【Meson de 2PM】 いろいろ更新ちぅ
2PM妄想小説【Meson de 2PM】を管理しております私ですが・・・
サイトのタイトルがく■Maison de 2PM■に生まれ変わりました。
これからもご愛顧の程よろしくお願いいたします。
■Maison de 2PM■
サイトのタイトルがく■Maison de 2PM■に生まれ変わりました。
これからもご愛顧の程よろしくお願いいたします。
■Maison de 2PM■
妄想小説の舞台裏。
あけましておめでとうございます。
・・・と言うのはもう遅いのだろうか?(←)
新春第一弾、第1回目のブログ記事は妄想ではなく、妄想小説の舞台裏を
書いてみることにします。
私はアメブロで2PM妄想小説ぐるっぽBOOKS mohsoh@午後2時を運営しておりまして、
某携帯小説サイトでもそれに輪をかけた内容の(←)2PM妄想小説■maison de 2PM■
を運営しております。
2PMをオカズ・・・あ、いえ題材に、妖しく美しい幻想的な妄想小説を書きたいと
一念発起いたしまして、めでたく2箇所に立ち上げたました。
えぇ・・・そうです。
オトナなPMペン女子のための正しい妄想の園を(←)
「オトナ」ですから「オトナ」ね。
自由な妄想を尊重していただける「オトナ女子専用」ですから(←しつこいw)
しかし、いくら妄想小説と言えども「妄想」としてきちんとしたものをお披露目したい!
読んでいただくのだから、誤字脱字や不適切な表現などで読者様が脳内で描いている物語の
世界を壊してはいけない!ということで、校正を頼んでいる別名:赤ペン先生を2名。
また、物語には美しい挿画を!ということで、挿画担当の先生も2名。
なんと4人体制で、ご提供いたしております。
(厳密にいえばお一人はなんと、赤ペンと作画を両方担当していただいているので、
実は3人体制でございます)
しかも全員タダ働きwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
いいのか、これで?(爆)
まぁそれはいいとして(←いいんか?w)
ですので、昨年中お世話になったセンセイ方にお礼を申し上げたく・・・。
■赤ペン先生■
kyoncoさん
(Maison de 2PM内、Books Meson担当)
makiさん
(Maison de 2PM内、会員専用ページ担当)
■挿画■
neruさん
(Maison de 2PM内会員専用ページ担当)
kyoncoさん
(Maison de 2PM内Books Meson担当)
以上、3名のセンセイの他にも、サイトに不具合があったときに相談させていただいている
ちまめセンセイも・・・。
美しく狂いのない文章、美しく狂っている挿画・・・(←)
みごとなまでのコラボレーション。
とにかくいろいろな方々にお世話になりながら2つの2PM妄想小説サイトを運営しております。
neruさん、ちまめさん、makiさん、kyoncoさん、いつもいつも本当にありがとうございます。
しかも!!!
小説のネタはTwitter上にごろごろと転がっておりましてw
私と私のツイ友さん達の間で交わされたアレコレがどんどん膨らみ、小説化されています。
kasumiさんを始めツイ友さん方、いつも超弩級の変〇ネタをありがとうございます。
(注:ネタ交換は@llama_pandaアカウントでは公開しておりません)
もしも「オトナ女子のための2PM妄想小説」にご興味がおありでしたら、どうぞ足をお運びください。
ご協力いただいております全てのみなさまを代表して、歓迎いたします♪
■Maison de 2PM■
・・・と言うのはもう遅いのだろうか?(←)
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書いてみることにします。
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某携帯小説サイトでもそれに輪をかけた内容の(←)2PM妄想小説■maison de 2PM■
を運営しております。
2PMをオカズ・・・あ、いえ題材に、妖しく美しい幻想的な妄想小説を書きたいと
一念発起いたしまして、めでたく2箇所に立ち上げたました。
えぇ・・・そうです。
オトナなPMペン女子のための正しい妄想の園を(←)
「オトナ」ですから「オトナ」ね。
自由な妄想を尊重していただける「オトナ女子専用」ですから(←しつこいw)
しかし、いくら妄想小説と言えども「妄想」としてきちんとしたものをお披露目したい!
読んでいただくのだから、誤字脱字や不適切な表現などで読者様が脳内で描いている物語の
世界を壊してはいけない!ということで、校正を頼んでいる別名:赤ペン先生を2名。
また、物語には美しい挿画を!ということで、挿画担当の先生も2名。
なんと4人体制で、ご提供いたしております。
(厳密にいえばお一人はなんと、赤ペンと作画を両方担当していただいているので、
実は3人体制でございます)
しかも全員タダ働きwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
いいのか、これで?(爆)
まぁそれはいいとして(←いいんか?w)
ですので、昨年中お世話になったセンセイ方にお礼を申し上げたく・・・。
■赤ペン先生■
kyoncoさん
(Maison de 2PM内、Books Meson担当)
makiさん
(Maison de 2PM内、会員専用ページ担当)
■挿画■
neruさん
(Maison de 2PM内会員専用ページ担当)
kyoncoさん
(Maison de 2PM内Books Meson担当)
以上、3名のセンセイの他にも、サイトに不具合があったときに相談させていただいている
ちまめセンセイも・・・。
美しく狂いのない文章、美しく狂っている挿画・・・(←)
みごとなまでのコラボレーション。
とにかくいろいろな方々にお世話になりながら2つの2PM妄想小説サイトを運営しております。
neruさん、ちまめさん、makiさん、kyoncoさん、いつもいつも本当にありがとうございます。
しかも!!!
