『雨の日は、一回休み』 坂井 希久子
40~60歳代のおじさんを描いた連作短編集です。
自分たちが若かった頃とは大きく変わった社会。
だが、今の価値観についていけない彼ら。
身に覚えがないのにパワハラやセクハラを訴えられる課長。
仕事の肩書を取ってしまったら何もない定年間近な部長。
かつての部下が今は上司のバツイチ男。
女子高生になりすましてSNSをやってる派遣男。
街の秩序を守る事こそが今の己の責務と思ってる「世直しおじさん」。
自分たちが若かった頃は・・・と思いながら日々暮らす5人の男たち。
「こんな古い考えのおじさん、まだまだいるよな~。嫌だな~。」と思いながらも、おじさんたちにちょっと同情したり・・・。
周りからは鬱陶しがられ家でも職場でも居場所がなく、それでもわが道を行くおじさんたち。
そんなおじさんたちもそれぞれ何かを見つけられて本当によかったです。