私と結菜さんは、仕事帰りの道すがら、
麗華さんはほんとにすごい人だね、
お金で働きに来てるんじゃなくて、
志なんだって、そんなことできないよね普通。
などとよく話していました。
麗華さんは信者の中でもトップクラスの優秀さでしたし、
誰も逆らえない白井さんにも、立ち向かっていました。
信者と言っても宗教団体ではありません。
ただほぼ佐沢先生の信者で、熱狂的なファンの集まりで、新興宗教の様相を呈していました。
私の本では投資システムの組織となっていますが、微妙に違います。
まあ投資ということにしておきます。
なのでそれぞれの方の信仰や宗教に関しては、ばらばらです。
ただなぜか偏りがあるというか、特徴がありましたが。
私がそこでであった人もいろいろで、日月神示を信奉している方や、伊勢信仰の方、ラウム様信仰の方とか。
私も結菜さんも特定の信仰はなく、初詣に神社に手を合わせに行く程度の感じでした。
そこに神様がついていると言っている麗華さんがきました。
ところが麗華さんは、神社にいったりお寺にいったりはしないと言っていました。
この時点でおかしいと思わないといけなかったのですが、
やりたい放題の白井さんに立ち向かい、私たちに親切にしてくれて、
身銭を切って美味しいものを買ってきたりする麗華さんが、素晴らしい存在にしか見えなかたっのです。
ほんとにバカすぎたことに、後で気が付くのですが。
あと麗華さんは人脈も凄くて、各界に通じていましたが、今となっては定かではありません。
この触れ込みも、佐沢先生が麗華さんを取り立てるひとつでした。
佐沢先生も自称八咫烏のメンバーの一員でしたからね。
私はその話は初めは知りませんでした。
ただ投資に関する情報などを、どこから得ているのか、
何か裏があるという噂はありました。
あるときに麗華さんから、佐沢先生は実は八咫烏のメンバーなのですよ、
だからあれだけのお金も動かすことができ、何をしても成功することができるんです、
という話を聞きました。
麗華さんは佐沢先生から内密に聞いたことだと言っていました。
(上加茂神社。)
八咫烏?
なにそれぇぇぇぇぇ。
話によると、この日本を裏で支え、様々な分野のエキスパートが集まった、
いにしえから続く秘密結社なのだそうです。
八咫烏は12人のメンバーが中枢にいて、その上に3人の大鳥がいて
裏天皇と呼ばれ、階級がしっかりとあるそうです。
神武東征の際にあらわれた八咫烏に由来し、
長きにわたって日本の国の裏で暗躍して、支えてきているのだと。
そしてそのメンバーの一人が佐沢先生であると。
麗華さんはものすごく神妙な顔つきで、
このことは誰にも言ってはいけませんと、私に言いました。
続きます。
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