小説のネタはTwitter上にごろごろと転がっておりましてw
私と私のツイ友さん達の間で交わされたアレコレがどんどん膨らみ、小説化されています。
kasumiさんを始めツイ友さん方、いつも超弩級の変〇ネタをありがとうございます。
(注:ネタ交換は@llama_pandaアカウントでは公開しておりません)
もしも「オトナ女子のための2PM妄想小説」にご興味がおありでしたら、どうぞ足をお運びください。
ご協力いただいております全てのみなさまを代表して、歓迎いたします♪
■Maison de 2PM■
2PMでクリスマス妄想。
クリスマスです。
こんな妄想しちゃいました。
はるか彼方の国から・・・←
このクリスマスに、PMくん達にこんな風に思ってもらえたらな・・・って。
こんなのただの妄想ですよ。
ええ・・・妄想・・・
メリークリスマス!
素敵なクリスマスをお過ごしください☆
-----------------------------
僕たちはプリント画像。
雑誌に乗っている僕らの写真。
もしくはあなたのPCの中。
スキャンされて大事に保管されている。
うちわの時もあるし、シールになっている時もある。
時には冷蔵庫のドアの表にマグネットで貼られている時もあるし、
こっそり財布の中に入れられている時も。
たまに出る事故写真なんかも意外に大切にされているらしい。
あんなにヘンな顔なのにね。
いつもありがとう。
僕たちにめいっぱいの愛をくれて。
毎日「愛してる」って言ってあげられなくてごめんね。
毎日抱きしめてあげられなくてごめん。
タオルにしてくれてありがとう。
ペンライトにしてくれてありがとう。
ぬいぐるみも帽子もありがとう。
全部この手で受け止められたらいいのに。
時には僕たちのために、上司や同僚さんたち、恋人や旦那さん、
そしてご両親を説得しなければいけないってことも知ってるよ。
それでも会いに来てくれてありがとう。
毎日微笑んでくれてありがとう。
毎日口ずさんでくれてありがとう。
僕たちはあなたを愛しています。
Thank You and Merry Christmas ^-^
こんな妄想しちゃいました。
はるか彼方の国から・・・←
このクリスマスに、PMくん達にこんな風に思ってもらえたらな・・・って。
こんなのただの妄想ですよ。
ええ・・・妄想・・・
メリークリスマス!
素敵なクリスマスをお過ごしください☆
-----------------------------
僕たちはプリント画像。
雑誌に乗っている僕らの写真。
もしくはあなたのPCの中。
スキャンされて大事に保管されている。
うちわの時もあるし、シールになっている時もある。
時には冷蔵庫のドアの表にマグネットで貼られている時もあるし、
こっそり財布の中に入れられている時も。
たまに出る事故写真なんかも意外に大切にされているらしい。
あんなにヘンな顔なのにね。
いつもありがとう。
僕たちにめいっぱいの愛をくれて。
毎日「愛してる」って言ってあげられなくてごめんね。
毎日抱きしめてあげられなくてごめん。
タオルにしてくれてありがとう。
ペンライトにしてくれてありがとう。
ぬいぐるみも帽子もありがとう。
全部この手で受け止められたらいいのに。
時には僕たちのために、上司や同僚さんたち、恋人や旦那さん、
そしてご両親を説得しなければいけないってことも知ってるよ。
それでも会いに来てくれてありがとう。
毎日微笑んでくれてありがとう。
毎日口ずさんでくれてありがとう。
僕たちはあなたを愛しています。
Thank You and Merry Christmas ^-^
ウヨンでクリスマス妄想してみた。
街はもうクリスマスの飾り付けでいっぱい。
みなさま、大切な方々へのクリスマスプレゼントはもう用意
できましたでしょうか?
