人気グループ「クレージーキャッツ」のメンバーで、俳優としても活躍した犬塚弘(いぬづか・ひろし、本名弘=ひろむ)さんが、10月27日までに死去したことが分かりました。享年94。

 

犬塚さんはハナ肇さんとクレイジーキャッツの前身となる「キューバン・キャッツ」を結成。その後クレイジーキャッツと改名し、谷啓さん、植木等さんも加わりました。犬塚さんはウッドベースを担当し、「ワンちゃん」の愛称で親しまれました。

 

犬塚さんが出演した「男はつらいよ」シリーズのメガホンをとった山田洋次監督(92)が同日、追悼のコメントを寄せました。

犬塚さんは、ハナ肇さんとともに、山田監督の「馬鹿まるだし」「いいかげん馬鹿」「馬鹿が戦車でやって来る」などの「馬鹿シリーズ」にも出演しました。山田監督は「全身からあふれ出すようなその善意で、どれだけ多くの観客を楽しませてくれたことでしょうか」と振り返り「ありがとう、ワンちゃん」と感謝しました。  

クレージーキャッツは12年に桜井センリさんが亡くなって以降は、犬塚さんが最後のメンバーで、グループ全員が鬼籍に入りました。

 

山田監督は「ワンちゃん、さよなら」と犬塚さんの愛称で呼びかけ「遂にワンちゃんもか、という思いです。リーダーのハナ肇さんはじめ、クレージーキャッツのメンバーは、みんなお人よしだったが、その中でもワンちゃんこと犬塚弘さんはとびぬけて好人物、善意が背広を着てコントラバスを演奏しているような人でした」と、ベースを担当した犬塚さんを評した。