監督として50本以上、プロデューサーとして500本以上の映画を生み出し、“キング・オブ・Bムービー(B級映画の王)”の異名を持つロジャー・コーマンが、アメリカ現地時間の5月9日にサンタモニカの自宅で逝去しました。享年98。

 

 

1926年に米ミシガン州で生まれました。第2次世界大戦中はアメリカ海軍に従軍し、スタンフォード大学卒業から数年後には20世紀フォックスでスクリプトリーダーの仕事を経験しました。その後、1954年に初プロデュース作となる『Monster from the Ocean Floor(原題)』を手がけます。

 

その後、『デス・レース2000年』や、監督も担った『巨大カニ怪獣の襲撃』といったB級映画で成功を収めます。

 

 

低予算映画を大量に製作する一方、コーマンは若い才能の発掘でも業界に貢献してきました。『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』で出演した新人のジャック・ニコルソンや、のちに『羊たちの沈黙』を手がけるジョナサン・デミは、それぞれコーマンのもとで実績を重ねていきました。

 

マーティン・スコセッシが『明日に処刑を…』でプロの監督として長編デビューを飾る機会を与えたのもコーマンでした。そのほか、ブルース・ダーン、ピーター・フォンダ、フランシス・フォード・コッポラ、ジェームズ・キャメロンらのキャリアにも深く関わっています。2009年にはアカデミー名誉賞が授与されました。

 

B級映画の帝王と呼ばれたのは、誇って良い名称だと思います。

 

安らかにお休みください。