PM生活も今年で2年目。
お世話になったあの方へ、これからお世話になるあなたへ・・・
クリスマスプレゼントを贈ります。
もう某所にはアップ済なのですが、全世界公開のこのブログでも
ご紹介いたします。
ウヨンクリスマス妄想・・・どうぞお楽しみください。
--------------------------------------------------------------------
「eve」
少し気後れしてしまいそうなほど冷たくモダンな作りの部屋の中で、
男女の肌が重なる音が聞こえた。
先程までひんやりと張り詰めていたシーツは人肌でほどよく温まり、
部屋に入ったばかりの頃のよそよそしさは消えていた。
ベッド上の濃密な湿度の中で、女はある男の名前を繰り返している。
男は、毎月同じ日にその名前を聞く仕事をしていた。
自分とは違うその名前を聞くための仕事だ。
花屋の仕事は気に入っていた。
しかし生きていかなければならないのだ。
足りない分は自分で稼ぐしかなかった。
娼夫の仕事は、思ったほど苦ではなかった。
今自分の身体の下には、驚くほど大胆に自分の身体を求めてくる
年上の女がいた。女は男の腰に両脚を絡め、深い位置で男を飲み込んでいた。
もうすぐ女は背中を仰け反らせ、規則正しいリズムを刻み出すだろう。
女がクライマックスに近づいたら、女の上半身を起こして向かい合わせになり、
女の頬を両手で挟みながらキスをするのだ。
「愛しているよ、薫・・・」
その女の名前だ。
そして女の瞳からは一筋の涙が流れる。
それは無くしたものを必死に取り戻そうとする涙なのだ。
「あぁっ・・・・・!!」
女が高みに達し、男の背中に爪を立てた。
今夜も夢の中で取り戻したいものを掴み取ったのだろうか?
女はしばらく男を離そうとせず、胸の中で涙を流し続けていた。
「ごめんなさい・・・つい、あの人と重なって。」
「いいんですよ。これが僕の仕事ですから・・・」
毎月24日に同じこの女からもう半年以上続けて予約が入っている。
いつも同じホテル。
そして同じ部屋だった。
別れた恋人の姿を自分と重ねているのだろう。
行き場のない感情を受け止めるのが娼夫の仕事だ。
しかし、今となっては逆に自分の感情を処理しきれなくなっている。
(僕にはその涙を拭ってやることもできないのか・・・)
事務所からは、レギュラー客の落とし穴を飽きるほどレクチャーされた
はずなのに。相手客の心を救うことはできない。
できることがあるとすれば、ただその身体に寄り添うことだけだと。
事を終えた後で、女は身体を上手に隠しながら着替え始めた。
あんなに激しく自分の身体を求めてくれたのが嘘のようだ。
ベッドの端と端までの距離が二人の本来の関係を物語っていた。
「来月は十二月ですが、予約は・・・どうしますか?
事務所から確認を取ってくれって言われました。」
男はジャケットを羽織りながら聞いた。
女はミュールの片足を履きながら、小声で答えた。
「その日の夜から二十五日の夜まで二十四時間あなたを貸し切りたいんです。
事務所にはそう連絡しておきます・・・」
「あ・・・はい・・・」
思いがけない返事に男は嬉しい戸惑いを隠せなかった。
クリスマスイブを一緒に過ごしたい新しい男はまだ見つからないのだろうか?
女は財布を開き、支払いとは別にチップを払った。
男は複雑な思いでそれを受け取り、部屋を後にした。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
そしてクリスマス準備で忙しい花屋をこなしながら一ヶ月が経過した。
人の幸せのために作る花束。
人の幸せのために飾るクリスマスオーナメント。
街を行き交う人々が、大切な人を思い浮かべながら贈り物を選ぶ季節だ。
それは愛を贈る人がいるという前提で流れる特別な時間。
街はイルミネーションの光の洪水で包まれている。
男にはただひとりの顔しか浮かばなかった。
二十四日の女の顔だ。
二十四日の昼は表の仕事に当てていた。
この日に休めるほど店は暇ではない。
この機会に愛の告白をしたい男は山ほどいるのだ。
その日の夕方、人々が家路へと急ぎ出す少し前の時間にようやく休憩が取れた。
さっそくパンでも買いに行こうと自動ドアの前に立ったところで、入って
こようとする女性客にぶつかりそうになった。
「すみません・・・あ・・・」
その女こそ、この日の夜に予約を入れていたあの女だった。
「あ・・・・」
気まずい空気が流れた後、男は女に道を開け、脱いだエプロンを掛けなおして
注文を受けた。
「ご注文をどうぞ。クリスマス用ですか?」
男は女がどのような花を選ぶのか知る必要があった。二十四日が特別な理由。
それを知る必要があったのだ。
「御仏前用ですが、せっかくのクリスマスなので華やかにしていただいた方が
喜びます・・・」
「失礼ですがどなた様への・・・?」
「三年前の今日亡くなった私の婚約者です。」
そうだったのか。
毎月二十四日にその男の名前を呼ぶ理由はそれだったのか。
男は真実を知って愕然とした。
クリスマスイブに死んだ婚約者のためにだったのだ。
二十四日は月命日だったのだ。
「普段昼間はここで働いているのですね?」
女は男が花を選んでいる後ろ姿に話しかけた。
「はい。お客様のために花を選ぶのが好きなものですから。
・・・喜んでいただけるように、精一杯作りますね。」
「ありがとう・・・」
女の視線を背中で感じながら、男は花束を作った。
死んだ男に捧げる花は、今まで作ってきたどんな花束よりも華やかで
なければならない。
クリスマスイブの日に、目の前から姿を消してしまった男との思い出を、
この女は祝いたいのだから。
その男なら、この女のためにどんな花を選ぶだろうか?
