CHASE A CROOKED SHADOW

1958年アメリカ映画WB 白黒 87分

監督 マイケル・アンダーソン

出演 リチャード・トッド アン・バクスター ハーバート・ロム アレクサンダー・ノックス

 

バルセロナ近郊のタマリウ村にキンバリー(キム)・プレスコット(アン・バクスター)の別荘はあった。父はダイヤモンド鉱山を持っていて、お金持ちだったが、その父が一年前に自殺。アマチュア・レーサーだった兄のウォードも、事故で亡くなり、今キンバリーの身内は、叔父だけだった。そんなキンバリーの前に、亡くなったはずの兄が突然現れる。キンバリーは、土地の警察署長バルガス(ハーバート・ロム)に助けを求めるが、男は亡くなった兄のパスポートを持ち、妹は精神を病んでいるのだと言い張る。バルガスもそれを信じ、帰ってしまうが、キンバリーはあくまで現れた男を兄と認めない……。

 

 

サスペンスの名作として名高いドラマです。主演は、アン・バクスター。『イヴの総て』で、スターにのし上がろうとするイヴの役で彼女自身もスターになりましたが、この映画では、死んだはずなのに帰ってきた兄に翻弄され、少しずつ精神に異常をきたしていく役を実に繊細に演じています。そして、本当に美人なんですよね、彼女。大好きな女優さんです。この映画でも、色々なドレスを着て登場して、眼福です。

 

亡くなったはずの兄として登場するのが、リチャード・トッド。アマチュア・レーサーで、南アフリカで車ごと崖から落ちて亡くなったはずの兄です。しかし、今、アン・バクスターの前に登場した彼は、必要な書類もすべて兄のもので、完璧に兄である証拠を示しています。アン・バクスターは、実は父が自殺をしてから、精神を病んで精神病院に入院していたことがあります。突然のことで、また、精神の病が出てしまったのでしょうか。

 

水辺の小屋などは、『レベッカ』を思い起こさせます。87分という短い映画であることも、ぐいぐい観客を映画に引き込んで、飽きさせることがありません。最後に、製作者のダグラス・フェアバンクス・Jrが登場して、「この映画の結末は誰にも話さないでください」と言います。この映画に限っては、これ以上の情報は、一切シャットして見ることをお勧めします。

 

非常に面白い映画です。生きている間に、一度は見たい映画です。

 

映画のワンシーンです。