190530
alva noto (dj set) , kyoka / contact
大体一週間前にいきなりこんな発表がされた。
「alva noto がcontactでdjやるぜ」
まじすか。
にしてもいきなりだな。
普通はこの手の大御所がいきなり来る場合でも一ヶ月くらい前には告知されているものなのだと思うが一週間前て。
アルバノトが別件で日本に用でもあったのだろうか。
そういえば終演後にアルバノトとkyokaがドミューンに居たとかそんな情報が流れてきたが、実際のところはどうなのかは知らない。
それよりも重要なのは、いきなりとはいえアルバノトがdjをやるという事実で、そんな情報が飛び込んできたらそりゃもう行くだろう。
ただ、当方はアルバノトのライヴは何度か観ていてもそのdjは観たことがない気がする。
大抵のdjは音源を出している場合はどんな大御所であっても「クラブ仕様」のトラックを作っていて、それらはよほどの場合でない限り程度の匿名性を有する。
と思う。
というのも、ある程度以上有名なアーティストであっても知らない曲がかかってもそのアーティストの手によるものであると断定するのは結構難しいと思うからだ。
音源を購入またはユーチューブ等で何度も聴いたことのある曲ならともかくdjで使われた曲がそのアーティストの新曲だった場合、その特色が色濃く出ていることはあまりない。
これがdjではなくライヴやトラックメイクを中心に活動するアーティストならわかる場合は多いがそれでも断定にまでは至らない。
が、このアルバノトの場合はかなりの例外で、この人の曲がかかった場合は高い確率で判別できるように思える。
たとえばエイフェックスツインがdjで自分の曲を流したとして、それを他のアーティストのものと取り違えることはそんなにないだろう。
アルバノトの数学的な音楽はそれほど特徴的なのであり、それがdjになるとどうなるのか、あまり想像がつかない。
とかここまで書いておきながら当方は今日のdjでアルバノトが自分の曲を使ったのかどうかあまり自信がないあたり当方の論は破綻しているので上の10行と少しの文はなかったことにしてほしい。
で、タイムテーブルだが会場がコンタクトなのでもちろん発表されなかった。
しかしオープンが18時半で終幕が23時であり出演アーティストは iori , kyoka , alvanoto なのでありkyokaは自分のツイッターで「今日はalvanotoと自転車二人乗りで爆走したから繋ぎも完璧に違いない」という例によってよくわからない告知をしており、ようするにkyokaのつぎはalvanotoだということなので順番は iori , kyoka , alvanoto と並ぶと予想され、事実その通りだった。
というか書き忘れていたがこのイヴェントはなんと深夜ではなく夕方からのイヴェントだったのだ。
ここだけでも十分驚くが内容自体は深夜のテンションだったので何も問題はなかった。
で、最初はioriでありこのdjは腕利なので普通に聴く価値はあるのだがオープンから間がない時間帯て人が少ないしああいうクラブらしからぬ匿名性の低い空間は好きではないので少し遅れて行った。
着いたのは7時半で、kyokaは8時から。
つまり少しだけioriが聴けた。が、当方の体調が微妙だったのであまりおぼえておらず。四つ打ちを基本とするスタイルで程よく周波数に隙間を作りベースをうまく慣らしていく感じのスタイルで、とりあえずカッコ良かった気がする。
あとコンタクトの会場というかメインフロアに入ると新しい建物の匂いがしていた。
見ると部分的に鏡張りになっていたが、どうせ人混みに埋まると見えないし光を反射させることを狙ってるのだとしても角度的に証明は当たらないので効果は微妙な気がした。
というか鏡が新しくなったことも気のせいなのかもしれない。
それでioriの出番が終わりkyoka。
フロアがioriを讃えて、kyokaにスポットライトが逆光気味に刺さる。
kyokaは今週の月曜にも観たがその時とはだいぶ印象が違っていた。
