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は見えないし、むしろドゥームとかいうのよりずっと」omega 時計

 ずっと、何なのだろうとアルフィリースは適切な言葉を自分で探せなかった。オシリアには当てはまる言葉を自分は持たない事に、アルフィリースは今気が付いたのだ。言いようのない不安、そして絶対的な力の差ではなく、相性が悪すぎるとアルフィリースは感じたのだ。そして同時に、オシリアに何らかの親近感も感じてしまう。アルフィリースは言いようにない自分の感情に、正直戸惑っていた。
 この段階でエルザはなんとなく感じ始めていたが、オシリアの悪霊としての段階は最上位である第五位に相当する。自由意志を持ち、かつ人間に明確な敵意を持つ悪霊。以前イネイブラーという大悪霊を征伐した時と同等以上の戦力が、オシリアの討伐には必要ということに。
 それでもエルザの頭の中になかった可能性。もしオシリアがイネイブラーとは比較にならぬほどの上級の悪霊であったなら。そしてキャラクタに隠れてわかりにくいが、ドゥームは彼女を指揮する立場であり、ミリアザールをもってしても殺しつくせなかった事を。
 幸いなのは、オシリアもアルフィリースと同じように戸惑っているのか。彼女もまたこれほどまでに饒舌にしゃべる事に自分でも内心驚いていた。ドゥームとすら、ここまでは話さない。ドゥームがあまりにぺらぺらと話すからかもしれないが、それでも語るだけの執着をオシリアは持たないのだ。それだけに、なぜ自分がアルフィリースに対する執着を持っているのか、オシリアは不思議でしょうがなかった。以前ちらりとアルフィリースを見た時にはオーランゼブルが注目している女だという事しか知らなかったが、その時から少し気になる点はあったのだ。

「ドゥームね。あれは人間の部分も交じっているし、正直私の方が悪霊としては格上。でも、非常に面白い存在ではあるわ。生者と死者の間の存在。常に彼岸に立ち続ける彼ならではの感情、視点は私を飽きさせることがない。でなければ、私がとうの昔に捻り潰しているわ。
 そして同時に貴女と話すのは初めてだけど、どうやら私貴女の事が嫌いみたい。ここで殺しちゃおうかな」

 オシリアの瞳が黒色に転じ、ざわりと空気が揺れる。アルフィリース達が異常を感じ一歩下がると、すうとオシリアの手が上がり、掌がアルフィリースの方を向いた。アルフィリースが何事かと身構えるが、その時にはリサの方が速くアルフィリースに飛びついていた。
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「アルフィ! ぼけっとするな、なのです!」
「え!?」

 アルフィリースの大柄な体をリサが必死で突き飛ばし、二人はもんどりうつように転げまわった。アルフィリース達が見たのは、先ほどまでアルフィリースが立っていた場所が抉れてなくなっている地面であった。
 リサが飛び付いていなければ、アルフィリースは地面と同様の運命を辿っていただろう。

「ち。なるほど、ドゥームが気にかけるだけの事はあるようね。だけど今度は」

アルフィリースとリサが青ざめる中、再びオシリアが掌をアルフィリース達の方に向けようとするが、その手は上がることなくオシリアの腕にまとわりついた黒い霧に押さえられた。

「オシリア、そこまでだよ」
「ドゥーム!」

 ドゥームが優しくオシリアの手を押さえると、そのまま彼女の手の甲にキスをした。だがオシリアはドゥームを一睨みすると、そのまま手を振り払い、マンイーターを伴って消えたのだ。
 一人残されて困ったような顔をするドゥーム。
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