牡蠣で有名な厚岸町(北海道)の知り合いからいただいた立派なシャケ(鮭)のトバ(北海道物産展などで必ずある、シャケの身を乾燥させた肴)が、賞味期限を2ヶ月ほど過ぎて、冷蔵庫で眠っていたのを発見しました。臭いをかいでみて、食べて問題はないと思ったけど、さすがに硬さが尋常でないので、考えました。
「シャケの切り身を乾燥させたトバだから、水で戻せばやわらかくなるじゃん」←当たり前だけど。
<だし汁と酒で膨らんだトバ>
1本30センチほどのトバを包丁で3つに切って、市販の昆布つゆに日本酒と水を3分の1ほど入れたつゆを煮立つ手前まで火にかけて冷やし、トバの酒浸し状態で冷蔵庫で2日ほど置いたら、見事に大きく膨らんだ(←当たり前だけど)やや柔らかいシャケの切り身がボールのなかにびっちり。
<ほぐしたトバと皮>
まな板の上で、皮と身をはがし、身を適当にほぐしてさらに荒く切り刻みま
した。通常のシャケの切り身とは違う、濃厚な香り(腐っていたわけではありません、多分)が酒を呼びます。さて、どうやって食ってやろうかと考えた結果は「シャケチャーハン」。
フライパンに軽くサラダ油を引いてまず皮をやや焦がして焼いたところ、皮はやっぱり美味い! これでつまみ一品ですな! 自信を得て、残ったサラダ油にバターをひとかけ落としてシャケの身をドバッと炒めて、皮も放り込んで、弱火でジュウジュウ。
それに長ネギを加えて、ご飯を加えて、ザクザク混ぜて、ついでに塩コショウ少しと、醤油も回りに垂らして、再びジュウジュウ。いい香りです。
ざっくり適当に作った「シャケチャーハン」ですが、なかなかの出来でした。なにせ、普段、私の作った料理にはほとんど口をつけない家内がしっかり一人前食べたのだから。
<意外に美味しそうでしょ>
トバを戻した柔らかいシャケは、そのままオーブンで皮ごと焼いてもすごく美味い肴になります。
歯の丈夫な人はトバのままでもちろん十分うまいのですが、私のように歯に自信のないオヤジは、トバをムシャムシャ食べるのはややリスキー。トバの酒浸しは、いわばオヤジの苦肉の作(!)です。
そんなこんなで、たまに変な料理を作ってます。家族の評価はなかなか得られないけど、たまには自慢したくなるような逸品も誕生します(ホント!)。
お暇な方は、試していただいてもいいですが、私は平均的な人より、胃腸が丈夫なようで、同じものを作っておなかを壊しても、責任は負えませんのであしからず。


