190818 

sebastien mullaeat (Circle Of Love)/ vent

 

今日のメインアクトであるセバスチャンミュラーはミニローグの片割れであり、ミニローグというとanimalsというmvで有名になったテクノのアーティスト。

四つ打ちのバスドラと高音域のパーカッション、それと断片的なシンセメロディが特徴的で、かなり良いのだが寡作でcdは2枚くらいしか出ていない。

と思って今調べたらレコードで結構出しているらしい。

が、リリースはdiscogによると5年前で止まっているし、ventでのアーティスト紹介によると、元minilogue、とか書かれてるんだけどもしかして休止してるのか?と思って今調べたら2014に休止しているという。

まじですか。どうりでセバスチャンミュラー名義のライヴ情報をよく見ると思った。

というかミニローグで検索するとコルグのシンセサイザーの情報の方が先に出てくるのでこのせいで休止の情報を知らなかったのだと思う。

アーティスト名と同じ名前のシンセを出すとかほんとやめて。その情報かなり邪魔なんだけど。

ミニローグの名前を使う許可は取っているらしいのだけれど検索する側からすると大きめのノイズが混じってくることになるからちょっとスペルを変えるとかしてほしかった。

 

まあそれはそれとして、セバスチャンミュラーのライヴはずっと前から行きたいと思っていたのだがことあるごとに別の何かとかぶっていて行けなかった。

今回も、今年はサマソニでレッチリを観るからいけないなー、とか微妙に残念に思っていたのだがサマソニのチケットの方が取れなかったので良くも悪くも今回のセバスチャンミュラーは観ることができた。

レッチリの方が観たかったんだけどな。まさか6月後半の時点でサマソニのチケットがソールドアウトしてるなんてな。ウッドストックからのオファーを蹴ってサマソニ20周年に来てくれたレッチリのパワーはやばかったのだろう。チケットの取引サイトでも結構エグいことになっていたし。「急に都合が悪くなって行けなくなりました、楽しんできてください」とか書いてあるのに値段が60000円てなんだ。転売する気満々じゃねえか。うざいわ!

 

まあ、そういうわけで結構いろいろひきづりながらセバスチャンミュラーに行ってきた。

感想を先に言うと、めっちゃ良かった。

会場であるventに着いたのはだいたい1時過ぎだった。

あのクラブはタイムテーブルを公表しないのでいつもは勘でこのぐらいの時間に、とややギャンブル気味に突撃するのだが今回はオープンラストのセットなので見逃す心配はない。が、さすがにオープンから観る気はないのでてきとうにいい時間に行った。

着いた時点では結構微妙なサウンドで、いつもなら前座の人が微妙な感じのプレイをしているのだろうと思うところだが今回はオープンラストのセットなので前座は存在せず紛れもなく本人だった。

ところで今回のセバスチャンミュラーはCircle Of Loveという名義で、ミュラーを核としてメンバーは時期によって変わるというユニットだった。

なので今回もステージに立っていたのはミュラー本人だけではなく他に二人で、合計3人がいた。

で上記のように音は微妙だったので、これは加算することによりマイナスになる負のシナジーが作用しているのか?とか思い不安になったが、聞いていて苦痛になるほどではなかったし来たばかりだったのでなんとなく聴いていた。

しかし1時間ほど経過したあたりからいきなり良くなった。

安定した四つ打ち、断片的な音、ベタベタしたシンセ音。

この感じは紛れもなくミニローグ。

これですよ、聴きたかったのは。

バスドラでごんごん鳴らして上の方に音を重ねたと思ったらドラムの下の方の音域を抜いてベースを突っ込み、そこに勢いを増したバスドラが再び入ってくる。

そこで盛り上がり出しても長くは続けずに程よいところでメロディとバスドラを外して一旦クールダウンさせてから予兆のような音をまぜつつ、ぶっといバスドラを投下してさらに盛り上げる。

会場は程よい感じに混んでいてみんなガンガンに踊っていた。

ステージには常に3人がいるわけではなく、その時々でメンバーが抜けたり入ったりして、ちょいちょいソロになることもあった。

そのソロの中にはもちろんミュラーのソロもあったのだがその音は間違いなくミニローグ。

アニマルズ(ミニローグのアルバム)を彷彿させる音で、それがただのアルバムの再現ではなくライヴの中で演奏されている。

やっと聴けた。ミニローグのライヴはずっと観たいと思っていたんだ。

 

音楽として参考になるところはたくさんあった。それはだいたい次のような感じ。

minimoogと思しきビンテージシンセによるアシッドベースを3音ひと組としてループさせてカットオフをいじる。最初は高音域までならすが徐々に削っていってループごとに変わるようにして、やがてほぼ削れきってモコモコした音になったあたりで最初にあった高音域を埋める勢いでハイハットを突っ込む。

小節ごとの最初にシンセの和音を鳴らす。音量もリバーブも弱いところから始まって段々と音全体にめり込むように存在感を主張させる。

シンセのストリングを鳴らすときは思い切り前面に出して主役であることをアピールする。他の主役になりうる音は鳴らさない。バスドラトハイハット、それとシンセのリフを裏側で鳴らしてシンセを表に出す。

ストリングのサステインを使わない。アタックは弱く、リリースも緩慢にして空間に浸透するように鳴らす。常に鳴らしておくのではなく隙間を作る。

四つ打ちのバスドラに複数のハイハットで下地をつくり、断片的にシンセベースを鳴らす。ミニローグ的に。

バスドラの上に激しめにハイハットが乗り、さらに別のハイハットで厚みを増していく。それらのハイハットをほぼ消すと同時にメロディを突っ込む。

16ビートのハイハットに808のスネアを混ぜる。音域は似ているのでループに厚みが出る。同時に鳴らすのではなく片方だけを。つまり、ハイハットだけのときとスネアだけのときとか。

メロディをリバーブ弱めで鳴らしながら、そのメロディと同じ音色で弱めでリバーブ強めのものを鳴らしてレイヤーを作る。

バスドラの長さを拍によって変えてるかも。

金属系のパーカッションの音量に長めのlfoをかけて音が現れたり消えたり。アニマルズの手書きアニメーション部分の曲の入りと同じ演出。

というかんじ。

 

今日来たばかりの時はいつ帰ってもそんなに未練を感じないであろうクオリティだったが途中からは常にフルスロットルなので帰ってしまうのはとてももったいない。

もったいないのだが異様に眠かったので帰ることにした。

外に出て時間を確かめると5時少し前。

これならラストまでいても良かったかもしれないが、眠いので。

 

そういえばこの数日後にはモントリオールのmutekにも出演するらしい。

今モントリオールにいてmutekに行く予定があるのなら次のようなに言いたい。

セバスチャンミュラーのcircle of loveは観るべきアクトだ。

 

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