店内には「ホワイトクリスマス」の曲が流れていた。
花を作る間の待ち時間をフランク・シナトラが静かに埋めてくれる。
花束が出来上がる頃には、女は窓の外をずっと見つめていた。
仕上げのラッピングには真紅のリボンを結んだ。
クリスマス色でもあり、愛に殉教する血の色だ。
赤と緑とゴールドを散りばめた、愛の花束。
叶うことのなかった愛を讃える花束だ。
「こんな感じで出来上がりました。気に入っていただけると嬉しいんですけど・・・」
女はその花束を見つめ、少女のように微笑んだ。
「きっと・・・気にってくれると思います。
その日、私のために選んだ花束もこんな感じだったんです。
彼と一緒に轢かれて道路に放り出された花束を、彼のお母様が見せてくれたんです・・・」
「それは良かったです。これはその方というより、お客様のために作りました。
きっとその方なら、こんな花束をあなたに差し上げたかったんだろうなと
思いながら作ったんです。」
「ありがとう・・・」
「僕は七時上がりです。今夜はその方のために一晩中祝いましょう。
彼が祝いたかったあのクリスマスイブの夜を。」
「はい・・・・・」
女の瞳には涙が浮かんでいた。
それは哀しみの涙ではなく、喜びの涙だった。
女は花束を受け取ると、静かに支払いを済ませ、店を出ていった。
男の耳からフランク・シナトラの声がいつまでも離れなかった。
指定のホテルに行く前に、極上のシャンパンを買っていこう。
行き場を無くした自分の恋を胸の奥にしまいこむために。
そして祝おう。
永遠に続く秘めたこの恋を。
*もっと他の作品を読んでみたい方はこちらへ↓
■マダムらまの妄想小説サイト ■
Maison de 2PM
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もう某所にはアップ済なのですが、全世界公開のこのブログでも
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「eve」
少し気後れしてしまいそうなほど冷たくモダンな作りの部屋の中で、
男女の肌が重なる音が聞こえた。
先程までひんやりと張り詰めていたシーツは人肌でほどよく温まり、
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ベッド上の濃密な湿度の中で、女はある男の名前を繰り返している。
男は、毎月同じ日にその名前を聞く仕事をしていた。
自分とは違うその名前を聞くための仕事だ。
花屋の仕事は気に入っていた。
しかし生きていかなければならないのだ。
足りない分は自分で稼ぐしかなかった。
娼夫の仕事は、思ったほど苦ではなかった。
今自分の身体の下には、驚くほど大胆に自分の身体を求めてくる
年上の女がいた。女は男の腰に両脚を絡め、深い位置で男を飲み込んでいた。
もうすぐ女は背中を仰け反らせ、規則正しいリズムを刻み出すだろう。
女がクライマックスに近づいたら、女の上半身を起こして向かい合わせになり、
女の頬を両手で挟みながらキスをするのだ。
「愛しているよ、薫・・・」
その女の名前だ。
そして女の瞳からは一筋の涙が流れる。
それは無くしたものを必死に取り戻そうとする涙なのだ。
「あぁっ・・・・・!!」
女が高みに達し、男の背中に爪を立てた。
今夜も夢の中で取り戻したいものを掴み取ったのだろうか?
女はしばらく男を離そうとせず、胸の中で涙を流し続けていた。
「ごめんなさい・・・つい、あの人と重なって。」
「いいんですよ。これが僕の仕事ですから・・・」
毎月24日に同じこの女からもう半年以上続けて予約が入っている。
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そして同じ部屋だった。
別れた恋人の姿を自分と重ねているのだろう。
行き場のない感情を受け止めるのが娼夫の仕事だ。
しかし、今となっては逆に自分の感情を処理しきれなくなっている。
(僕にはその涙を拭ってやることもできないのか・・・)
事務所からは、レギュラー客の落とし穴を飽きるほどレクチャーされた
はずなのに。相手客の心を救うことはできない。
できることがあるとすれば、ただその身体に寄り添うことだけだと。
事を終えた後で、女は身体を上手に隠しながら着替え始めた。
あんなに激しく自分の身体を求めてくれたのが嘘のようだ。
ベッドの端と端までの距離が二人の本来の関係を物語っていた。
「来月は十二月ですが、予約は・・・どうしますか?
事務所から確認を取ってくれって言われました。」
男はジャケットを羽織りながら聞いた。
女はミュールの片足を履きながら、小声で答えた。
「その日の夜から二十五日の夜まで二十四時間あなたを貸し切りたいんです。
事務所にはそう連絡しておきます・・・」
「あ・・・はい・・・」
思いがけない返事に男は嬉しい戸惑いを隠せなかった。
クリスマスイブを一緒に過ごしたい新しい男はまだ見つからないのだろうか?
