中学生の時の担任は、自分らより13歳だけ年上だった
だから、というわけではないが、
その担任は随分くだけた人だった
ふろむ よしひこ とぅ ばらく
当時彼は職員住宅に住んでいて、独身だったこともあり、
われわれ生徒(有志だが)は、多分休日前の日だったんだろうけれど、
彼のところへ行っては、いろいろと清濁教わっていた
彼は、呑兵衛だった
われわれが彼のところに滞在中でも気が向けば町へ飲みに出掛けていた
そんなある日のことだが、
その日も彼のところへ出向きワイワイやっていたところへ、
彼から連絡が入った
『飲み代が足りないので、そこら辺を探してもってこい』 と
ふろむ ばらく とぅ よしひこ
そのお役目に何人が参加し、どうやって行ったのかも覚えてはいないが、
とにかく言われたバーに行ってみた
地下への階段を下り、恐る恐るドアを開けてみた
途端に聞こえて来たのが、
『これ、小林旭の童貞のころの歌だに』 だった
無論、そのとき何の曲がかかっていたのかは定かではない
ただ、ママだか客だか知らぬが、女性の声でそう聞こえたのを妙に覚えている
ふろむ よしひこ とぅ ゆきぐにのばらく