「オーケストラしか勝たん」などと言う気持ちになりかねないと思いながら、心の隙間にズブズブっと入ってくる、ニコライ・カプースチンの最高のコンチェルトを聴いていたら、私の中の音楽の虫が目を覚ましまして…気づいたらブログを書いていました。


Piano concert No.2,  Op.14 Ⅰ Allegro molto


さて、ニコライ・カプースチンとは、ウクライナ出身のロシアの作曲家、ピアニストです目


ジャズの形式を採用しながらも計算され尽くしたクラシックの技巧と譜面に起こされたジャズのグルーヴのそのギャップが、とても気持ちいいのです。そして、その塩梅が唯一無二。


「私はジャズミュージシャンじゃない。即興演奏には関心がないからね。」

とおっしゃっていて、この潔さが彼の音楽の型となっていると思います。


タクシーで知らない街まで連れて行かれたような気分になる音楽です。




話が逸れますが、私たちは、一人ひとりが宇宙を持っていて、その隣同士が接するのが物理空間と言われています。


音は物理であり、「他者の宇宙とつながる接点」でもあります。彼の音楽は、生命体のように音の粒が、こちらの宇宙の膜をすり抜けてくる、そんな生命力の強さを感じます。

夜中にフレーズが頭の中で鳴って、眠れなくなるほどに真顔



カプースチン本人の演奏動画 目


カプースチンはその最たるもので、譜面の上で踊る音符たちに、理性も感情も、まとめて全部持っていかれる。どんなに難しくても、譜面の中に入り込んで、音と一緒に息をしてしまいたくなる魔力がある。


ただ「聴いて、弾いて、丸め込まれて」気づいたら、彼の音楽があなたの宇宙に住み着いています


こちらはConcert Etudes Toccatina Op.40-3 

踊る16分音符が堪らない。332でカウントしていたら、2222に変化したり、拍子を書いていないところは少しいじわるです。



ところで、身体に音やリズムが足りない、そんな栄養不足に感じることはありませんか?

(ムズムズと何かが足りない!その感覚です。)


私はあります。音という名の物理に伏しています。むしろ、もっと侵食してほしいですし、もしかしたら、あなたの脳の栄養士さんが「音楽の栄養不足です!」と言っているかもしれません。


カプースチンの音楽があなたの耳をハッキング…ではなく、あなたの宇宙に侵入しますにっこり


そんなビタミンみたいな音を、というと比喩が1人泳ぎしそうなんですが、物理振動のビタミンがよく効きます。


みんな大好き角野隼人さんのToccatina

「トッカティンナでいいよ」というコメントが秀逸でした。


ぜひ聴いてみてください!


あなたの耳にビタミンを🍋