10月13日 | 我が心の。

我が心の。

我が心の故郷への想いと日々の出来事を備忘録がわりに記す。

NHK朝ドラ「ブギウギ」10月11日、12日放送から。

 

梅丸歌劇団 研究生の3人が、初めて舞台の衣裳や化粧前の用意をすることとなった当日、スターであり新人教育係の橘アオイの衣裳の羽根を用意するのを忘れ、終演後、稽古場でひたすら一人稽古をする憧れのトップスター大和礼子の姿を覗いていた研究生の花田鈴子。気が付いた大和に声をかけ稽古場に入り…。

 

大和礼子(トップスター):ねえ、あなたちのミスで一番迷惑を被ったのは誰だと思う?

 

花田鈴子:それは…やっぱり…橘さん…。

 

大和:違う。お客様…。お客様はね、現実から離れたくて劇場にいらしてるの。そのお客様に、私たちは一瞬でも現実を感じさせちゃダメ。それがプロじゃない。

あなた、どうして踊るの?

 

鈴子:どうして…? 踊りたいから…。

 

大和:その先を…これからは考えていきなさい。

 

鈴子:……あの、私も踊ってもよろしいでしょうか

 

大和:踊れば!(笑顔)私はもう帰るから。

(鈴子の足先のケガを見て)これを足に巻いて練習しなさい。バレエはひたすら反復。

 

鈴子:……はい!! ありがとうございます!!

 

そこに教育係で男役トップスターの橘アオイが顔を出し…。

 

:何してんのや! 掃除終わったんか?

 

鈴子:はい! 終わりました!

 

:ほしたら帰れっ!

 

鈴子:すみません。

 

大和:…それとっ。同期は大切にね。(橘の肩を抱き)この人もあなたのように劣等生だったのよ(笑顔)。

 

:余計なこと言わんといて!

 

大和:だから人一倍、梅丸愛に溢れてる(笑顔)。トップなのに教育係までして。あなたたちも、自分のいるところを愛して!

 

鈴子:はい!!

 

:はよ、いね!

 

鈴子:失礼します!!

 

*****

 

梅丸歌劇団、初の劇団作品興行でデビューすることを告げられた3人。しかし全員ではなく、うちの1人だけという話に、鈴子が同期の2人に向かって、梅丸愛を叫ぶ。

 

鈴子:なあ、確かにわてはあんたら二人に比べてバレエは下手や。タップも負けとる。…せやけど、わてが勝っとるところもある。…梅丸愛や!! それだけはあんたらに負けへん!!

わてはあんたらとちごて、おまけでここに入れてもろた。ほんまは入れへんかもしれなかったのに…。せやからわては、この劇団にメチャクチャ恩があんねん!!義理があんねん!!

将来、ごっつう劇団にしたろと思てる。いや、思た。それが人情や!!ちごてるか?あんたら、それぞれデビューしたい気持ちはわかってるけどな、わてもそういうわけや。

負けへんで! 誰が出るか決まるまでは、あんたらと口きかへん。

 

*****

 

結局3人同時にデビューできることとなった初日。同期の2人はすでに化粧を終え、舞台に向かうも、緊張した鈴子は口紅をなかなかさすことができずにいると、通りかかった大和礼子がその姿を見て…。

 

大和:あんたでも緊張するんだ。貸して…(筆を手にし、鈴子に紅をさしながら)わたしもね、いつもすごーく緊張する。だから、お客様のこと、ジャガイモだと思うようにしてるのよ。

そ、ジャガイモ。わたし、ジャガイモ大好きだから、食べてやるって。でもね、わたしたちはそのジャガイモのために踊るの。

いつか訊いたでしょ。どうして踊るのって。

 

鈴子:…はい、まだ答えが…。

 

大和:わからないわ、たくさんあるの。

わたし、お客さまは現実を忘れに劇場にいらっしゃるって言ったけど…それだけじゃない。

現実に立ち向かう力をもらいに来るの。

生きる力…。

 

鈴子:生きる…力…。

 

大和:しっかりね!

 

鈴子:はい!!

 

*****

初日、初舞台終演後にトップ橘アオイよりお客さまへの挨拶。

 

:こうして今日は3人の新人がデビューしましたので紹介します。

リリー白河、桜庭和希、福来スズ子!!(拍手する観客と涙する家族が映し出される)

これからもどうか、梅丸少女歌劇団をご贔屓くださいますよう、よろしゅうお願いします。

本日はまことに!(舞台上、全員で)ありがとうございました!!

 

*****

大和礼子役の蒼井優さん。ハロプロのアンジュルム推しで有名であるが、wikiには掲載されていないが、元雪組トップの朝海ひかるの熱烈なファンでもあった。

出産後、お子さんが可愛くて一緒に過ごしているのが幸せで仕事を始めるタイミングが…という時に、この「ブギウギ」の話を貰って、ぜひにと受けたとのこと。

そして、橘アオイ役の翼和希さん。現在、OSKの男役スターでトップ候補であるが、実は宝塚を目指し、惜しくも桜咲くことがなく、OSKに入団という経緯が、「ブギウギ」主人公の鈴子(花咲歌劇団に落ち、梅丸に入団)と重なる。

 

OSK(梅丸)の話ではあるが、舞台を愛する気持ちは一緒。

溢れる梅丸愛。梅丸愛があるからこその厳しい指導。

今、この時期にこのドラマが放映されるのは偶然なのか、必然なのか。

全ジェンヌにぜひ観ていただきたい。

 

110周年を迎える前に。

宝塚を好きになった時のことを思い出して。                                                                     た

音楽学校に合格した時の喜びに満ち溢れたあの日を思い出して。

同期生と銀橋を渡った初舞台のラインダンスを思い出して。

なぜ、舞台に立つのか。もう一度、初心に戻って見つめなおして。

 

私も初めて宝塚を観て涙したあの日を思い出して、

ジャガイモの一つとなって新たな気持ちで応援したいと思います。