浜#246]生活保護制度における医療扶助の適正化に向けた抜本的な見直しに関する質問主意書 | NHKから国民を守る党(質問主意書、などなど。。。)

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第213回国会(常会) 質問主意書 質問第一九号
令和六年二月五日 浜田 聡     参議院議長 尾辻 秀久 殿

生活保護制度における医療扶助の適正化に向けた抜本的な見直しに関する質問主意書

 神戸市会では平成三十年第二回定例市会における十二月六日の一般質問において上畠寛弘議員が登壇し、「平成二十九年度の医療扶助の決算額は、神戸市では医療扶助だけで三百八十一億円でございます。これは生活保護全体の扶助費八百十六億円のうち四十六・七%を占めております。この点につきまして、生活保護の医療扶助というのは完全無料でありますから、五百円取れとは言いませんけども、たった百円でも、たった五十円でもいいから、少し負担することによって、その抑制というものも一つ必要ではないかという意見も出ておりました。私自身も本当に必要な医療を求めている方々に我慢しろとは申しませんけども、やはり本当に必要かどうかのレセプトチェック等は、今も神戸市は取り組んでいるところでありますけども、平成二十七年度において、指定都市市長会等を通じて、医療保険加入による医療費の一部自己負担の導入について、神戸市は要望しているというふうに認識しておりますが、今後の国に対する要請、要望活動においても、大都市行財政委員会でも我々、国のほうに参っておりますけども、ぜひこの生活保護の医療扶助における自己負担というものを実現に向けて取り組んでいただきたいと思いますけども、見解を伺いたいと思います。」と質問した。

 これに対して、寺崎秀俊神戸市副市長は、「今、御指摘ございましたように、この生活保護における医療扶助は、生活保護制度の扶助費の半分を占めている状況にございます。その背景といたしまして、被保護者につきましては、現在我が国では国民皆保険制度であるにもかかわらず、国民健康保険には加入していないという状況がございます。この被保護者の方々は、国保に加入されておられる方々に本来提供される特定健診や保健指導などの保健サービスが提供されないということから、疾病の重症化が進みまして、一人当たりの医療費が高額化しているというような状況もございます。さらに、被保護者の世帯におきましては、親の健康意識と健康状態が低く、さらにそれが子供の健康にも影響を与え、健康格差や貧困の世代間の連鎖が生じていると考えております。そして、今回、私どもが要望しておりますように、生活保護世帯におきましても、国民健康保険に加入することによりまして、医療機関などでの一部負担の際に、患者自身が医療費を御認識いただいて、その必要性を考えるきっかけとなることによりまして、頻回、重複受診の抑制の効果や、現在、原則となっておりますジェネリック医薬品の処方の徹底が図られるものと期待しております。課題といたしましては、最低生活を保障した上での実施となるために、一部自己負担の実施方法については、十分な検討が必要であると考えておりますけれども、神戸市では平成二十七年度から国家予算要望の際にも、生活保護世帯の医療保険加入によります医療費の一部自己負担の導入を要望しております。議員からも御指摘がございましたように、引き続きその実現に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますし、さらに、政令指定都市市長会におきましても、制度の位置づけに向けた要請を継続してまいりたいと考えております。」と答弁を行い、神戸市は生活保護行政を担う地方自治体として生活保護制度における医療扶助の問題点を明らかにしたところである。

 その後も神戸市は、度々政府に対して提案や要望を行い、令和五年七月には「令和六年度国家予算に対する提案・要望」においても、生活保護制度の見直し及び生活困窮者対策の推進として、医療扶助の抜本的な見直しと医療扶助適正化の推進の為、地方自治体の財政を大きく圧迫している医療扶助について、医療費の一部自己負担の導入をはじめ、生活保護受給者の医療保険制度への加入など、適正化に向けた抜本的な見直しを行うことを要望している。
 以上を踏まえて、以下質問する。

一)政府は神戸市から「令和六年度国家予算に対する提案・要望」をはじめとして度々、要望されている生活保護制度の医療扶助について、医療費の一部自己負担の導入をはじめ、生活保護受給者の医療保険制度への加入など、適正化に向けた抜本的な見直しを行うことについてどのように受け止めているか。具体的に本要望についての効果を分析したことはあるのか。本要望について厚生労働省は具体的に神戸市と協議したことはあるか。
三)厚生労働省ではこれまで、生活保護制度の医療扶助について、医療費の一部自己負担の導入について検討したことはあるか。
一及び三について)御指摘の「適正化に向けた抜本的な見直し」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「医療費の一部自己負担」については、社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会報告書(平成二十九年十二月十五日)において、「窓口負担を求めるべきという考え方については、・・・最低生活保障との両立が難しくなるという懸念や、必要な医療の受診まで抑制され、むしろ長期的には医療費が増えるという懸念、仕組みによっては医療機関の未収金やケースワーカーの事務負担の増加につながるといった懸念もあることから、反対する意見が多数であった」とされており、その導入には課題があるものと認識している。また、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第六条第一項に規定する被保護者(以下「被保護者」という。)の医療保険制度への加入については、他の被保険者の保険料負担や保険財政に与える影響も大きいこと等から、従来から被保護者は国民健康保険制度及び後期高齢者医療制度の被保険者についての適用を除外しているものである。
 また、お尋ねの「具体的に」「協議」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘のような「令和六年度国家予算に対する提案・要望」等については、神戸市のほか、多数の地方公共団体から提出され、必要に応じて意見交換を行いながら、施策の参考としているところである。


二)政府は、生活保護において増加する医療扶助費についてどのような対策を講じるのか。
二について)お尋ねについて、生活保護の医療扶助の適正化については、現在、後発医薬品の使用の原則化や、生活保護法第十九条に規定する保護の実施機関による頻回受診者への訪問指導等による受診日数の適正化、長期入院患者の実態把握による必要な退院指導の推進等に取り組んでいる。また、今後は、当該実施機関において、オンライン資格確認の仕組みを活用し、早期に被保護者の頻回受診の傾向を把握し、助言等を行うことで、適正な受診を促す取組や、被保護者に対する多剤投与に着目したレセプト点検を強化し、当該被保護者に対して薬剤師の訪問指導等による医薬品の適正使用を推進する取組等を進めていくこととしている。さらに、都道府県において、広域的な観点から管内市町村の医療扶助等に係るデータ分析を行い、医療扶助の適正化に係る取組目標を設定し、管内市町村に対して当該目標に基づく取組を促すとともに、当該取組に対する評価や助言等を行う仕組みを創設することを検討しているところである。

四)生活保護制度の医療扶助について、医療費の一部自己負担の導入を実現するために試験的に一部自治体において実施していただきたいが如何か。
四について)御指摘の「医療費の一部自己負担」については一及び三についてでお答えしたとおり、課題があるものと認識しており、御指摘の「医療費の一部自己負担の導入を実現するために試験的に一部自治体において実施」をすることは考えていない。