英映画監督のヒュー・ハドソン氏が10日、ロンドン市内で死去しました。享年86。

 

ロンドン生まれ。1924年のパリ五輪に出場した2人の青年を主人公にした81年の『炎のランナー』がヒット。同作は米アカデミー賞の作品賞、作曲賞などを受賞しました。

 

1978年、アラン・パーカー監督の『ミッドナイト・エクスプレス』で第二班監督を務めたのち、81年の『炎のランナー』で長編映画監督デビュー。1924年のパリ五輪を舞台に、ライバル選手である2人のイギリス人青年が、信仰や人種を超えて友情を育んでいくさまを実話に基づき描いた同作は、第54回アカデミー賞で作品賞を含む4部門を受賞。バンゲリス(「ブレードランナー」)が印象的なスコアで作曲賞に輝いたほか、ヒュー・ハドソンも劇映画初監督にして監督賞にノミネートされました。

その他の監督作に、エドガー・ライス・バローズ著『類人猿ターザン』を忠実かつ壮大なスケールで映画化した83年の『グレイストーク ターザンの伝説』(83)、アメリカ合衆国独立戦争を背景に、アル・パチーノ主演で父子の愛を描いた85年の『レボリューション めぐり逢い』(85)、最後の長編監督作となった「永遠のアフリカ」(2000)などがあります。

 

『炎のランナー』も、主演ふたりが逝き、イアン・ホルムも逝き、バンゲリスも逝き、主要メンバーで残っているのは、ナイジェル・ヘイバース(ハードルの上にシャンパングラスを置いて練習していた貴族の息子)だけになってしまいました。大好きな映画だけに、哀しいです。

 

安らかにお休みください。