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FOREIGN CORRESPONDENT

1940年アメリカ映画 白黒 120分

監督 アルフレッド・ヒッチコック

出演 ジョエル・マクリー ラレイン・デイ ジョージ・サンダース ハーバート・マーシャル アルバート・バッサーマン


 

1939年、ニューヨークモーニンググローブ新聞社のジョニー・ジョーンズ(ジョエル・マクリー)は、ハントリー・ハヴァストックという変な名前を付けられて、海外特派員としてヨーロッパに赴く。ヨーロッパは、戦争が起こるかどうかの、風雲急を告げる状態。ジョーンズは、ヨーロッパの政治指導者でオランダ人のファン・メールに取材しろ、と言われる。ところが、ジョーンズは、平和党の党首フィッシャー(ハーバート・マーシャル)の娘キャロル(ラレイン・デイ)に一目惚れしてしまう。ファン・メールが現れ、マスコミが彼を取り巻く中、何とファン・メールは、ジョーンズの目の前で暗殺されてしまう。犯人を追ったジョーンズは、水車小屋に行きつく。何とそこには、殺された筈のファン・メールがいた。ジョーンズは、一度戻り、警察と、キャロルや、ロンドンからの特派員スコット・フォリオット(ジョージ・サンダース)と共に、水車小屋に戻るが……。



レベッカ 』に続く、ヒッチコック渡米第2弾の映画です。今度は、ヒッチコックお得意のスパイもの。それも、40年の作品ですから、まさにヨーロッパは戦時中。大変なタイムリーな映画です。



初めて海外特派員としてヨーロッパに派遣されたジョーンズは、あまり敏腕とは言えない記者のようです。彼に課された仕事は、特ダネを取ること。ヨーロッパは、戦争が迫っている危険な状態でしたから、新聞社は、小さな動きにも敏感になっていたのです。もし、戦争が始まったら、一番に特ダネとして出したい。そんなジャーナリズムの欲望も描かれています。ジョーンズは、ヨーロッパで平和指導者の役割を持つファン・メールに会います。ところが、彼が目の前で暗殺されてしまうのです。ここから、スパイ大作戦が始まります。陰謀の絡み合い、誰がスパイなのか、といったストーリーは、ヒッチコックの真骨頂。



生きているファン・メールを見たことで、知りすぎた男となったジョエル・マクリーは、次から次へと殺し屋に襲われます。そこに、マクリーが恋したキャロルや、同じく特派員のジョージ・サンダースが加わり、物語を盛り上げていきます。ホテル・ヨーロッパのネオンが落ちるシーンや、飛行機のシーンなど、最後までハラハラドキドキが続きます。



ジョエル・マクリーは、西部劇が多い俳優さん。結構、お気に入りです。この役は、最初ゲーリー・クーパーにオファーが行ったのですが、クーパーが断ったそうです。ところが、完成した作品を見て、クーパーは後悔したとか。ジョエル・マクリーのもいいですが、ジョージ・サンダースがまた光っています。ジョージ・サンダースという役者を知っている方ならば、彼はどっちに転ぶのか、きっとハラハラしながら見ることが出来ると思います。ちなみに、ジョージ・サンダースは、『レベッカ』にも出ています。



「狂信的な愛国心は、自国民も他国民も犠牲にする」という言葉が響きました。この後、ヨーロッパでは、どんどん戦火が強くなります。アメリカは参戦する前です。そういう時代だったということが、響く映画。お勧めです。特にヒッチコック好きな方なら、是非一度はご覧ください。



トレイラーです。