ジャズピアニストのRisakiです!…と勢いよく自己紹介したいところなのですが、現在、某感染症による後遺症で療養中のため、演奏やレッスンのお仕事をお休みさせていただいております。
(という事情もありブログタイトルに悩んでます)
普段は、子どもから大人ビギナーさん、そしてプロの方まで、楽しくジャズピアノを学べる教室を運営しています!
私自身のレッスンはただいま受付を休止中ですが、他の講師のレッスンは募集中ですので、ご興味のある方はぜひご連絡くださいませ。
今の仕事のコミュニティで細々と社会のつながりはあったものの、1年2ヶ月の間、半寝たきりの生活を送っているため、昨日のブログ開始と共に、やっと以前のような社会のつながりを実感して、とても幸せな気持ちでした。人と繋がっていたいというのは、本能なんだなと、自分の中で閉じていた何かが開いたようで生まれ変わった気分です
お読み頂いてるみなさま、そしてまといのばギルドのみなさま、誇張でもなんでもなく、みなさまのおかげです。ほんとうにありがとうございます!
さて、タイトルの伏線を回収すべく本題に入ります!
昨日は「音は他者の宇宙と交わる接点」というお話をしていたのですが、
ジャズピアニスト・上原ひろみさんがあるインタビューでお話しされていた一節をご紹介させてください。
ツアーを続ける中で私は日々違う人と仕事をして、そのすべてを最高のライブとして作り上げたいと思い、仕事をしてきました。そんな中でも、機材トラブルとかは当然あるわけです。
例えば'07年、イタリアのピサのライブで停電になり、1時間半待っても電源が復旧しなかったことがありました。そのときは手持ちのマイクでピアノの音を拾い、演奏したこともあります。音響的には最悪で、今まででいちばん大変でしたけど、それはそれで盛り上がるわけですよ。お客さんを楽しませようという気持ちがあれば」
しかし、彼女がいちばん問題だと感じることは、ステージ上でのトラブルではなく─。
「スタッフの中に私から見て、なんだかやる気のなさそうな人がいたときです(笑)。そういった場合、私は積極的に話しかけてみるようにしています。現場の仕事中にYouTubeとかを見ているスタッフを、その日のプライオリティーを自分に向けてもらうようにするにはどうするかは、苦心しますね。
例えばリハのときには、そういった人をずっと見ながら演奏します(笑)。でもそうしていると、私の音楽に興味が出てくる感じもあるんですよ。最終的には音楽でやる気になってもらうのがいちばんいいことなので、それ以前にそういったことをやるのも当然だとも思うので
こちらのエピソードを読んで、世界を動かすピアニストはやっぱり違うと、ハッとさせられました。どれほど、才能があっても世界を相手に活動するためには、世界中のミュージシャンとスタッフと、そしてリスナーにコミットしていく必要があります。
やる気のなさそうな人に対して、「まぁいいか」って放っておくこともできたはずなのに、
ちゃんと視線を向けて、音を出して、その場を繋げようとする。
つまり、物理的に語りかける、視線を向ける、音楽でつながるという行動を取ります。
ただライブで演奏をする。のではなくて、
音を通じて、ちゃんと誰かと交わろうとする。
その姿勢が、もう本当にすごいと思いました。
音が相手の心を動かし、やる気のなかったスタッフの宇宙が、上原さんの宇宙に引き込まれる。
言葉で説得するのではなく、自分の発する音、つまり、自分の宇宙の「臨場感」を物理的に届ける。ということを、自然にやっているのですよね。本当にすごい!
音を通じて相手が「聴く」状態になるまで、丁寧に物理的接点を開いていく。自分の本番もあるなかで、これが出来るのはほんとうにすごいことなのです。(感心してばかりです)
余談ですが、「スコティッシュフォールド」という猫種の猫ちゃんを飼っているのですが、生まれながらに声が小さく、鳴くことが少ないと言われている猫種です。
では、どうやってコミュニケーションを取るのかというと、小さな鳴き声と熱い視線、ため息(鼻息?)までも総動員して、使える音はすべて使い全力で物理コミュニケーションを取ります!存在をアピールするためにドシドシっと床を鳴らして歩いてくることもあります
とても可愛いです!
音ってすごいのですよね![]()
音が、言葉以上に、他者を動かします。
そして、そのためにはまず
「自分の音」を本気で届けること。
それこそが、コミュニケーションのコツなのかもしれません。