女は財布を開き、支払いとは別にチップを払った。
男は複雑な思いでそれを受け取り、部屋を後にした。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
そしてクリスマス準備で忙しい花屋をこなしながら一ヶ月が経過した。
人の幸せのために作る花束。
人の幸せのために飾るクリスマスオーナメント。
街を行き交う人々が、大切な人を思い浮かべながら贈り物を選ぶ季節だ。
それは愛を贈る人がいるという前提で流れる特別な時間。
街はイルミネーションの光の洪水で包まれている。
男にはただひとりの顔しか浮かばなかった。
二十四日の女の顔だ。
二十四日の昼は表の仕事に当てていた。
この日に休めるほど店は暇ではない。
この機会に愛の告白をしたい男は山ほどいるのだ。
その日の夕方、人々が家路へと急ぎ出す少し前の時間にようやく休憩が取れた。
さっそくパンでも買いに行こうと自動ドアの前に立ったところで、入って
こようとする女性客にぶつかりそうになった。
「すみません・・・あ・・・」
その女こそ、この日の夜に予約を入れていたあの女だった。
「あ・・・・」
気まずい空気が流れた後、男は女に道を開け、脱いだエプロンを掛けなおして
注文を受けた。
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そうだったのか。
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男は真実を知って愕然とした。
クリスマスイブに死んだ婚約者のためにだったのだ。
二十四日は月命日だったのだ。
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女は男が花を選んでいる後ろ姿に話しかけた。
「はい。お客様のために花を選ぶのが好きなものですから。
・・・喜んでいただけるように、精一杯作りますね。」
「ありがとう・・・」
女の視線を背中で感じながら、男は花束を作った。
死んだ男に捧げる花は、今まで作ってきたどんな花束よりも華やかで
なければならない。
クリスマスイブの日に、目の前から姿を消してしまった男との思い出を、
この女は祝いたいのだから。
その男なら、この女のためにどんな花を選ぶだろうか?
店内には「ホワイトクリスマス」の曲が流れていた。
花を作る間の待ち時間をフランク・シナトラが静かに埋めてくれる。
花束が出来上がる頃には、女は窓の外をずっと見つめていた。
仕上げのラッピングには真紅のリボンを結んだ。
クリスマス色でもあり、愛に殉教する血の色だ。
赤と緑とゴールドを散りばめた、愛の花束。
叶うことのなかった愛を讃える花束だ。
「こんな感じで出来上がりました。気に入っていただけると嬉しいんですけど・・・」
女はその花束を見つめ、少女のように微笑んだ。
「きっと・・・気にってくれると思います。
その日、私のために選んだ花束もこんな感じだったんです。
彼と一緒に轢かれて道路に放り出された花束を、彼のお母様が見せてくれたんです・・・」
「それは良かったです。これはその方というより、お客様のために作りました。
きっとその方なら、こんな花束をあなたに差し上げたかったんだろうなと
思いながら作ったんです。」
「ありがとう・・・」
「僕は七時上がりです。今夜はその方のために一晩中祝いましょう。
彼が祝いたかったあのクリスマスイブの夜を。」
「はい・・・・・」
女の瞳には涙が浮かんでいた。
それは哀しみの涙ではなく、喜びの涙だった。
女は花束を受け取ると、静かに支払いを済ませ、店を出ていった。
男の耳からフランク・シナトラの声がいつまでも離れなかった。
指定のホテルに行く前に、極上のシャンパンを買っていこう。
行き場を無くした自分の恋を胸の奥にしまいこむために。
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Maison de 2PM
雨でチャンソン妄想してみた。
お久しぶりの妄想ブログです。
この季節、みなさま体調を崩しがちですよね。
はい、私もスキー上級者コース並みの直滑降でがっつり沈没しておりました(←)
でももう復活。
妄想のない毎日なんて、ク〇ープを入れないコピみたいで・・・(←)
でもって雨です・・・
今私が住んでいる所は雨がたくさん降ります・・・
しかも雷鳴とか・・・稲妻とか・・・
日本各地ではもう寒くなっているのでしょうか?
