CDの売れない時代 #1 | livoon(ライヴーン)ミュージシャンブログ

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ベーシストのマッチャンの音楽談義、バンド活動の話など

元ベーシストのマッチャンです!タバコ

「株式会社ワールドスケープ」代表、海保ケンタロー氏の主催する
「CDの売れない時代に音楽でメシを食う方法」の講習会に参加してきた。

海保ケンタロー氏は株式会社ワールドスケープの代表取締役を
務める他、現メリディアンローグのドラマーでもある。

自身のメジャーデビューでの経験から、
プロミュージシャンの現状を赤裸々に語って頂いた。

プロミュージシャンとは、色々な形態があり、
私の様に地方ライブハウスへの演奏旅行
いわゆる「どさまわり」ミュージシャンから、
テレビ、ラジオ等のメディアに露出する
メジャーミュージシャンまで様々。

今回は、メジャーミュージシャンのお話です。

メジャーデビューと聞くと、
自分たちのオリジナル曲が飛ぶように売れ、
夢の印税生活が始まると連想される方も多いはず。

しかし、現状はどうだろう。


「皆さんは去年一年間で音楽CDを
何枚購入しました?」

「えっ! 0枚!」

いや、びっくりする数字ではない。
今やCDは買う物ではなく、落とす物に
なってきてる。

スマホに向かって、曲名を言うだけで
瞬時に動画付きで楽曲が聞けてしまう世の中だ。


当然、音楽CDは年々売れなくなってきている。
もはや過去の遺物なのか。

CDをリリースして10,000枚も売れれば、
オリコンチャート10位に入れる。

たった10,000枚だ。

如何にCDが売れていない事が分かる。

では、仮に一枚3,000円のCDが10,000枚
売れたとする。
ミュージシャンに入る印税は幾ら位だろう。

下記が、一般的な配当。
-------------------------------------------------
・JASRAC ・・・・・・ 0.42%
・音楽出版社 ・・・・・・ 2.79%
・作詞家 ・・・・・・ 1.395%
・作曲家 ・・・・・・ 1.395%
・レコード店 ・・・・・・ 25 %
・容器代 ・・・・・・・ 10 %
・プレス代 ・・・・・・ 7 %
・レコード会社 ・・・・ 49 %
・歌唱や演奏をした人 ・・・・ 1~2 %
-------------------------------------------------

これを金額にしたものが、
-------------------------------------------------
・JASRAC ・・・・・・ 12,600円
・音楽出版社 ・・・・・・ 837,000円
・作詞家 ・・・・・・ 418,500円
・作曲家 ・・・・・・ 418,500円
・レコード店 ・・・・・・7,500,000円
・容器代 ・・・・・・・ 3,000,000円
・プレス代 ・・・・・・ 2,100,000円
・レコード会社 ・・・・ 14,700,000円
・歌唱や演奏をした人 ・・・・ 300,000円~400,000円
-------------------------------------------------


ミュージシャンに入る印税は
一番下の、30万~40万円程度だ。

これは月収ではなく、CDが10,000枚売れた時の収入。

これをバンドメンバーで割った金額が
各ミュージシャンの取り分だ。

とても食って行ける金額とは言えない。
仮に作詞作曲も兼ねていれば、
プラス837,000円入る。
これでも、メシは食えない。

また、ダウンロード販売の印税は
各プロダクションにより取り決めは様々だ。
給料として組み込まれている場合や、
ミュージシャンには、特に何も入らない場合もある様だ。

仮に印税がある場合で、
1ダウンロード、200円で10万ダウンロードあったと仮定して
試算。

ミュージシャンに入る印税は1ダウンロードに付き
5~6円程度が相場らしい。
10万ダウンロードで50万円~60万円となる。

う~ん。これでも食えない!

このままでは、音楽を志している有志が
どんどん減っていき、日本の音楽業界が
奈落の底に突き落とされてしまう。

海保ケンタロー氏は、これからは
昔と違う全く新しいアプローチで、
ミュージシャンは動き始めないと、
音楽業界の低迷は免れないと苦言を呈してる。

今、方向を転換しなければ、本当にこの先、
どうなるか分からないというお話でした。

では、どの様に方向転換するのか
海保ケンタロー氏の考えを
次回、具体的に解説していきます。