231209 mutek2023 day3 @o-east
三人の日本の美女black boboiとカナダ映像アーティストのコラボのライヴ。
リスニングとしてもいける系の良質なサントラのようだったがとてと良かった。
black boboiは三人がそれぞれギター、モジュラー、なんか打楽器を演奏しつつも全員がボーカルを歌うという変則系のユニット。
キックとベースによる深い低音とパーカッションによる高音、それとクワイアに似たヴォーカルという3種類のパートに分かれている曲が多く音楽として聴きやすい。
今日のオープニングアクトとしてもいい感じ。
音楽としてフックのある曲が少ないので後で思い出されづらい気もするが曲調が思い出せなくても「なんか心地いい音楽だった」という印象を残すユニットだと思う。
上述のように良質のサントラのような雰囲気が強い。
当方が知らないだけで実際にサントラとして使われている可能性もあるがそうだったとしても何も不思議ではない。
しかし主張しないながら存在感はかなり強いのでこれをBGMとして使ったとして勝てる演出はそんなに多くはない気がする。
ライヴは三人の美女が左、奥、右に位置して互いに向かうようにして机越しに立ち、それぞれギターやらモジュラーやらを曲に応じて持ち出して弾いていた。
映像は最小限の図形で空間を立体化したようなもので、暗い空間にちょっとした記号のようなものが奥方向に向かう壁に定点的に配置され徐々に迫ってくるような、言葉だとだいぶわかりづらい気がするが単純な映像だった。が、記号の輝度がいい感じに高く、また最小限だったせいか妙に立体感を感じだ。
投影されている壁が実際に動いているとすら感じたくらい。
音楽と同様存在感を感じづらいものだったがどちらもとても良質なものに思えた。
また観たい。
Ida Toninato & Pierre-Luc Lecours
サックスの女性とモジュラーのおっさんによる音楽と映像。
音楽も映像もアブストラクトで、音楽にはしっかりとリズムがあり映像にもしっかりと輪郭があるにも関わらず全容は測りづらいといういかにもmutekが好きそうなステージ。
ぐいぐい攻めてくる感じが超かっこいい。
ライヴは3作品から構成され一曲ごとに曲名を表示していくスタイル。
どういう順番でそれらが演奏されたかは忘れたが確か最初はドローンのように曖昧なメロディを吹くサックスとそれに同調するようなモジュラーが低音をゴリゴリ鳴らしていくような変拍子の曲だった。たしか(4+5)/4のような拍子。
続く曲はビート強めでひたすらキックを押し出してくる感じでかなりかっこいい。
そこにノるサックスも荒れ狂っていてオーバーヒートしている感じ。
通常のサックスが上品にパラパラパラララーみたいな音だとしたらその時のサックスはブキィィーーーブフォボボポポゴグォーー、のような、多分これで伝わらないと思うが綺麗に吹かれたサックスのさらにその向こうの音を限界を超えた感じがしててすごくいい。
三曲目はそれに反して静かめで印象が弱かったのであまりおぼえていないが2曲目の激しさの余韻を演奏しているようだった。
映像はアブストラクトなもので、青と赤を使って紫をつくっていくというモントリオールでよく見られる色使いだった。
曲の雰囲気をよく表していたと思う。
曲ごとに映像演出も異なっていたのだが2曲目は印象的で、板の上を粘性の不均等な液体が流れていくようなものだったが音楽とかなりマッチしてた。どうやってるんだろ。
三曲目がポイントクラウドで植物やら何かを表していて構成しては散って構成しては散ってというよくある演出だったがこちらも曲調と合っていた。
今この人たちのホームページを見たら別の演目は結構違う主旨っぽいのでそっちも観れたら観たい。
Phew & Oren Ambarchi + Akiko Nakayama
ノイズミュージックの大家phewとなんか大御所らしいおっさんと科学系VJの人のライヴ。
最初は音量がひどくて帰ろうと思ったが映像が綺麗だったので最後まで観れてしまった。
音楽に関してはたまにツイッターで回ってくるやばいレベルの大雨(道路が水没するレベルのやつ)をそのまま音にしたかのようなノイズで、ちゃんと聴けばきっとかっこいいのだが音量がおかしかったため耳栓装備をしたのであまりちゃんと聴いていない。
