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んぼりとしてしまった。指を体の前でこねくり回す仕草がどうにも可愛らしく、ミランダはくすくすと笑っているのだった。ライフレスとやり合っていた時とはまるで別人である。
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「(まったく、しょうがない子ねぇ少し大人になったと思ったけど、まだまだ私の力は必要かな?)」

 ミランダがそう言って立ち上がろうとした時、彼女は手に持っていたお茶の入ったカップを落としてしまった。その音でアルフィリースがはっとする。

「ミランダ?」
「ああ、ごめんね。疲れているのかな?」
「大丈夫?」
「うん、平気。アタシも書類仕事よりはメイスをぶん回している方が性に合っているからね。ちょっと暴れたい気分かも」
「物騒なシスターね」

 そういって二人は笑い合うのだった。

***

「ミリアザール様、お呼びでしょうか?」

 ミリアザールの部屋に入って来たのはエルザ。ミリアザールの急な呼び出しで梓に伴われて、ミリアザールの部屋に来たのだった。
 エルザを案内すると、梓は一礼して下がって行く。イライザの同行も許されなかったという事は、自分にのみ関する急な要件なのだろうとエルザは身を引き締める。
 その彼女にミリアザールは、普段と変わらぬ表情で話しかける。だがそれが逆にミリアザールの心遣いだと悟り、エルザは心した。

「うむ、他でもない。お主に伝えることがあってだな」
「前置きは結構です。要件だけ、手短に」
「そうか。なら心して聞けミナールが死んだ」
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「は?」

 エルザは何を言われたのかわからないといった顔で、ミリアザールに聞き返す。

「ミリアザール様、今何と?」
「大司教ミナールが死んだ。後任は貴様だ、エルザ、年が明けて早いうちに正式な就任を公表する。準備をそれまでに」
「じょ、冗談はやめてください!」

 エルザが突然大きな声を出してミリアザールの言葉を遮る。エルザは困惑の表情を隠さず、ミリアザールは一層険しい顔になった。

「ミナール様ですよ? どれほど一大事でも表情一つ変えず、いつも淡々と仕事をしている。あの人がしくじったのを見たことがない。今回だって」
「ふん、これでもか?」

 ミリアザールが一通の手紙を放って寄越す。エルザはそれを手に取ると、開いて読んだ。そこには短く、

『後は任せた。工房を全て破壊しろ』

 ただそれだけが血文字で書きなぐってあった。その手紙を見て、エルザは手がわなわなと震えていた。

「確かにタチの悪い男だが、それが演技に見えるか?」
「じゃあじゃあ」
「敵の方が上だった。それだけの事だ」

 ミリアザールは自分の椅子にどすんと腰掛けた。そして冷たく言い放つ。

「貴様もアルネリアの暗部に就く身。明日は我が身じゃ、心しておけ。そして貴様の後釜はまだ育っておらん。自分の命の重要性を理解しろ。貴様が死ねば路頭に迷う者、そしていらん犠牲者が出る事もな。理解したら下がってよい。後の事は追って伝える」

 その言葉にエルザはふらふらとしながらも外に出ていった。エルザが出た後、ミリアザールが一言。

「ふん、こんな役目をワシにさせよって。本当にタチの悪い男よな、ミナールの奴め」

 ミリアザールもまた手を組んだ上に額を乗せ、口惜しそうに唇を噛んでいるのだった。

***

 ミリアザールの執務室を出たエルザはしばらくそこに呆然と立ち尽くしていた。そこにエルザを探してミランダが歩いてくる。

「あ、いたいた。エルザに相談した

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