本当にあったアタックNo.1 | 銀幕と緑のピッチとインクの匂い

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映画は洋画、それも古い映画が大好き。本は外国文学。ドラマは洋物。サッカーは海外チームと代表の応援、という思いっきり偏った嗜好で、天の邪鬼に感想を語ります。但し、脱線話題多し。

 またまたゴールデンタイム枠のバレーボール放送が始まりました。ワールドグランプリまでゴールデンタイム枠で、ショーのように放映するようになったのはいつ頃のことからか。じゃあ、男子のワールドリーグも同じように放映したら?と思うのですが。そもそも、かつてはホーム&アウェイで開催していた筈の大会なんですが・・・。


 まあとにかく、日本女子がキューバに勝ったというのはびっくりでした。もっともキューバも知っている選手がいなくなって、エースのカルデロンという名を聞くたびに、脳裏に浮かぶのはあの知的で綺麗だったカルデロンだし、ミレーヤ・ルイスやカルバハルの時代、本当に凄かったのはベルよねえ、と思ったことなど、今は昔の物語。


 実は、日本対キューバ戦はゆっくり見ることが出来なくて、その後に放映された「本当にあったアタックNO.1」というかつての全日本選手が春高バレーに出場する高校チームに指導に行くという番組を、ちらちら見てしまいました。これは結構面白かったのでした。かつての全日本の名取、いや辻選手が指導する岡崎のチームに中田久美が指導に行く話は大爆笑。久美の迫力に、生徒がたじたじを越えて固まりきっているところが印象に残りました。コーチがいないとタラタラ練習をしているのに、登場した途端に急に練習に力が入ってしまうところなんかも笑えました。舞台裏でモニターで見られているとも知らず。でも、こういうことってありますよね。自習で先生がいなくなると、ワイワイガヤガヤ。先生が入ってくると、シーン。中田久美が、全日本時代の迫力そのままに指導しているところも見ている方は笑えるけれど、指導される側は恐怖だったかも。中学から全日本に入った中田は、多分歴代の全日本選手の中でも厳しさは人一倍だったのではないかと思いますよ。全日本の合宿中に勉強もこなさねばならなかった身の上だし。でも、笑いながらも、段々選手が一生懸命になってくる様子など、やっぱり感動してしまったのでした。


 川合がコーチに行く話では、その高校の指導者がやはり元全日本の泉水。え~!?って懐かしさを覚えてしまいました。男子のNECが強かった頃、一時代を築いた選手でしたよね。身体はごつくて強そうだったんですが、もうちょっと身長があれば世界に通用するセンターになれたかもしれないのになあ、と思ったものでした。これは、川合が優しすぎるぞ、と思ったけれど、指導される高校生たちが個性豊かで笑った笑った。緊張度100%の選手とか、リアクションが妙に外れている選手とか。


 さらに、全部観られなかったのですが、名門中の名門、八王子実践の指導は怖かった・・・。高校生の女の子にあの指導。やはり、今でも鬼の大松を受け継ぐ熱血指導は続いているのか、と思ってしまった。でも、あれぐらいしないと強くなれないのかなあ。見るのは大好きなんですが、基本的に体育会の性質が全くない私には驚きの連続。かつて、アメリカ男子黄金時代を築いたダグ・ビイル監督は、選手を叱る時は片隅にその選手を呼んで叱っていたという話を聞くので(つまり、みんなの前で叱らない)、近代バレーの指導もアメリカナイズされた印象を持ってしまっていたんですよね。おまけに、みんなのお父さんのような存在だったネビルコーチが、叱られた選手のところにすかさずフォローに行ったという。こうした指導側のコンビネーションが、選手を育てていったんですよね。


 話題がずれてしまいましたが、もしかして、当のワールドグランプリより面白いかも?と思った番組だったのでした。