物の価値 | こだわり探求隊

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呼ばれて、最近亡くなった知り合いの家に行ってきた。
どうか 助けると思って持ってってと言われて
 故人宅の家具類をいくつか頂いてきた 。

家の者からは 日頃、断捨離に努めよ と言われているので、 もらって帰るとまた揉めるかなと思ったが 意外にも故人の 形見と思ってか 前向きに 再利用 や 収納場所を考えてくれた。
しかし 持って帰ってよくみると あちこち カビが生えていたり 壊れていたりした
このままではどうにも使えないというのでカビ落としや洗剤なんかを色々使って綺麗にした。
そして我が家における再利用方法を考え、いくつかは採用されたが、籐製?のテレビ台だけは、どうにも置く場所がない。知己に需要が無いか聞いたが色よい返事は無かった。
叩き壊して粗大ゴミに出そうかとも思ったが、折角手間をかけて洗ったのがムダになる。
 それで結局 リサイクル店に持っていった。

売りに来ました という前に店内を視察、相場を確かめた。
似たようなものが 1000円から1500円で売られていた。
これでは 買取価格はよくて500円、引取不可 かもしれない 。
しかし故人が使ってたものが他の誰かに使われるのならタダでもいいやと思った。
故人はこのテレビ台に仏壇を置いて朝晩拝んでいた。特に最期は病を得て必死に拝んでいた。
かつて私も見舞いに訪ねた時、床の間に収まりの良い感じで荘厳さすらあったのだが、やはり家の雰囲気とのバランスがマッチしていたのだろう。今こうして買い取りのカウンターに置いてみるとみすぼらしい物に見えた

買取 価格は 400円だった。

OKして代金を貰った。


飽食の時代から、粗製乱造品使い捨ての横行する世の中であるから、物の価値としてはそんなものかもしれない。
しかし、活かそうと思って手にすれば、それは千金、とまでは行かずとも、大きな価値となるのだろう。

今のロシア軍が第一次大戦の旧式兵器を使っているそうだが、それでも兵器は兵器なのである。
ウクライナが民生品のドローンを改造して爆弾投下マシンにしているのも価値の有効化である。
昔大河ドラマで「八重の桜」という明治維新頃の銃にまつわる話があったが、会津藩がスペンサー銃という高性能銃の入手に手間取っている内に新政府軍の薩摩は旧式銃を大量に投入し、会津を圧倒してしまった。
兵器の質で量を補うのは現実的ではないのかも知れない。

故人のテレビ台が即ゴミとならず、どこかで有効に使われたなら、故人も喜んでくれるにちがいない。