1950年代のフランス映画を代表するスター女優だったフランソワーズ・アルヌールが7月20日に逝去しました。享年90。

 

パリの高校を卒業後、ボエール・テロン夫人の門下で演劇を学び、49年、ジャック・ベッケル監督「七月のランデブー」でデビューしました。 50年代に『過去を持つ愛情』『ヘッドライト』『幸福への招待』など一連のアンリ・ヴェルヌイユ監督作品で活躍しました。特に、ジャン・ギャバンの恋人を演じた『ヘッドライト』の薄幸の娘姿は心に残ります。可憐で美しい娘役でした。

 

 

他にも、ジャン・ルノワール監督『フレンチ・カンカン』、ロジェ・ヴァディム監督『大運河』などに出演しています。『学生たちの道』では、アラン・ドロンとも共演しています。

 

 

 

日本でも非常に人気があり、文藝春秋の「大アンケートによる女優ベスト150」ではオードリー・ヘプバーンやマリリン・モンローを抑えて1位に選ばれています。

 

1996年、35年ぶりの来日を果たした際、デイリースポーツのインタビューに応じ、1961年の初来日を「カンヌやヴェネツィアでも見たことがないほど大勢のカメラマンに囲まれました」と回想。自身の演技について「自然に出てくる頭で考えない演技。演技は生きる瞬間、一瞬一秒に体験する感情です」と述べていたそうです。

 

最期は闘病で苦しんだと聞きます。安らかにお休みください。