前回の2人ご飯から2週間くらいたったころ、2回目が実現した。


前日、仕事終わりに二人になったとき、こっそり声をかけてくれたのだ。今回は何かのお礼とかじゃなく音譜



なんとなくほかのスタッフには内緒にしようっていう、暗黙の了解のもとだったので、一回帰るそぶりをして、現地で待ち合わせにした。


今回は彼が事前に店をリサーチしてくれていた蒸し鍋料理のお店だった。

ちゃんと調べておいてくれるようなところも好感が持てた。



料理ももちろんおいしかったけど、いつも職場でしか話さない二人だから、どんなことを話していいのか正直こまってしまう。


なんかこういう風に二人でご飯食べるのっていいですね~って何回も言っていた気がする。







あるとき、ふたりで晩御飯を食べに行くことになった。


彼と二人で晩御飯を食べに行くなんてはじめてだった。




きっかけは、偶然私も彼も仕事が長引いて、帰りに二人になったことだった。

私は彼の仕事も少し手伝っていたので、彼はそのお礼に、ということで誘ってくれたのだ。


ただ、当然私はこのとき同棲している彼氏がいた。

ほかの男との二人っきりでの食事は、さすがに彼氏にばれるのはよろしくない。


しかし、私の彼氏は3日に一回泊まりの勤務がある職場で、この日はちょうど家にいない日だった。

誘われたことがうれしくて、彼氏を思いやる気持ちはどこかにいっていた。


それに、


ご飯食べるくらいはバチも当たんないしね


という軽い気持ちだった。



二人の家から近い、エスニック料理屋さんにご飯を食べに行った。


いつも職場で顔をあわせているが、カウンターの席に座るといつもより距離が近い。


彼氏とは違う男性とこんなに近づいて話すことなんて、ここ数年なかったから、戸惑ってしまった。



彼は、家や仕事以外の話をしたい様子で、学生時代の話や、過去の恋愛の話をしながら、あっという間に時間が過ぎていった。


別れ際、またいきましょうね!って社交辞令みたいに言ったけど、ほんとにまたこんな風に二人の時間ができたらいいなって思っていた








彼が奥さんの看病を始めて3ヶ月目ころから、徐々に病状も回復してきたようす。


彼は少しづつ仕事にも復帰してきていた。4ヶ月目ころには週5日くらいは出勤していたように思う。



職場での飲み会を企画すると、それに彼も参加できることになった。



彼は日々の生活にかなりつかれきっていて、


「職場にいるときのほうが家にいるよりも、気がまぎれるし、遊んで気を紛らわせたい」


と言っていた。


彼はそれまで、そんな風に愚痴を言うことなんてなかったし、人のことを悪く言うこともなかった。



私は、そんな彼のぼやきを聞きながら、奥さん心配だが、看病しているこの人の方がよっぽど心配だと思った。


不謹慎だけど、弱っている彼になんともいえない愛しさを感じてしまった。



それからというもの、すこしづつ私は彼を意識するようになっていた。