このようにmutekのPAはあまりちゃんと仕事をしない。
映像に関しては音と同期している気はしないのだが妙に雰囲気と合っていた。
映像の内容は種類の違う液体に別の種類の液体を垂らしたり流したりするだけなのだがどれも観る機会のないものなので観てて面白い。
赤い液体に黒い液体を垂らすと最初球体だった黒い領域が触手のようにじわじわと赤い部分を侵食していったりその筋道をなんかキラキラしたものが追っていったり、かと思うと端の方から水色の液体が流れてきて黒と赤い領域を分断してしまったり。
あるいは撥水性らしい素材の上に水滴をいくつか垂らすと水滴ごとにまとまり、水滴の中に青いインクを入れると透明な水滴の中で青いインクが渦を巻いて青いインクに染めてしまったり、その青くなったインクに息を吹きかけると隣にあった透明な水滴と一体化してしまったり。
そんな感じで液体の動き自体が面白かったのだがその背後で鳴っている轟音はその液体をリアルタイムで撮影しているカメラにも影響していて、轟音が会場の空間を揺らすとカメラも轟音で細かく震えるので撮影されている液体がいい感じ部ぶれているし液体自体も轟音に震えているしで映像に音がいい感じに影響を与えていた。
ああいう動画はネットで見ることもできる気がするけれどo-eastのような会場の大画面で見るとまた一味違った感動があった。
オーディオビジュアルのカリスマらしき二人組によるライヴ。
この人たちのことはよく知らないのだがちょいちょい名前を聞く。
大体がかっこいい映像とセットで。
なぜか渋谷の甘栗のビジョンで放送されていることもあるが、かっこいい映像の後で彼らの名前が出て「で、一体何んだったわけ?」というよくわからない感覚と得体の知れないかっこいいものを見たという印象を残していく。
元々ミューテックのこの枠はnonotakというフランスの超かっこいいA/Vアーティストがくる予定だったのだがアーティストの都合で来れなくなり、代わりにこのアーティストとなった。
nonotakは観たかったがmutekの常連だしまた観れると思うし、こっちはこっちで観たかったしまあ良かったのか。
彼らのライヴは分厚いキックとカメラのフレアのような光で始まった。
まず一つ真ん中に強く、ぼん、とキックが鳴ったかと思うとぼ、ぼぼぼぼん、ぼん、ぼん、と続け様に鳴る。
それが徐々に左右に拡張されていき音が空間を埋める。
カメラのフレアのような光は縦に伸びたり横に伸びたりしながら音の位置に合わせて左右に移動しリズミカルに明滅する。
彼らのyoutubeのサムネールを見ればわかるがどの作品も白黒で構成されていて、このライヴもそんな感じだった。
色なんて無粋なものは存在しない。
闇の中に白い光が時折瞬く。
そしてそのヴァリエーションは無限である。
四角いスポットライトが何かを探すように照らすとその照らされた空間がポイントクラウドとなって散る。
暗闇の中に何か人影があったので会場を撮影されてたのかと思うと会場ではなく異形の人影が映されている。
その照らされ方は白地に黒だったりその逆だったりする。
その作品は後で知ったのだがalice`s trainというらしい。アリスというとたまに退廃的なイメージがつき魔ということがあるがこの作品はまさにそこを突っ切っている。
どの映像も強い。
音楽も彼らがつくっているようだが視覚効果による印象かその音楽もモノクロである。
綺麗なクワイヤのような音があってもそれは闇の中で輝くようにできている。
それが理由なのか、どのような音が鳴っても映像的に響く。
彼らのライヴは音楽というよりも映像主体で、かといって映像がなければ死ぬ類の音楽でもない。
ただしこの手のアーティストは日本だとmutekのようなフェスでしか活きない気がする。
単独で来たら是非また観たい。
とりあえずmutekで観れて良かったと思う。名前がちょっと不吉なのが嫌だけれど。
今年のmutekは2公演しか見なかったけどどれも良い演目で観れて良かった。
去年のように見たことを後悔するようなクソアーティストはいなかった。
ラインキューブでやるような公演がなかったのは残念だけれど来年も来れるならまた来たい。
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