フランスの俳優ジャン・ピエール・カッセルが亡くなりました。享年７４歳。フランスとハリウッド両方で活躍したベテラン俳優です。最近では、ヴァンサン・カッセルの父親と言った方が有名でしょうか。
舞台で活躍していましたが、５７年のハリウッド映画『ハッピー・ロード』で映画デビュー。彼を見いだしたのは、この映画の製作、監督などを務めたジーン・ケリーでした。その後、『可愛い悪魔』『素晴らしきヒコーキ野郎』『パリは燃えているか』『素晴らしき戦争』『影の軍隊』などに出演。
『三銃士』『四銃士』では、ルイ１３世を演じました。私が最初に彼を認識したのは、オールスターキャストの『オリエント急行殺人事件』。彼は車掌の役で、地味ながら印象に残るものでした。その後も、『戦争と友情』『料理長殿、ご用心』など、懐かしい７０年代を彩った話題作の数々に出演していたのですね。
活躍は９０年代になっても続き、『プレタポルテ』などに出演。個人的に、大変お勧めの映画『沈黙の女／ロウフィールド館の惨劇』では、ブルジョアの当主であり、ジャクリーン・ビセットの夫を演じていました。この頃になると、息子のヴァンサン・カッセルが大活躍を始めて、『クリムゾン・リバー』では共演もしています。２００３年の『ミシェル・ヴァイヨン』にも出演。
決して派手さはないけれど、堅実であり、玄人好みの渋い役者さんでした。ご冥福をお祈りします。
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