やり残しこと、やりたいこと、これの意味すること #14-2 | けんた社長のひとりごと(ALS患者の日記)

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2019年3月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)の確定診断。それからいろいろありました。これまでのこと。これからのこと。今起きてること。中年おじさんが話します。

 やり残しこと、やりたいこと、これの意味すること #14-2

ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断されたのが2019年3月、それから約4年、人生は大きく変わりました。生活のすべてがベットの上になりました。

先日、訪問看護ステーションのスタッフさん二人から別々の日に、けんた社長は、今やりたいこと、実現したいことは何ですか?と聞かれた。私たちでお手伝いして実現出来ることであれば、可能な限りやりますよ、と言っていただいた。これまでも娘の結婚式に出席できるようにサポートしてくれるなど、言葉に偽りなしで全面的に支えてもらっている。

また、以前話したことのある、行きたい旅行先の話もした。

 

ここ一年強ぐらいの間にやりたいこと、やり残したことに対する考え方が変わりました。

それは、この間に病気の進行で出来なくなったことが相当増えたこと、それもアラフィフの成人男性として普通のことがほとんど出来なくなって、所作のすべてにおいて他人の手助けが無ければ生きていくことが不可能になったことです。

 

特に食べること、喋ることを失ったことは大きい。

食べる事って、人が生きていく中の大きな楽しみ。

喋って他の人とコミュニケーションをとること、喜怒哀楽に言葉が必要。体がほとんど動かない身体での表現も不可能

 

悲観的になるわけでもなく、いたって冷静に現実の自分自身を俯瞰して感じるんです。やりたいことが明らかに変わった。

 

よく言われます。多少わがまま言っていいんじゃないの、好きなこと、やりたいこと、何でもやればいいし、行きたいところに行って、やりたいことをやって。

 

残念ながら、旅行とかテレビやwebサイトなどで情報に触れるといいなぁと思うけど、現実を考えると、とても行く気がおこらないんです。私を介助する家族は車いすへの移乗介助に移動介助、着替え介助、これ以外に必要な医療機器(人工呼吸器、吸引器)を携行。胃ろうからの経管栄養剤の注入や投薬、排泄介助、慣れない先でやることになる。

 

想像しただけで分かります。家族はへとへとです。準備から帰宅まで大ごとになって大騒ぎでしょうね。

周りの人に気を使うとか、使わないとかでなく、行きたいと思わないんです。楽しみながら行くことのハードルが高いんですよね。

 

今考える、やりたいことって、自分自身の残された能力を最大限活し、出来る範囲で、周りにはなるべく迷惑をかけることなくやれること。

今の自分にそんなことは100%不可能だけど、なるべく。

 

だから、ベットの上で意思伝達装置(windows11のノートパソコン)を使って出来ることが楽しみであり、やりたいことに今は繋がっている。3つあげるとしたら。

 

1.株式トレード

火傷しない程度にやっています。国内株式がメインです。株式の世界はとにかく奥が深くて勉強することが無限にある。知識だけでなく心理戦もあって、緊張感もあり、成績も出るし、それがいいですね。32,3から株はやっていますが、ここまで熱心にやるようになったのは、病気でベットの上での時間が増えてからですね。

自身が仕事を休職したことで、企業活動と関係が途絶えてしまったことの代わりを株の世界に求めているのかと思います。

 

2.ブログ

心の状態を整えたり、自分の考えや思いを整理するのに大事なものとなっています。いいことも悪いことも、文字にして整理することで、見えていないことが見えてきます。

 

3.映画鑑賞・ドラマ視聴

生活にメリハリがなくなる中で、別次元の世界に入り込むことで、心に刺激を与えてくれるし、エキサイティングなものにしてくれる。

 

数週間後にやりたいことが変わっているかも知れないけど、その時にそう思うのであれば、それはそれでまたよしなのかなと思う。

ALSって難しい病気です。

 

 

(このブログについては、自分の対応できる範囲の中で書かせていただいております。そのた

め、自分を含む個人、法人、団体、組織、などの特定につながるような情報は記載しておりません。ご了承ください。そのため、わかりにくい内容になる場合があります。)