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最愛の映画で、ブログに特設コーナーまで作っているくせに、この映画のレビューを書いていないことに気づきました。未見の方は沢山いらっしゃいますよね。今更ですが、ご紹介します。



The Sound of Music

1965年アメリカ映画 20世紀フォックス カラー 174分

監督 ロバート・ワイズ

出演 ジュリー・アンドリュース クリストファー・プラマー エリナー・パーカー リチャード・ヘイドン ペギー・ウッド シャーミアン・カー ニコラス・ハモンド ヘザー・メンジーズ デュアン・チェイス アンジェラ・カートライト デビー・ターナー キム・カラス アンナ・リー



第2次大戦前夜のオーストリア、ザルツブルグ。修道女見習いのマリア(ジュリー・アンドリュース)は、歌が大好きで、修道院を抜けだしてはアルプスに登って歌っていた。そんなマリアを見かねた修道院長(ペギー・ウッド)は、マリアに家庭教師の職を世話する。行先は退役の海軍大佐ゲオルグ・フォン・トラップ男爵(クリストファー・プラマー)の屋敷。マリアは、ここで母親を亡くした7人の子供たちの家庭教師を務めることになる。トラップ大佐は、厳格な海軍の教育を家庭内に持ち込み、笛を吹いて子供たちを統制していた。そんな大佐に反発するマリアは、大佐の留守中に、子供たちをアルプスにピクニックに連れ出し、歌うことの楽しさを教えるのだったが……。



これは実話です。トラップ一家は、今はヴァーモント州ストウでロッジを経営しており、一部の人が音楽活動を行っています。原作は、マリア・フォン・トラップの『歌うトラップ一家』。



カメラがアルプスの山並みを俯瞰します。吹き渡る風の音。なめるように映していく山また山。遠くの人影にカメラが迫っていきます。段々近づいて、そしてくるりと一回りして歌い出すジュリー・アンドリュース。屋外ロケ、70ミリの大画面の魅力をこれほど引き出したオープニングはそうはないと思います。ロバート・ワイズは、『ウエスト・サイド物語』でも、NYをこうして映し出しましたが、今回はヘリでアルプスの山並みを撮るという大きなチャレンジに出て、大成功しました。



山の上で歌うマリアは尼僧女見習いですが、歌が好きでしょっちゅう修道院を抜け出しては歌を歌っています。そんなマリアを、修道院長は家庭教師に派遣することにします。派遣先のトラップ家は、厳格な退役海軍大佐のトラップ男爵と7人の子供たちの家庭。母親を亡くし、父親は軍隊式の厳しいしつけで子供たちを育てていました。16歳から5歳までの子供たちは、今までに何人も家庭教師を追い出した反抗的な子供たち。でも、マリアは持ち前の明るさとお得意の歌で子供たちを惹き付けて、淋しかった家庭に音楽の調べを呼び戻していくのです。



リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世の名コンビが作詞作曲して、ブロードウェイで大ヒットを飛ばしました。この時の主演はブロードウェイミュージカルの女王メリー・マーティンでした。映画化にあたっては、メリー・マーティンも候補に挙がっていましたが、ジュリーがヒロインを射止めました。冒頭の『サウンド・オブ・ミュージック』『私のお気に入り』『エーデルワイス』……そして、老若男女恐らく知らない人はいないであろう『ドレミの歌』。名曲ばかりです。



ベテランの美人女優エリナー・パーカーが、トラップ大佐の恋人の男爵夫人として登場しますが、彼女のファッションがまた素敵で、こうしたことも目の保養になります。子供の頃は、マリアの恋路を邪魔する嫌な女の人と思っていましたが、年を重ねるにつれて、男爵夫人の気持ちがよくわかるようになり、彼女に感情移入出来るようになりました。



そして、7人の子供たちが、皆可愛い!長いザルツブルグロケを共にし、彼ら彼女たちは、本当のきょうだいのように仲良くなり、今でも仲良く共に活動しています。トラップファミリーチルドレンとして、製作から50年以上経っても注目され続け、その注目に恥じないように人生を歩いてきた、という彼らの言葉にはしんみりします。



また、陰のミュージカルの女王と言われたマーニー・ニクソンが出演していることも話題になりました。マーニーは、『王様と私 』『ウエスト・サイド物語』『マイ・フェア・レディ 』のヒロインの歌を吹き替えたことから、その名を冠されるようになりました。その彼女が、シスター・ソフィアの役で出演しています。



この映画は、65年のアカデミー作品賞その他を受賞しました。空前の大ヒットを飛ばし、ついには『風と共に去りぬ』が持っていた興行収入歴代一位の座を奪って、文字通り史上最大のヒットになりました。63年に、20世紀フォックスが空前の制作費をかけて作った『クレオパトラ』があまり当たらず、20世紀フォックスは経済的に大ピンチに陥り、会社が傾きかけましたが、この一本がたちまち救ってくれたそうです。この映画がなかったら、もしかしたら『スター・ウォーズ』もなかったかも。奇しくも、『サウンド・オブ・ミュージック』がずっと持ち続けていた興行収入歴代一位の座を奪ったのが、その『スター・ウォーズ』でした。



ザルツブルグロケによる映像も素晴らしいし、音楽も馴染みのものばかりで耳に心地よい。ミュージカルの楽しさを凝縮させ、なおかつストーリーにメッセージも織り込んだ傑作中の傑作。中学生の時に初めて出会い、それからも愛し続けた、今でも私の最愛の作品です。



トレイラーです。




製作50周年記念のトレイラーです。