白い恋人が泣いている | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

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映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

 北海道名物、白い恋人の賞味期限偽装事件には、驚きを超えてショックでしたね。だって、あのお菓子、大好きなんですよ!


 そうそう食べるチャンスはないけれど、北海道土産は勿論、デパートの北海道物産展では恒例であり、大人気のお菓子ですよね。以前は物産展って大好きでしたけれど、今はなかなか行く時間がなくなってしまいましたが、親がやっぱり物産展が好きで、行くと買って送ってくれたりしたものです。


 さくさくしたラングドシャも美味しいけれど、クッキー部分から思いっきりはみ出して、自己主張しているまっ四角のホワイトチョコレートがまた美味しいんですよ。この微妙にはみだしている部分が、何か得した気分にさせてくれるんです。


 コンサドーレ札幌のユニフォームにも、デカデカスポンサー名として入っていますよね。サッカーに合わないと言ってしまったらそれまでなんだけれど、あの味を思い出すと、どこか心和むんです。


 お土産人気部門のトップだと言うし、何もそんな偽装をしなくてもいくらでも売れるだろうに、と素人考えでは思ってしまいます。いくら賞味期限の長いものとはいっても、勝手な延長はやっぱり不安です。何よりも消費者の信頼を裏切ります。期限が来たから廃棄するのは確かに勿体ないけれど、でも食の安全もまた大切なことも事実。その不正のために、今ある白い恋人が廃棄処分されるそうで、結果としてそちらの方がずっとずっと勿体ないことになっている気がします。


 消費者はメーカーを信じて買うしかないのです。賞味期限や原材料など、本当のことを確かめようはないのだから、それをひたすら信じるしかない。それさえ疑うようになったら、何一つ買えなくなってしまいます。


 中国の食の安全に対する摘発が今ニュースを賑わせていますが、これでは日本も同じ。それも、今経済的発展の最中にいて、方法を厭わずのしあがるのに必死な中国の企業(だから、許されるわけじゃない!)と、ある程度ネームバリューを得た日本の企業は違うでしょ。


 大好きなお菓子が、ニュースで集められて廃棄されていく様子を見るのは、とても胸が痛みます。勿体ない、という精神は、もうちょっと他のところで発揮してもらって、食の安全は生きていくために必要な1、2を争う必須事項だということを自覚して、企業さんには誠意を示して欲しいものだと思います。