広瀬淳二・井野信義・芳垣安洋 トリオ No Trunks | ジョン・コルトレーン John Coltrane

広瀬淳二・井野信義・芳垣安洋 トリオ No Trunks


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コルトレーン、ヘロインを断つ 目次




10月23日金曜日、国立のノー・トランクスで広瀬淳二(ts)井野信義(b)芳垣安洋(ds) のトリオを聴いてきました。


ジョン・コルトレーン John Coltrane-No Trunks 看板



ジョン・コルトレーン John Coltrane-本日のライヴ




井野信義は高柳昌行、富樫雅彦との共演が名高い。芳垣安洋は大友良英と様々なユニットで活動を共にし、渋さ知らズへの参加でも知られる。自分は井野信義は初めて、芳垣安洋は8月の大友良英トリオ に続き2度目に過ぎないので、紹介する資格ないんですけど一応型どおりにどういう方々かということで簡単に。



ジョン・コルトレーン John Coltrane-ノー・トランクス店内ステージ方向
ノー・トランクス店内ステージ方向


ジョン・コルトレーン John Coltrane-ノー・トランクス店内カウンター方向
ノー・トランクス店内カウンター方向


ノー・トランクスは非常に落ち着いた雰囲気の良いライヴ・スポットでした。壁にはコルトレーンのクル・セ・ママ、アリス・コルトレーンのア・モナスティック・トリオ、ジェームズ・ブラッド・ウルマーのノー・ウェイヴなんかもディスプレイしてある。


国立という場所柄でしょうか、客の入りが良い。全部で17,8人。最終的にテーブル席は全て埋まっていました。


演奏は 1st set が30分ほどで2曲(というか即興が2つ)。2nd set が4,50分で3曲(即興3つ)に短いアンコール。サックスとドラムスは PA なし。ベースはアンプを用いていましたが終始使用していたのかどうかは不明。



ジョン・コルトレーン John Coltrane-広瀬、芳垣、井野
左から広瀬、芳垣、井野


井野、芳垣を得て、広瀬淳二は SAU の時とはまた違った側面を見せていました。


SAU は高速高密度の「動」の局面も、低速低密度の「静」の局面も持続時間が長く変化も漸進的だったように思いますが、今回は1曲の内で「動」と「静」等々、タイプの異なる局面が何度も入れ替わっていました。


だがその変化も唐突に次々変わるわけではない。ごく自然にいつの間にか変わっているといった具合。あくまで SAU との比較において相対的に、ということですが。


その変化というのは、広瀬の場合、おおざっぱな言い方をすると先のソロ で披露した「技」の数々から引き出されていく。ただこれまでに聴いたことのない(あるいはこれまで気付かなかった)音色もいくつか聴こえていました。


ジョン・コルトレーン John Coltrane-広瀬淳二



そして恐らく概ね広瀬が主導する変化に井野と吉垣が柔軟に対応し、非常に多様な即興を生み出していた。2人の反応が広瀬にフィードバックしてまた微妙に変化するという場面もあった。


広瀬の「技」に応じてベースとドラムスも実に多彩な「技」を次々に繰り出す。


ジョン・コルトレーン John Coltrane-ウッド・ベースとアルコ



ジョン・コルトレーン John Coltrane-数種のアルコ


井野の場合、通常のアルコとピチカートの他に、弦をマレットで叩いたり(逆さにして木の部分でも叩く)、弓から外した毛を弦に通して弾いたり、平たい板上のものをピック代わりに使ったり、またマレットや小物でプリペアドにした状態でアルコ弾きしたり、そして何であるか不明な物体で弦を擦ったり。



ジョン・コルトレーン John Coltrane-発行する物体
なんじゃこりゃ!
発光しております。


ジョン・コルトレーン John Coltrane-マッサージ器
マッサージ器でしょうか


あと、ベース弾きつつホイッスルも吹いていた。しかし広瀬がバリバリ吹き捲る「動」の局面で、ややヴォリュームを上げてのピチカートは見事だった。大御所の貫録といった感じ。



ジョン・コルトレーン John Coltrane




芳垣は大友良英トリオの時と同様、幾種ものスティック、素手、数々の「小道具」を目まぐるしい速さで縦横に駆使。もう見ているだけでも楽しかった。使用ドラムは口径の小さいスネアとバスドラ等で構成され、小ぢんまりとしたセットでした。



ジョン・コルトレーン John Coltrane



ジョン・コルトレーン John Coltrane



ジョン・コルトレーン John Coltrane-口径の小さいスネア
口径の小さいスネア


ジョン・コルトレーン John Coltrane



ジョン・コルトレーン John Coltrane-数々の小物
これらをスネアの上に載せて
擦ったり叩いたり。


ジョン・コルトレーン John Coltrane




広瀬もまたこれまで見たことのない「技」を披露(もちろん「これまで見たことのない」というのlは自分に限ったことで、フリー系のサックスを長年聴いてきている方々は先刻承知なのでしょうけれど)。一体どれだけ引き出しがあるのか。


ジョン・コルトレーン John Coltrane-ネックを外してパーカッション
ネックを外してキーを叩き、パーカッション。
「管」に響く籠った音。


ジョン・コルトレーン John Coltrane-大腿内側部でミュート
2nd set 2曲目の出だし、
芳垣の出す音(ベル様のものを大きさに従って連ねたものを使用)に耳傾け
しばし考えた後椅子に座り、
大腿前中部の内側でベルをミュート。
前回の SAU では上下にずらしていたが、
今回は脚に密着させた状態から離したり戻したりの
開け閉めで音を変化させていた。


2nd set は2曲目が終わった後、興に乗った感じでもう1曲追加。演奏が終わると惜しみのない拍手が次第にアンコールへと変わる。ソロの時と同様、高速高密度の短い凄絶な即興をぶちかまして再び大きな拍手。非常に盛り上がっていました。文句なしにいいライヴだった!!!




次の予定は


10月31日(土) 24:00~ 
新宿なますて 03-3209-1254
Double Snares Kick
森順治sax, 井上尚彦ozashiki, 大沼志朗ozashiki

前回は仕事の時間帯が深夜だったので楽勝だったが、今回は早番に変更後の観戦。完璧普段寝てる時間。しかもこの日は昼間仕事を終えてから。挑戦ぢゃ!



11月3日(火)文化の日
五反田Rocky  
東京都品川区西五反田1-18-11プレマ五反田ビル9階
03-3491-8170
HIKURASONA ORCHESTRA(ヒロリンズのヒロさん トランペットで参加)
15:00オープン、15:30スタート
ポスター参照

ヒロさん のライヴです♪(注:フリー・ジャズではありません)



11月3日(火)文化の日
藤川義明トリオ= 藤川義明(as) カイドー・ユタカ(b) 大沼志朗(ds)
19:30~23:00. ¥2,500(ドリンク付き)

ライヴのはしごぢゃ! 可能かどうか、これも挑戦です。




…身体もつかしら(汗)。




(ほな♪)




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