一雨ごとに寒くなっていくのでしょうね・・・。
で、寒い雨がちょっと懐かしい(←嘘)ワタクシは、こんな画像を見つけました。
そこでこんな妄想をひとつ・・・
ヒロインは雨で濡れているのに、今回は一箇所も濡れ場はございません(爆)
------------------------------------------------------------------------------------
Rain
晩秋の冷たい雨が道路を濡らしていた。
女は、わざと傘を持たずに会社から飛び出してきたのだ。
周りにおつかれさまの挨拶も言わずに。
この雨のせいで辺りはもう薄暗く、ひとつひとつ時間差で
街灯が灯り始めた。
「夕方には上がるって言ってたのに・・・ちっとも当たらない
天気予報のバカ!」
女は鉛色の空に向かってそう吐き捨てた。
しかしその鉛色の空は、腹の虫が収まらない女の顔に向かって、
ただひたすらたくさんの雨粒を叩きつける。
「大体・・・私だって好き好んで中堅社員をやってるわけじゃ
ないんだから・・・新人だって入ってきて、でもお局様の顔色は
伺いながらなんとかやってるんだから・・・なのに・・・なのに・・・」
女はたったさっき起きたことを反芻しながら雨宿りの場所を探した。
お局様と呼ばれている職場の先輩に、簡単な電話応対もできない
新人に対する指導の甘さを指摘され、酷く叱られたのだ。
しかもその直後に、上司から仕事上の事務処理ミスをその新人の前で
ねちねちとつつかれ、いてもたってもいられなくなり、逃げるように
職場から出てきてしまったのだった。
しばらくすると、降りしきる雨の中にコンビニの明かりがぼんやりと
浮かんで見えた。
外が寒いせいか、店の窓が曇っている。もうすぐ冬がやってくるのだ。
女は店の中に入るとホットコーヒーと大好きな袋入りのドーナツを買い、
店の軒先で雨をしのぎながらドーナツを食べることにした。
「別にいいや・・・周りにどう見られたって・・・どうせこんな雨だもん。
コンビニの前でドーナツ食べてる女になんか目をやる暇もないでしょ。」
ざぁざぁ降る雨を眺めながら、女はがぶりとドーナツを頬張った。
「あーあ・・・私なにやってんだろ・・・ばかばかしい。
なんか・・・やってらんな・・・い・・・」
小さな声で呟いたつもりだった。
しかし自分の耳でその言葉の破片を拾ってしまえば、弱った自分の心に
ちくちくと突き刺さるだけだった。
涙が頬を伝った。
冷たい外気に慣れた頬には、それは驚くほど温かく感じられた。
気が付けば隣には大柄な若い男が同じように雨宿りをしている。
端正な横顔が印象的で、どこが物憂げな表情をしている。
上から羽織っているレザージャケットの下は黒いタンクトップだ。
顔つきは子供っぽいのに、タンクトップの胸元は微かに盛り上がっていて、
丹念に鍛えられていることを物語っていた。
なのにその表面はすべすべとしていて柔らかそうだ。
むさくるしさが一切ない。そんな男性も珍しかった。
それにしても寒くはないのだろうか?
「あの・・・タオルあります・・・けど・・・」
じっと見つめ過ぎただろうか?
女は男が話しかけてきたことに驚いた。
「え?タオル・・・?」
男はすでに半分ほど濡れているタオルを女に差し出した。
「これで・・・拭いてください・・・そのカバン。」
よく見ると、溜まった仕事の書類でパンパンに膨れているカバンが
びしょ濡れになっている。
「え?あ、いいんです、こんなの・・・濡れてしまっても構わないんです。」
「でもそれは・・・お仕事の書類みたいですね。それと・・・えっと・・・
顔の・・・・目の下もちょっと・・・」
目の下と言われて女ははっとした。
(マスカラ!?さっきの涙で?)
「えっと・・・使ってください・・・」
流暢に聞こえるがところどころに異国訛りがある。
韓国人?どこかで見たような気もする。
「仕事なんて・・・もういいんです。なんか、もう・・・」
女は何かを思い出そうとしていたが、差し出されたタオルを突き返すことも
できずに、濡れた服を拭く振りをして一生懸命頭をフル回転させた。
しかし、どんなにがんばっても何も出てはこなかった。
涙をこらえるのには、相当な集中力が必要なのだ。
「僕も・・・仕事が上手くいかなくて辛いです・・・新しい人達と新しい仕事に
慣れなくて・・・言葉もあんまり上手くないし・・・」
「・・・でも上手ですよ?私なんか日本語しか話せないけど・・・
日本の方じゃないですよね?」
「はい・・・韓国から来ました。」
雨が急に量を増し、お気に入りの靴を濡らしていく。
外はもう暗く、車のヘッドライトが眩しく感じられた。
「コミュニケーションとか・・・難しいです・・・」
男は鼻をすすった。
冷たい空気が男の鼻を赤く染めている。
「お国に帰りたいって思いませんか?」
女は寂しそうにしている男の唇を見つめていた。
「少し・・・でも、こっちでがんばりたいんです。仲間もがんばってるし・・・
それに少しでも上手くなりたいから・・・」
「ふぅん・・・」
女は少し自分を恥じた。
自分よりは若いであろうこの男は、異国の地でがんばろうとしている。
なのに自分はどうだろう?
「そのドーナツはおいしいんですか?」
「あ、これね・・・おいしいですよ。このお店に売ってます。」
「そうですか・・・あの・・・ところで、ここにバナナって売ってますか?」
「バナナ・・・ですか?えーっと・・・売ってたと思いますけど・・・」
女は少し戸惑いながら、男の唐突な質問に答えた。
この男はコンビニにバナナを買いに来たのだろうか?
