ヘルパー研修会及び勉強会R.1.10.18 | 研修会のブログ

研修会のブログ

横浜ラポールで行われるヘルパー研修会・勉強会の様子をお知らせします♪

~ テーマ ~

バイタルサインを知って、

異常の早期発見に繋げよう!

講師    看護師 : 石田 智彦氏

 

 今回は、フィジカルアセスメントにおけるバイタルサインの重要性についてのお話を伺いました。

 

★正常値を知ろう

           ・体温(BT36.5℃±0.5

           ・血圧(BP120129/8084mmHg

           ・心拍数(HR6090/

           ・呼吸数(RR1215/

           ・意識(Cons)清明          

           ・尿量(U/O0.51.0mL/Kg/時以上

★フィジカルアセスメントとは?

   ⇒身体考察・数値と見た目の判断

★フィジカルアセスメントでわかる事:身体の異常の早期発見⇒呼吸の異常・問診・視診・触診・聴診から判断

★触診:全身の状態を手・指でさわって診断⇒皮膚の乾燥・浮腫・圧迫痕の有無、体感熱

★聴診:体内の音を外から聴取⇒呼吸音を聴取し肺音の異常から、疾患がないか確認。

★肺血栓塞栓症⇒別名: エコノミークラス症候群、肺塞栓症とも言われる。

   ⇒自覚症状:息切れ、胸痛、咳等   ・他覚症状・頻脈、チアノーゼ、発熱等

    ⇒急性肺血栓塞栓症の初期症状の多くは呼吸困難・胸痛。

★気道異音(誤嚥):異物による気道閉鎖⇒完全閉塞に場合は数分で意識消失し、約15分で心肺停止に至る。

★消化器の異常⇒腹痛、食思不振、嘔吐・肥満・痩せ、吐下血、下痢・便秘

  ・問診:腹痛、痛みの部位、性状(疼痛・鈍痛等)、急性・慢性・排便との関係、

  ・視診:腹部を十分に露出させ、ひざをたててリラックスさせる

  ・聴診:腸蠕動音の有無、振水音

  ・触診:腹部の振動、圧痛の有無・程度

★腹痛の特徴から予測される重篤な疾患

  ・突然の激痛⇒腹腔内臓器に破裂

  ・周期的な疝痛⇒イレウス(腸閉塞)※高齢者に多い

  ・腹膜刺激症状⇒十二指腸潰瘍 

  ・みぞおちから左肩放散痛⇒心筋梗塞

 

 

  ・食欲不振をきたす疾患:脳・脊椎疾患⇒脳出血     

  ・嘔吐をきたす疾患:

  ※中枢性嘔吐⇒頭蓋内圧亢進、脳の血行障害

    ※反応性嘔吐⇒慢性腹膜炎、心筋梗塞、狭心症

  ・嘔吐物の性状と考えられる消化器疾患:食直後⇒胃・十二指腸潰瘍  

  ・食後数時間⇒回腸・大腸にイレウス

  ・食事と無関係⇒胃癌などの悪性腫瘍

  ・吐血と喀血の鑑別:

 ※吐血(暗い色)⇒嘔吐。食別残渣を含み、色調は暗赤色で、腹痛・下血を伴う

 ※血(明るい色)⇒咳嗽。泡沫を含み、鮮紅色で、胸痛・呼吸困難を伴う

★触診によるアセスメント:圧痛の有無程度を見極める

   ・右下腹部⇒急性虫垂炎

   ・右肋骨⇒急性胆嚢炎

   みぞおち⇒胃・十二指腸潰瘍

★緊急性の高い腹痛とは?

   ・ショックをきたしている⇒意識障害       

 ・腹膜刺激症状がある⇒腹部がカチカチな状態

★脳の異常⇒問診          

①いつから②部位③痛みの強さ④痛みの性質⑤持続的か間欠的か⑥随伴症状 ⑦誘因因子⑧既往症・頭痛歴 ⑨頭部打撲の有無⑩対処法:鎮痛薬内服の有無

★頭痛の性質と予測される疾患

  ・激痛⇒くも膜下出血、脳出血 

  ・拍動性⇒血管性頭痛、片頭痛、高血圧性頭痛

  ・圧迫感⇒脳腫瘍、髄膜炎、脳梗塞 

  ・刺激性⇒三叉神経痛、その他神経痛

★意識障害の原因

  ・器質的疾患⇒頭蓋内に一次的な要因を有している

  ・機能的脳疾患⇒頭蓋外の原因で二次的に脳機能が障害されている

★意識障害の原因疾患…AIUEOTIPS(あいうえおちっぷす)

   Aalcoholism (急性アルコール中毒)

    Iinsulin (インスリン) 血糖値異常

   Uuremia (尿毒症) 

  Eendocrine(内分泌異常)

    Eencephalopathy(脳症)

    Eelectrolytes(電解質異常)

    Oopiate/oxygen(鎮痛薬/低酸素)

    Ooverdose(薬物中毒)

    Ttrauma(頭部外傷)

  Iinfection(感染症)

    Ppsychiatoric(精神疾患)

    Pporphiria(ポルフィリア)

    Sstroke/SAH(脳血管障害)

    Sshock(ショック)

    Sseizure(痙攣)

★瞳孔径・対光反射の評価

  ・瞳孔の大きさ・形はどうか

  ・対光反射はどうか

  ・眼球の動き

  ・瞳孔異常

  ・眼球の位置異常

★頭部打撲した利用者の観察点:

 ・頭蓋内圧亢進とは頭蓋骨内部の圧が、性状上限を超えた状態を言う。

   ・頭蓋内圧上昇⇒全身血圧が上昇⇒脈拍低下⇒拍動が強くなる

   ・これらは頭蓋内圧亢進症状として重要なバイタル変化になる

   ・症状:頭痛、悪心を伴わない嘔吐、目のかすみ、意識障害、血圧上昇

★最後に…大切な事

・「何かおかしい」、「いつもと違う」と感じたら、患者の表情や顔貌、意識状態、姿勢や動作、皮膚状態などを観察し、ただ漠然と見るのではなく、意図的、意識的に観ていく事が重要

~~~~研修会を終えて~~~~

 内容的に、聞きなれない専門用語や体の部位等、かなり難しい印象を受けましたが、ご参加いただいたヘルパーさんはとても熱心に講座を聞いていらっしゃいました。その後質問も多数出ており、とても充実した研修会になりました。このような機会を定期的に設けていただけるとより一層ヘルパーさんのモチベーションも高まるのではと思いました。