ピーター・フォンダが亡くなりました。身体が悪いことを知らなかったので、突然の悲報。好きな俳優だっただけに、大ショックです。享年79。
父は大スター、名優のヘンリー・フォンダ。姉は、やはり名女優のジェーン・フォンダ。娘のブリジット・フォンダも女優として活躍しています。
ピーター・フォンダと聞いた時、やはり一番に頭に浮かぶのは、アメリカン・ニューシネマ。キャプテン・アメリカを演じた70年の『イージー・ライダー 』は、永遠の名作です。チョッパー(バイク)に乗ったキャプテン・アメリカ(ピーター)と、デニス・ホッパーのロードムービー。ふたりで主演だけではなく、製作、脚本、監督を務めています。ステッペンウルフの「ボーントゥビーワイルド!」が流れる中、広いアメリカをバイクで走っていく姿が、凄く格好良かったです。同時に、アメリカンニューシネマとして、厳しい現実をも描いていました。この映画で、ふたりともスターになりました。
他にも、『ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー』『ダイヤモンドの犬たち』などで、活躍を続けます。異色だったのは、『悪魔の追跡』。オカルト色が強く、ロードムービーでもあり、面白い映画でした。『怒りの山河』もありましたね。
私が好きなのは、『ふたり』。ロバート・ワイズ監督の佳作です。リンゼー・ワグナーとの共演が良いんですね。早くDVD化して欲しい一本です。
溯りますが、映画デビューは1963年。正統派青年の役で売ります。しかし、そんな在り方に疑問を持ち、1960年代後半に、自らの映画会社を立ち上げ、低予算ながら映画を作り続け、それが、『イージー・ライダー』の成功につながります。
そんなピーターが出演した異色作は、1967年の『世にも怪奇な物語』。姉ジェーンの夫だったロジェ・ヴァディムの監督のオムニバス映画で、第一話の「黒馬の哭く館」でジェーンと共演。ここでは、共に貴族の令嬢と子息という、王子様のような役を演じています。
フォンダ家といえば、父ヘンリーと子供たちとの確執が話題になってきました。姉弟の母親が自殺したことで、ジェーンとピーターは父と距離を置いてきました。しかし、ジェーンは、82年に『黄昏 』を作って、父のヘンリーにオスカーをプレゼント。ピーターも、79年に自ら監督した『グランドキャニオンの黄金』で父親と共演しています。親子の水溶けだったと思ってもいいのでしょうか。
日本映画『だいじょうぶマイ・フレンド』にも出ていますね。1990年後半から、再び俳優として活躍。97年の『木洩れ日の中で』で、ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞し、同年のアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされています。
ジェーンは、「とても悲しいです。心から愛しい弟でした。家族のなかでもおしゃべりで。ここ数日は、一緒に美しい時間を過ごしたんです。彼は笑顔で旅立ちました」とコメントを寄せているそうです。仲の良い姉弟でしたね。
若い頃から、父親に似ていましたが、年を取ってますます父親に似てきました。同じく父親に似た長身(188cm)のキャプテン・アメリカは、本当に格好良かったです。私生活でも、オートバイが好きだったそうです。
淋しいです。お父さんと久しぶりの再会を楽しんでください。
安らかにお休みください。
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