「ちょっと・・・買ってきます・・・」
男が店に入っていく。
女は思った。
最近は仕事で忙し過ぎて、自分の殻に閉じこもりすぎだったかもしれない。
こうして知らない人間と、どうでもいいようなことを話す機会もなかった
ような気がした。自分の殻の中で、酸素が足りなくなり息苦しくなって
しまっていたのだ。
「バナナかぁ~~・・・・はぁ~~・・・」
女がそうため息をつくと同時に男が店の中から出てきた。
「戻りました。」
「バナナ、ありましたか?」
「はい、ありました。ほら。」
男は女にバナナを見せ、嬉しそうに笑った。
「休憩時間、終わりなんです。あと、これよかったら・・・」
男はそう言うと、下からひゅっと男物の傘を差し出した。
「これ、使ってください。僕、急いで戻らないといけないんで。じゃあ!」
(傘?じゃあ雨宿りなんかしなくてよかったんじゃ・・・
バナナを買いに来ただけなの?)
女は狐につままれたような思いでもう一度コンビニの中を覗いてみた。
はっと思い、コンビニの雑誌売り場を振り返る。
雑誌で見た顔だ。
先日テレビでも見たような気がする。
「怪盗ロワイヤル!?」
女がそう口にしたと同時に男は軒先から出ていった。
(そうだ、この間テレビに出ていた!韓国のボーイズグループの!!
なんだっけ・・・名前が出てこない!!)
女はたまらず、雨の中レザージャケットを頭にかざして走り去ろうとする
男の背中に声をかけた。
「ねぇ!え・・・と名前を!!」
男はにっこり微笑みながら振り返ると、右手で文字を作りながら答えた。
( 2・P・M)
そして男は、まだ降り続いている雨を照らし出すヘッドライトの光の中に消えていった。
(special thanks to kyonco)
この季節、みなさま体調を崩しがちですよね。
はい、私もスキー上級者コース並みの直滑降でがっつり沈没しておりました(←)
でももう復活。
妄想のない毎日なんて、ク〇ープを入れないコピみたいで・・・(←)
でもって雨です・・・
今私が住んでいる所は雨がたくさん降ります・・・
しかも雷鳴とか・・・稲妻とか・・・
日本各地ではもう寒くなっているのでしょうか?
一雨ごとに寒くなっていくのでしょうね・・・。
で、寒い雨がちょっと懐かしい(←嘘)ワタクシは、こんな画像を見つけました。
そこでこんな妄想をひとつ・・・
ヒロインは雨で濡れているのに、今回は一箇所も濡れ場はございません(爆)
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Rain
晩秋の冷たい雨が道路を濡らしていた。
女は、わざと傘を持たずに会社から飛び出してきたのだ。
周りにおつかれさまの挨拶も言わずに。
この雨のせいで辺りはもう薄暗く、ひとつひとつ時間差で
街灯が灯り始めた。
「夕方には上がるって言ってたのに・・・ちっとも当たらない
天気予報のバカ!」
女は鉛色の空に向かってそう吐き捨てた。
しかしその鉛色の空は、腹の虫が収まらない女の顔に向かって、
ただひたすらたくさんの雨粒を叩きつける。
「大体・・・私だって好き好んで中堅社員をやってるわけじゃ
ないんだから・・・新人だって入ってきて、でもお局様の顔色は
伺いながらなんとかやってるんだから・・・なのに・・・なのに・・・」
女はたったさっき起きたことを反芻しながら雨宿りの場所を探した。
お局様と呼ばれている職場の先輩に、簡単な電話応対もできない
新人に対する指導の甘さを指摘され、酷く叱られたのだ。
しかもその直後に、上司から仕事上の事務処理ミスをその新人の前で
ねちねちとつつかれ、いてもたってもいられなくなり、逃げるように
職場から出てきてしまったのだった。
しばらくすると、降りしきる雨の中にコンビニの明かりがぼんやりと
浮かんで見えた。
外が寒いせいか、店の窓が曇っている。もうすぐ冬がやってくるのだ。
女は店の中に入るとホットコーヒーと大好きな袋入りのドーナツを買い、
店の軒先で雨をしのぎながらドーナツを食べることにした。
「別にいいや・・・周りにどう見られたって・・・どうせこんな雨だもん。
コンビニの前でドーナツ食べてる女になんか目をやる暇もないでしょ。」
ざぁざぁ降る雨を眺めながら、女はがぶりとドーナツを頬張った。
「あーあ・・・私なにやってんだろ・・・ばかばかしい。
なんか・・・やってらんな・・・い・・・」
小さな声で呟いたつもりだった。
しかし自分の耳でその言葉の破片を拾ってしまえば、弱った自分の心に
ちくちくと突き刺さるだけだった。
涙が頬を伝った。
冷たい外気に慣れた頬には、それは驚くほど温かく感じられた。
気が付けば隣には大柄な若い男が同じように雨宿りをしている。
端正な横顔が印象的で、どこが物憂げな表情をしている。
上から羽織っているレザージャケットの下は黒いタンクトップだ。
顔つきは子供っぽいのに、タンクトップの胸元は微かに盛り上がっていて、
丹念に鍛えられていることを物語っていた。
なのにその表面はすべすべとしていて柔らかそうだ。
むさくるしさが一切ない。そんな男性も珍しかった。
それにしても寒くはないのだろうか?
