そのいち
今日の現場は川越市牛子だった
その現場に架けられた足場の片隅にそれはあった

可哀そうだけど仕方なく近くで不快な音を立てても、
おかあさんハトは横っ飛びで避けこそすれ、決して巣そのものを離れることは無かった

午後の休憩に入ろうとする頃、例のハトの泣き声がするので見たら、
交代要員が来て入れ替わるところだった
おとうさんハトなのか?
それとも始めのがおとうさんハトで交代要員がおかあさんハトなのか?
いずれにせよ子を想う気持ちは見上げたものだった

そのに
おとといの帰り道、新大宮バイパスの信号で止まった時、
ふと隣の運転手を見たら、
武藤敬司 だった
わたしが説明して皆であんまりじろじろ見るもんだから
信号が青に変わったら
メルセデスS550は、ピューっと飛び去って行った