240202 chemical brothers / 東京ガーデンシアター
テクノの大御所ケミカルブラザーズの2年くらい前に中止になったライヴのリベンジ公演。
結論から言うとめちゃくちゃ面白かった。
ライヴというよりショーと言った方がいいかもしれない。
ステージの中央にライヴセットがありその奥の巨大なスクリーンに常時VJが流れていたがその映像が照明と合わさって空間的なものになっていた。
映像の中の人物が懐中電灯を動かすとその位置からレーザーが伸びて会場を照らす。
映像の人物がカメラに向かって両手を伸ばすとそれぞれの指先からビームが放たれる。
複数のビームが平行に発せられ同時に奥行方向に回転すると床が回ったように見えるのだがその床に映像の人物が乗って踊っていたりする。
スクリーンにマス目状に照明が置かれていて映像とダイレクトにリンクしているのだ。
かと思うと会場に大量の紙吹雪が撒かれて実際の吹雪のホワイトアウトのようになったりする。
東京ガーデンシアターという箱はかなり巨大なのだがその大きさをフルに利用していた。
映像は四人のCG製の人物が歩きながら踊っていたり謎の衣装を着た怪人がバストアップで踊っていたりよくわからない特撮っぽいヒーローが怪人と戦っていたりするもので、多分10年くらい前のサマソニでのライブでも同じ映像を見た気がするがその使われ方が異常に上手く現代風にアップデートされていた。
会場に放たれるレーザーは白だけ、とかピンクだけ、とか映像のキャラが緑だから照明も緑、とわかりやすい。
色使いはどことなく80年代のようないにしえ感があったがそれなのに古さは全く感じられない。
ある箇所では映像がモノクロで照明もモノクロにしてカラーテレビ以前の白黒の映像のように空間ごとモノクロになったが逆に新しい演出のように感じられた。
会場のスモークの濃さもちょうど良く、ステージから放たれたビームが会場の端に行く辺りで綺麗に減衰していて空間の広さを可視化していた。
当方がいたのはバルコニー中央の奥の方で一応S席なので会場は見渡せた。
アリーナ席はチケットが取れなかったのだが当選した人がめっちゃ羨ましかった。
ライヴ演出は上の方から見ても圧倒的だったのだが紙吹雪は遠くでなんかちらついている感じにしか見えず、多分ビームとかもアリーナ席の方が臨場感があったに違いない。
もちろん音も凄かった。
当方が一番好きなアルバムはcome with usだがそのイントロのアナウンスみたいな声素材でライヴは始まり、ごっすんごっすん言うドラムで一気にクラウドを引き込んでいく。
使われた曲は新旧まぜてうまくつかわれていた。
star guitarはライブ映えしなさそうと思っていたがライヴ仕様にアレンジされてむちゃくちゃかっこいい。
ケミカルブラザーズは大御所の例に漏れず2000年台前半以前の曲が有名で人気があるのだがhey boy hey girlやsetting sunや他のロック色の強い曲でも会場は大盛り上がりした。
当方はここ数年の彼らのアルバムは買っていないので最近の彼らの曲はあまり知らない。
多分使われていたのだが知ってる曲だろうと知らない曲だろうとすげえかっこいい。
東京ガーデンシアターはものすごく音がいい箱なのでその良さが完全に伝わる。
彼らの曲はチャートに乗ってしまうような大衆的なものも多いがチャートには乗らないがアングラ的なかっこいい曲も多い。
ライヴではクラブのような場面もあった。チャートにいつも乗っているようなアーティストはドラムだけで数分持たすなんて芸当はできないが彼らとしてはそっちの方がホームなのでドラムをゴンゴン鳴らすだけで期待感を煽れるし聴けば勝手にこっちの体が動く。
そのドラムに深いリバーブのメロディが乗り一つ一つ音が加わり気づくと完成された曲になっている。
彼らの曲を改めて聴いてみて思ったのだが使われているのは断片的な音が多く、数小節にわたるストリングスとかはなかったかもしれない。
使われているメロディも単体で全てを構成するようなものはなく、音の流れとしての展開は同じメロディの繰り返しだったりたまに違う音が入ったりと単純な部類だと思う。
しかし彼らはクラブミュージックの使い手なのでその断片感が逆に良い。
それは大会場でも同じだった。
断片でできた曲は小さく纏まりがちな気がするが彼らの音は巨大な環境でも良く響く。
最初にも書いたがこれはライヴというよりショーだ。
その音はアンダーワールドとよく比較される。
音楽としてはアンダーワールドの方がいいが、ショーとしてはケミカルブラザーズの方が上だと思った。
今日のケミカルブラザーズは使われている映像といい音楽性といい実際のとこここ10年くらいそんなに変わっていないのだが魅せ方次第でいくらでもアップデートできるんだと思った。
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