『世はすべて美しい織物』 成田 名璃子
桐生の養蚕農家に生まれた芳乃は、昭和12年桐生の買継商「新田商店」に嫁いだ。
嫁ぎ先ではさらに織物へのめり込んでいく。
戦争中も苦労しながらも織物への情熱は忘れなかった。
夫はもちろん、義姉と姑もよき理解者で味方になってくれたのが嬉しかったです。
一方、平成30年の東京では、トリマーとして働く詩織も織物に興味を持ち始めていた。
子供の頃から手芸が好きだったが、母親の反対で隠れるように手仕事をする詩織。
手芸仲間と一緒に桐生で行われた手しごと市に参加し、運命の出会いが・・・。
二つの時代が交互に描かれ、絡まった糸がほぐれていきます。
織物に魅せられた二人の女性とその家族について描かれた大河長編でした。