフェイジョアーダでしょうね。

 

ブラジルの代表料理 フェイジョアーダ

 

 

 

レストランでは、このような感じでフェイジョアーダ鍋が置かれている

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フェイジョアーダとは、ブラジルでフェイジョンと呼ばれる豆(菜豆)料理で、このフェイジョンは数十種類あるのですが、フェイジョアーダに使われるのは黒いフェイジョン。 これををラード(豚の脂肪分)と豚の塩漬け肉、馬の塩漬け肉、腸詰、などとごった煮したものをフェイジョアーダと言います。

 

 

フェイジョアーダの材料

フェイジョアーダの材料

 


豚の塩漬け肉は、耳、尻尾、鼻(これは今ではちょっと入手難しい)、骨付きのあばら肉やなどですが、馬(実際はロバなども多いそうですびっくり)、塩漬け肉は、普通の安い肉の塩漬けしたものを使います。 これらをグッタラ、グッタラ数時間かけて鍋で煮こんだものを、カレーのようにご飯の上にたっぷりかけ(人によってはフェイジョアーダを先に皿にとり、その上のご飯を乗せるものもあり)、ファリンニャ(マンジオッカやトウモロコシの粉)やコウヴェ・マンテイガ(キャベツの一種を細く刻んだものをニンニクとともに油でさっと炒めたもの)などと一緒にご飯と食べるのですが、見ただけでも分かるようにたいへんなスタミナ食であり、かなり“重い食事”ですガーン

 

 

 

 

フェイジョアーダは、一説によれば、昔、農場の黒人奴隷たちが主人たちが食べないで捨てた、豚のパーツ(つまり、耳や鼻や尻尾)などを利用して、過酷な労働に耐え、腹持ちのするスタミナ食を考案したのが始まり、と言われていますが、ブラジルの歴史研究者たちは、フェイジョアーダは決して黒人奴隷だけの食事でなく、農場主たちも食べていた食事だと言っています。

その理由の一つは、農場主の食事は黒人奴隷の女性たちが作っていたからだそうです。

Lobyも、フェイジョアーダは農場主も食べていたと思いますね。だってとてもおいしい料理ですからね。
 

ただし、農場主のフェイジョアーダは具も調味料も黒人たちが食べるフェイジョアーダよりはるかに良いものを使っていたのではないかと考えます(当たり前?)。 

ちなみに、フェイジョアーダは現在でもブラジル全国で食べられていますが、奥地の低収入のブラジル人などが食べるフェイジョアーダは、フェイジョン豆に少々塩肉が入ったのをファリンニャ(タピオカ粉)と混ぜて食べるだけです(つまり、ご飯なしで豆が主食ということ)。

 

サンパウロあたりでは、毎週、水曜と土曜が“フェイジョアーダの日”となっていて、ブラジル料理のレストランでは、土器にたっぷり入ったフェイジョアーダとご飯とファリンニャを出します。これをお皿にとり、ヴィナグレッテという、玉ねぎとサウサ(ブラジル・パセリ)を刻んだものを酸で調味したドレッシングと赤い唐辛子をたっぷりかけて食べるのです。

 

ヴィナグレッテ

ヴィナグレッテ

 

 

フェイジョアーダはたいへん美味しいので、ブラジル旅行に来た外国人もよく食べるようですが、注意しなければいけないのは、これはたいへん“腹持ちのするスタミナ食”だということです。 
なにせ、酷熱の下で過酷な肉体労働をしていた黒人奴隷や一日中広大な農園を馬で走りまわって農作業を指揮していた農園主などが食べていたものだから、肉体労働をしない、ふつうの我々がこれをガツガツ食べたら胃もたれを起こすことは確実。 

胃もたれを起こさないまでも、フェイジョアーダを食べた後は6~7時間は空腹を感じない。だから、ブラジル人がフェイジョアーダを滅多に夕食にはとらず、ほとんど昼食にとります。
 

 

タピオカ粉とベーコンを刻んだファロッファもフェイジョアーダに欠かせない

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胃の弱い方は少量でガマンした方が無難ということですね。 TVなどでよく胃もたれや胃炎用のクスリのCMがありますが、これらのCMでも「フェイジョアーダを食べた後の胃もたれにはXXXをどうぞ」と宣伝しているくらいですから、フェイジョアーダを食べて胃もたれや胃炎を起こすのは、不慣れな外国人や我々のような日本人だけではないということがよく分かるというものです。

 

 フェイジョアーダと似たもので、サンパウロあたりの一般家庭で食べる、通常、豆の名前をとってフェイジョン呼ばれる、パウリスタ風フェイジョアーダがあります(パウリスタとは“サンパウロの”と言う意味)。
 ちなみにサンパウロ市生まれのブラジル人もパウリスタと呼ぶ)これは、大豆みたいな色のフェイジョンを圧力鍋で煮て、それを少量の油(この場合はふつうの植物油を使う)を入れたフライパンでにんにくや玉ねぎを刻んだものと炒め、その後、圧力鍋に戻し、水を加え、塩肉や腸詰やベーコンを入れ煮た後、調味料や塩で味付けをして仕上げます。

 

 

サンパウロでよく食べられるフェイジョン

フェイジョン

 

 

これは、オリジナル・フェイジョアーダよりずっと軽く、カロリーも少ないので、サンパウロの普通のブラジル人家庭では、昼夕食に毎回これをご飯にかけて食べています。もちろん、彼等はこのパウリスタ・フェイジョアーダとともに、サラダやビーフなどを食べるので、かなり栄養学的にもバランスのとれた食事となります。

ちなみに、我が家でも、週に2、3回はこのフェイジョン料理が食卓に出ます(^∇^)

 

 

【 フェイジョアーダには欠かせないカイピリンニャ(ブラジル風 焼酎カクテル)】

 

 

 

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