月曜のライヴではドローンにリズムを乗せている印象だったが今日のライヴではリズムでガンガン攻めてくる感じ。ドローン感は感じない。
bpm自体は多分低い。90bpmくらいだった気がする。
そのくらいのbpmだと遅く感じそうだが、しかしそこに細かいリズムをごんごん突っ込んでくるので遅さは全く感じない。
寧ろ息つく間がない。
というか隙間がなさすぎるので、今回は一時間のライヴだったが妙に長く感じた。いやこれはもっと早く終わるべきだったという意味ではなく、ものすごい濃密な時間を体験したような、そういうライヴだった。
ところで音に関しては次の通り。
常にバスドラがゴスゴス鳴っていて音に隙間がなく攻めてくる感じ。
機材はpcと他もう一台。moog dfamのような、あるいは何かのミディコンなのかは不明。
音階を有する音はほぼない。ゼロではないが少なくとも旋律はない。そういう音はあくまでもリズムの一部として鳴る。
ラスト曲で雰囲気の違うものが流れた。新曲か?たのしみ。
ライヴの間じゅう天井の各所からスモークが吹き出されていたが、そういう、文字通りスモーキーな雰囲気が似合いすぎている音だった。
それでラストはalvanoto。
上述のように「繋ぎは完璧」にするだろうと予想していたが普通に音を切ってkyokaをフロアが讃えたあと一度鎮まり、そのあとで「さあ私の出番だ」みたいな雰囲気でおごそかに始めた。
要するにつなげて始める気は特にないらしい。
音に関してはアルバノトらしい高周波等は混じらず、基本四つ打ち。
スネアを混ぜたりハイハットを突っ込んでからまたバスドラ以外を消して、などdjとしてはわりと普通の始まり方だった。
特徴的な音色は使わずあくまで慎重にしかし確実に攻めてくる、熟練を思わせる進め方だった。
そういえばこの人はベルクハインでもdjをやる人だった。
そんな人のdjが悪いわけはないじゃないか。
アルバノトが壇上に立つのならそれはライヴであろうとdjであろうと間違いないのだ。
音に関して真似したい部分は以下の通り。
リリースの長い断片的なベースから四つ打ちのドラムが入るとともにベースは短めに。
16分の高音域の金物を入れて盛り上げたり、2、4泊目のスネアを消して勢いにブレーキをかけたり。
非音程的な音をベースとして使う。
octatrackのcomb filterのような、つまりkarps strong的な音(サンプルの波形を短く切ると弦を弾いたような音になるが同時に音階らしさも消えるし元ネタの雰囲気も消滅する。しかしその音は妙な異次元感がありかっこいい。そういう音。)をベースとして使い、徐々に高音域の音を全く同じリズムで乗せてベースと同じ音が同時にメロディとして振舞うようにしたり。
音階的な音は少なく、旋律的な音はなくはないがほぼゼロに近い。
全体を通してalva notoの曲は使われてなかったと思うがalva noto的な数学的な音の使い方をdjとして使っていたように思えた。
フロアは23時過ぎまで大盛り上がりで程よい混み具合で最後まで飽きさせることがなかった。
アルバノトは終幕後にエイフェックスツインのピアノの曲をかけた。
その曲はドラックスに入っているもので、現代アーティストが作品のBGMにつかったりdjが今回のように締めに使ったりする曲でエイフェックスツインのピアノ曲では最もよく聴く。当方はそこまでいい曲だとは思わないのだが、締めとしては正しく、いい雰囲気を出していたと思う。
ところでこの日は当方はかなり体調が悪く睡眠も足りていない状態で行ったのだが、そのせいか終幕後に当方はかなり疲れていた。
帰ると頭がゴッスンゴッスン痛む。どうやらあの人たちの音はあまり体に良くないらしい。
この次の日はルークヴァイバートがサーカスでライヴをやったらしいのだがアルバノトのライヴのダメージ量がやばかったので断念した。来週だったら確実に行ったのだけれど。
まあそれはそれとして、kyokaもalvanotoもめっちゃよかった。
また聴きたい。
alvanotoはライヴの方が好きだけれど。
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