噂はいろいろと聞いている。ボサボサの髪形がダサイのだとか、分厚いレンズの眼鏡がやぼったいだとか。
でも仮にも同じ16神の一人、あばた面ではないはず。
唐突に気になった私は、彼の家を訪ねた。
いくらノックしても人が出てくる気配はなく、勝手に家の中へ足を踏み入れる。
そこは本、本、本の世界。うわあ、としか言葉にしようがないくらい本しかない。
アスカークはどこだろうと探していると、本棚の間で座り込みながら本を読んでいた。
噂に違わぬ本の虫。だけど想像よりもずっと素敵な人だ。
「ねえ、何読んでるの?」chanel online
「わあ!!」
後ろから本を覗きこめば、ものすごく驚いた様子のアスカーク。
なんだかその反応は新鮮で可愛らしい。
「あなた、英知の神アスカークよね?
私のこと知ってる?」
「???淫乱の神ジュリヴァ」
「あははっ、それって否定できなーい!」
イヤミ事を言われることはあってもここまではっきり言われたことはなかったと思う。
面白い人だなあと思いつつ、何の本を読んでるんだろうともう一度本を覗き込む。
「読書の邪魔なので僕の家から出て行ってもらえますか」
「本当に引きこもりなのね。
ずっと家の中じゃつまらなくないの?」
「つまらなくないです。
出て行って下さい」
「眼鏡も外したほうがいいわよ、ほら」
「ちょ???なっ???」
眼鏡を無理やり奪うと、とても綺麗な赤い瞳が現れた。
まるで宝石みたいに目を釘付けになった彼の瞳に、思わず笑みが漏れる。
「ね?眼鏡がない方が素敵よ。
外に出たらきっと女神たちがアスカークに夢中になるわ」
「生憎僕は恋愛に興味無いので」
「どうして?」財布 ランキング
「どうしてって???貴女と違って理性的なので」
「あはは、確かにそうかもー」
でもこんなに綺麗な瞳が誰の目にもさらされないなんて、もったいない。
彼のことを、もっとたくさんの人に知ってほしい。
そう思って、私は無理やりアスカークを外に連れ出した。
辿りついた森で散歩した私たち。
帰り際には彼が発した言葉は、私の心を揺さぶるもの。
「僕には、恋愛の良し悪しがわかりません。
貴女が教えて下さいませんか」
「いいよ!」
嬉しい。アスカークが外に出てくれる。
自慢して回ろう、彼はとっても素敵な人だって。
私は夢中になってアスカークを連れ回した。2人が恋人になるのは自然の流れで、私はますますアスカークのことが大好きになった。
だけど、アスカークは他の男と違った。
「なんで他の男のもとへ行くんだ!!」
普段の彼からは想像できないほどの怒鳴り声。
怖い????悲しい???。どうして怒ってるの?
「アスカーク?」
「近寄るな!!
近寄るなよ!!」
手を伸ばして傍に寄ろうとすれば、手首を叩かれて彼は片手で顔を覆う。
彼も悲しんでる、苦しんでるんだわ。
でも、なぜ?
「どうして???!
どうして僕だけを愛してくれないんだ!」
「だ???だって、私???愛欲の女神で???」
「????!!」
「アスカークは一冊の本だけで我慢できるの?」
私たちは神。司り、守り、それそのもの。
アスカークが英知そのものであるならば、私は愛欲そのものだ。
それがなければ生きていけず、それを否定した途端に、私たちは存在価値を失う。
―――――神ではなくなるのだ。
私は愛欲を否定できない。拒むことができるはずない。
アスカークはこの一件以来、私に対して決して怒ったりしなかった。
例え他の恋人の会いに行っても、彼は優しい笑顔で迎えてくれた。
ベットの中で何もせず抱きしめてくれる時間は最高に幸せ。
髪を撫でて、たまにキスして、何も身につけていない身体で抱きしめ合う。
アスカークは私の肩を撫でながらこう言った。
「ジュリヴァは生命を司る神だろう?」
「ええ」http://www.beginjp.com/ world end umbrella
「もしかしたらジュリヴァの愛は繁殖的なもので、男女間の恋情とは似て異なるものなのかもしれないね」
「どういうこと?」
「種を存続させるための行為と、恋愛は全く別なんだ。
ジュリヴァが生命そのものなら、恋愛はむしろ種の存続にとっては敵(かたき)みたいなものだから」
そんなこと、考えてもみなかった。
じゃあ私が今まで積み重ねてきた恋愛は、一体なんだったんだろう。
「そんなに違うものかしら???」
「違うよ」