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THE WIZARD OF OZ 1939年アメリカ映画  MGM パートカラー  102分
監督 ビクター・フレミング
出演 ジュディ・ガーランド ジャック・ヘイリー  レイ・ボルジャー バート・ラー   ビリー・バーク フランク・モーガン


カンザスの農園に暮らす少女ドロシー(ジュディ・ガーランド)は、ある日竜巻に巻き込まれて家ごと巻き上げられます。着いたところは、オズの国。何と家ごと悪い魔女をつぶしてしまったことで、すっかり英雄になってしまったドロシーでしたが、彼女は家に戻りたくて仕方がありません。家に戻る方法を知っているのは、エメラルドの都に住むオズの魔法使いだけ。かくして、ドロシーはエメラルドの都を目指して旅に出ます。途中、かかし(レイ・ボルジャー)やブリキの木こり(ジャック・ヘイリー)や臆病なライオン(バート・ラー)と出会って、旅を共にすることになります……。

 



ライマン・フランク・ボームの有名な児童文学を映画化した作品です。とにかく『オズの魔法使い』(原作の邦題には、送り仮名の「い」がつきます)と言えば、アメリカ人には格別な思い入れのある作品で、今でも何かとパロディや伏線に使われています。


冒頭、あまり豊かとは言えない灰色のカンザスの農場で、ドロシーは優しい伯父伯母、農場の人たちに囲まれて愛犬トトと幸せな毎日を送っていました。でも、ドロシーの心にはまだ見ぬどこかへのほのかな憧れがあります。それが「虹の彼方に」のメロディにのって歌われています。「♪どこか虹の向こうに私の知らない国がある~」。そんなドロシーが、竜巻という偶然の作用で遙か虹の彼方へとばされてしまいます。そこはオズの国。住む人も全く違うし、魔女はいるし、今までとは全く違う世界。オズの国に入った途端に、画面はカラーになります(総天然色ですね)。灰色で現されるカンザスと、満艦飾のオズの国との対比を見事に現しています。


そのオズの国でドロシーは、家に帰る道を訪ねるために、エメラルドの都に住むオズの魔法使いに会いにいくのですが、道中かかしやブリキの木こりや臆病なライオンに出会います。かかしはオズの魔法使いに脳みそをもらいに、ブリキの木こりはハートをもらいに、臆病なライオンは勇気をもらいに、皆それぞれの望みを持って一緒に旅をすることになります。この4人(?)が手をつないで、「オズのエメラルドの都へ」をスキップして歌うところはこちらも踊り出してしまいそうになります。

マンチキンの色とりどりの衣装。良い魔女グリンダの真っ白なドレス。悪い魔女の黒づくめの衣装。カラーになってからの、この映画は目にも鮮やかな色彩を楽しませてくれます。これはカラー映画の威力を遺憾なく発揮したものですね。でも、これがパートカラーだからまた良いのです。

少女と言っても、もう16ぐらいになっていたジュディ・ガーランドは、それでも可愛かったですね。ミュージカルの大御所となりましたが、やはり私は彼女と言えばこの映画を一番に思い出してしまいます。ブリキの木こりのジャック・ヘイリー。自分にはハートがないから、小さな虫でも踏みつけないように気を遣っている実は優しい心の持ち主。息子のジャック・ヘイリー・ジュニアは『ザッツ・エンターテインメント』などを作りました。かかし役のレイ・ボルジャーは、その後もあちこちに顔を出し、『大草原の小さな家』にゲスト出演した時のエピソードのタイトルは「There is no place like home」。もうホロリと来るような話でした。

時は1939年。そんな昔にこんな映画を作ったハリウッドってやっぱり並の力ではありませんでしたね。監督のビクター・フレミングは、この同じ年に何と『風と共に去りぬ』を撮っています。そう、この両者の監督は同じで、それも同年の映画なのでした。

とにかく楽しい映画です。でも、この中で描かれているテーマはとても重いものです。生きている間に、絶対に見て頂きたい映画の一本です。



トレイラーです。