英国風薬局と和風薬局 | いちどのじんせいタノシク・ジユウに

【ブログ更新しました】

 

↑欧州風カレー

 

↑和風カレー

 

この比較になんの意味があるのか。

タイトルを考えたときになんか「カレーみたいだな」って思ったので載せてみました。

 

↑英国風の薬局

 

↑日本風の薬局(徳吉薬局さんに写真お借りしてきました)

 

制度違えばですので、どちらがいいとか悪いとかの比較をする気はこのブログではするつもりはないですし、私自身もその比較は意味がないと思っているのでしません。

 

英国風というか海外の薬局と日本の薬局の大きな違いはどこにあるのでしょうか。

 

それは店舗が「物販中心」(英国風)か「処方せん中心」(日本風)かの違いにあるのではないでしょうか。

 

見た目からも違いが分かると思います。

 

(英国は景観を大事にする文化や法律があるため、郊外を除いて新築という概念はないです。ロンドン市内の建物のほとんどが築100年以上とのコトです)

 

ご存知の通り、日本のような「調剤」という行為を行う国は多くはありません。

もちろんそれが報酬として評価されることはありません。

 

日本から説明したほうが分かりやすいと思いますが、日本の薬局(調剤中心)の収益モデルは、9割近くが「調剤報酬」に頼るものです。

 

いわば

 

「薬価」+「技術料」が売上となります。

 

そしてこれが全体のほとんどを占めます。

 

イギリスの薬局の収益モデルですが、実に説明をしずらく、かつ3年目にしてやっと理解したことなのですが、「処方せん報酬」と「物販収入」の比率は50:50あればいいほうだといわれています。

 

イギリスにおける処方せん収入ですが

 

処方せんに対し、1薬剤に対して8.25ポンド(最近8.4ポンドにあがったとか)が患者負担で発生します。

 

以上です(笑)

 

基本的に英国の医療であるNHSは医療サービス無料です。例外として歯科や処方せん料などが自己負担となっています。

 

じゃあ英国の薬局はそれだけで成り立つのかという話なのですが、ここからが簡易に説明できないのですが、いわゆるリベートのような形で収入を得ています。

 

そのうち詳しく説明できればと思いますが、

 

先ほどの1薬剤に対する8.25ポンドは、薬局に支払、薬局はそのままNHSに全額を支払います。(これがなぜなのか分かりませんが)

 

薬局では「薬価差益」が一つの収益となります。

そしてもうひとつは薬局の投薬剤数などのランクによって定められたリベートが国から入ってきます。

 

箱だし調剤ですので、日本のような一包化などはありません。

一包化については、賛否両論あるところで海外では内容物が確認しずらい一包化を容認しない国もあるようです。

 

↑イギリス的一包化?(サンプルですが)

 

英国の調剤の売上は、ものすごく簡単に説明するとこんな感じになります。+物販が薬局の売上となります。

 

なぜ物販の比率が高いのかですが、英国における家庭医制度いわゆる「GP」への受診に時間が掛かるため、急性期についてはOTCで対応する流れがあります。

 

日本との大きな違いである「フリーアクセス型医療」「受診抑制型の医療」です。

 

必然的に、薬局ではOTCの充実が必要になり、物販の売上が上がるということです。

 

少し、英国の医療の形態や薬局の役割を知ってもらえたかと思いますが、ここから一番大事なのですが、先ほど英国の医療は「受診抑制型の医療」と書きましたが、ここに大きなポイントとなります。

 

英国の薬局モデルは

 

「急性期はOTCによる対応、調剤は慢性期の患者(リフィルなど)」

 

こういうことがいえます。

基本的に風邪を引いたからといってその日に受診ができ、処方せんを持ってくるという患者はほとんどいません。

 

各NHSクリニックではGPごとに予約診察がされています。一応、急患用のタイムスペースの確保をされているということですが、それは極わずかな時間です。

 

「どうしても」という方は「A&E」(Accident&Emergency)と呼ばれる救急病院に向かいます。

近年では、いち早く診てほしいという方が殺到し、A&Eでも数時間待つことは当たり前とのことです。

 

※「A&E」はイギリスの医療を知る上でとてもよく出てくる重要な単語です。テストに出ます(笑)

 

最後に見てほしいのが

 

↑調剤室からみた店内

 

急性期の患者がとても少ないので、待合室や待つためのイスがありません。

その代わりにたくさんのOTCが配置されています。

多くの方が、リピート処方を利用しているので、受けことがメインになってます。

 

※ちなみに、「リピート処方」(リフィル)がいま注目されていますが、このほかに「回数券式処方」もあります!

 

先述しましたが、「日本のほうがいろんなことをしているじゃないか!」っという訳ではありません。考え方を変えるとこれで医療が回っているのです。

 

イギリスの平均寿命は81.2歳(日本は83.7歳)

 

喫煙率や肥満率が日本よりも高いことを考えると悪くない数字だと思います。

 

私が今回伝えたいのは、制度変われば色々な「あり方」があって、「日本」という固定概念も海外に行けば関係ないっというコトです。

 

「イギリスの薬局には急性期の処方せんを持ってくる人は限りなく少ない!!」

 

っというイメージを持って現地の薬局に入ってみるとまた違った見方ができるのではないでしょうか。

 

日本は「処方せん(調剤)薬局」、英国は「コミュニティファーマシー」と呼ばれる違いをなんとなく理解してもらえましたかね??

 

 

Aguantamos, que siempre hay esperanzas, y leventámonos.
(希望は常にある、乗り越え、立ちあがろう!)

 

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