「あの・・・タオルあります・・・けど・・・」
じっと見つめ過ぎただろうか?
女は男が話しかけてきたことに驚いた。
「え?タオル・・・?」
男はすでに半分ほど濡れているタオルを女に差し出した。
「これで・・・拭いてください・・・そのカバン。」
よく見ると、溜まった仕事の書類でパンパンに膨れているカバンが
びしょ濡れになっている。
「え?あ、いいんです、こんなの・・・濡れてしまっても構わないんです。」
「でもそれは・・・お仕事の書類みたいですね。それと・・・えっと・・・
顔の・・・・目の下もちょっと・・・」
目の下と言われて女ははっとした。
(マスカラ!?さっきの涙で?)
「えっと・・・使ってください・・・」
流暢に聞こえるがところどころに異国訛りがある。
韓国人?どこかで見たような気もする。
「仕事なんて・・・もういいんです。なんか、もう・・・」
女は何かを思い出そうとしていたが、差し出されたタオルを突き返すことも
できずに、濡れた服を拭く振りをして一生懸命頭をフル回転させた。
しかし、どんなにがんばっても何も出てはこなかった。
涙をこらえるのには、相当な集中力が必要なのだ。
「僕も・・・仕事が上手くいかなくて辛いです・・・新しい人達と新しい仕事に
慣れなくて・・・言葉もあんまり上手くないし・・・」
「・・・でも上手ですよ?私なんか日本語しか話せないけど・・・
日本の方じゃないですよね?」
「はい・・・韓国から来ました。」
雨が急に量を増し、お気に入りの靴を濡らしていく。
外はもう暗く、車のヘッドライトが眩しく感じられた。
「コミュニケーションとか・・・難しいです・・・」
男は鼻をすすった。
冷たい空気が男の鼻を赤く染めている。
「お国に帰りたいって思いませんか?」
女は寂しそうにしている男の唇を見つめていた。
「少し・・・でも、こっちでがんばりたいんです。仲間もがんばってるし・・・
それに少しでも上手くなりたいから・・・」
「ふぅん・・・」
女は少し自分を恥じた。
自分よりは若いであろうこの男は、異国の地でがんばろうとしている。
なのに自分はどうだろう?
「そのドーナツはおいしいんですか?」
「あ、これね・・・おいしいですよ。このお店に売ってます。」
「そうですか・・・あの・・・ところで、ここにバナナって売ってますか?」
「バナナ・・・ですか?えーっと・・・売ってたと思いますけど・・・」
女は少し戸惑いながら、男の唐突な質問に答えた。
この男はコンビニにバナナを買いに来たのだろうか?
「ちょっと・・・買ってきます・・・」
男が店に入っていく。
女は思った。
最近は仕事で忙し過ぎて、自分の殻に閉じこもりすぎだったかもしれない。
こうして知らない人間と、どうでもいいようなことを話す機会もなかった
ような気がした。自分の殻の中で、酸素が足りなくなり息苦しくなって
しまっていたのだ。
「バナナかぁ~~・・・・はぁ~~・・・」
女がそうため息をつくと同時に男が店の中から出てきた。
「戻りました。」
「バナナ、ありましたか?」
「はい、ありました。ほら。」
男は女にバナナを見せ、嬉しそうに笑った。
「休憩時間、終わりなんです。あと、これよかったら・・・」
男はそう言うと、下からひゅっと男物の傘を差し出した。
「これ、使ってください。僕、急いで戻らないといけないんで。じゃあ!」
(傘?じゃあ雨宿りなんかしなくてよかったんじゃ・・・
バナナを買いに来ただけなの?)
女は狐につままれたような思いでもう一度コンビニの中を覗いてみた。
はっと思い、コンビニの雑誌売り場を振り返る。
雑誌で見た顔だ。
先日テレビでも見たような気がする。
「怪盗ロワイヤル!?」
女がそう口にしたと同時に男は軒先から出ていった。
(そうだ、この間テレビに出ていた!韓国のボーイズグループの!!
なんだっけ・・・名前が出てこない!!)
女はたまらず、雨の中レザージャケットを頭にかざして走り去ろうとする
男の背中に声をかけた。
「ねぇ!え・・・と名前を!!」
男はにっこり微笑みながら振り返ると、右手で文字を作りながら答えた。
( 2・P・M)
そして男は、まだ降り続いている雨を照らし出すヘッドライトの光の中に消えていった。
(special thanks to kyonco)


