先月、2024年3月31日に、王子動物園のジャイアントパンダ『タンタン』が亡くなったそうです
パンダとしてはかなり高齢まで生きてくれたタンタン、どんな子だったのだろうか、と思ってホロスコープを出してみました。
①乙女座22度の太陽。
乙女座23サビアンシンボルは、『ライオンの調教師が自己の技術と性格を人々に見せる』
直井先生の「サビアン占星学」には、こう書かれています。
『このディグリーの人は人生で一時期厳しい状況を経験するかも知れない。この人は辞める、別れるといった状況を否定する決断をすることによって、過去を捨てることになるだろう。』
また、松村潔先生のサビアン 本では、『動物のトレーナー』となっていました。
タンタンは、五歳の時、生まれ故郷を離れて、日本にやってきています。
故郷との別れは、動物であるタンタンにとってはかなり厳しい状況だったのかも。
また、サビアン のタイトルの、調教師、動物のトレーナー…タンタンのお世話をしていた研究者や飼育員さん達のことを表しているのでは無いかと推測します。
というのは、タンタンは人間ではなく、動物であり、占星術における太陽は人間としての意識、エゴを表すためです。
動物は、多分ですが、『自我』って無いんじゃないかと思います。
だから、ホロスコープにおける太陽は、周りにいる人間に投影されると解釈しました。
タンタンの周りの人間たちが、この太陽を担い、乙女座ですから、几帳面で、細かく、病気や清潔に気を使い、金星が近くにいますから、彼女を愛し、可愛がり、快適な暮らしを実現していたのではないでしょうか。
②乙女座の太陽が、魚座土星と180度。
太陽-土星オポジションは、太陽が土星に積極的に働きかけるアスペクトです。
土星は責任や、世間のルール。
タンタンの周りの人達が、上の方々の期待や指示に忠実に従い、まじめに、しっかりと責任感を持って、タンタンをお世話していたことを示すのでしょう。
ちょっと堅苦しいかも…
③月は双子座ですが、出生時間が不明ですから、度数は6度ほど前後します。
この月はタンタン自身を表していると思われます。
双子座ですから、自由が欲しいタイプ…ですが、太陽と土星が、月に90度アスペクトを形成して、彼女の自由を邪魔しています。
動物園で、繁殖研究を目的に飼育されているという、状況に合致します。
月の180度反対側に射手座木星があります。
海外との強い縁があると読めます。
180度は、惑星が惑星に飛び込むアスペクトで、この場合は月が木星に飛び込むので、
タンタンは生まれながらにして、故郷から海外へと行くパンダだったのでしょう。
④タンタンは繁殖研究のために日本にやってきました。
ですから、パートナーとの間に、何度か妊娠出産をしています。
が、無事に育った赤ちゃんは居ないそうです。
生時が分かれば、子供のことは5番目のハウスで読むのですが、タンタンの場合、時間がわからないので、太陽から5番目のサインで読んでみます。
太陽は乙女座にあるので、5番目は、山羊座です。
山羊座には、海王星と天王星があります。
天王星と海王星は太陽と120度、土星と60度です。
5番目のサインの、海王星、天王星ですが、『赤ちゃんは、突然、消える、形がなくなる、曖昧になる』と読めます。
星座には、妊娠しやすい星座としにくい星座というのがあるんですが、
妊娠しやすい星座(多産サイン)が、水星座である、蟹座、蠍座、魚座。
不妊サインが、双子座、獅子座、乙女座。
タンタンの場合、太陽、月が不妊サインです。
火星、土星は多産サインですが、どちらも、多産サインにあったとしても、効果的だと思われない天体です。
彼女はもともと出産しにくい体質を持っていたのでは無いでしょうか。
⑤外円は、今年3月31日のトランジットとプログレスです。
タンタンは数年前から病気を患っていて、パンダとしてはかなりの高齢だったそうです。
トランジット土星が、出生の太陽、土星、月のTスクエアにそろそろ近づいていました。
出生時間によっては、トランジット土星が出生月にタイトなスクエアになっていた可能性もあります。
土星は、弱った体には、負担が大きい天体ですから…
救いなのは、トランジット木星・天王星が、この、太陽-土星に対してイージーアスペクトをとっていること。
安らかな、突然の死による解放だったのだと思われます
今回は、王子動物園のアイドルだった、ジャイアントパンダのタンタンについて、ホロスコープを読んでみました。
人間ではないから、亡くなったらすぐに、パンダたちの天国に行っているはず
肉体から離れ、自由になれたタンタン。
今はただ、頑張って最後まで生き抜いてくれて、ありがとう、と言いたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
横山蓮花