てあげてね」
ソラを追いかけていたメイドはラゼットと交代する形でガイストの案内を申し出る。
ソラがラゼットにしがみついて離れないだろうと思っての発言だったが意図せずラゼットへの助け船にもなっていた。
目的を果たしているガイストにも異論はなく、状況に流されるままメイドに案内されて玄関へ歩く。
表門を出てメイドに礼を言い、館に背を向けた。レディース リュック
少し歩いて裏道に入る。長く放置されたゴミの臭いが隠った空間はきれい好きのガイストにとっては苦しい環境だが、得られる利益を考えれば文句も言えない。
幸いにもすぐに薄汚い格好の男が声をかけてきた。
「旦那、用事はお済みですか?」
浮浪児の薪を強奪する際にも使った男だ。力仕事は出来るが頭は悪い。ガイストはむしろ頭の悪さを気に入っていた。指示通りに動かすのにコツがいるだけで慣れれば馬鹿も使いやすい人材だというのがガイストの持論だった。
「私の用事は終わった。お前達は監視を続行しろ。十六歳の丸顔の女だ。明るい茶髪を首の後ろで一括りにしている。館から出てきたら私に知らせろ」
ガイストの指示に了解の意を示して男は建物の陰に戻っていった。
表通りへと足を向ければ、商会の小僧らしき少年達が大慌てで走り回っているのが見えた。
領主軍が出発準備を始めたと知った各商会は懇意にしている行商人が巻き込まれないように知らせをやる必要がある。あの小僧達は宿屋を駆け回った疲労で今夜はぐっすり眠ることだろう。
「予想以上に対応が早い。足止めの必要もなかったか」
ガイストは計画が順調に進んでいる気配を察して機嫌を良くした。
長期的に安定した今回の利益は教会にとっての福報だ。もたらしたガイストが一等司教の椅子に座る日も遠くはない。
一等司教になれば布教活動の最前線である魔法使い派貴族の領地へ派遣されるか、王都に配属されるかだ。ガイストは自らの能力を鑑みて王都に配属されるだろうと予想しているし、そうなるように振る舞ってもきた。
王都栄転の夢を見ながら軽い足で教会の裏口をくぐる。
この教会には二等司祭と一等司祭がそれぞれ三人と二等司教がガイストを含めて二人いる。同僚として協力することも多いが、一等司教の座を狙うライバルでもある。そのため、領主との取引については知らせていない。出し抜かなければ出世など望めないのだ。
ガイストは薄暗い廊下を静かに歩く。建物自体は大きいが大部分を礼拝堂などに占領されているためガイスト達の住む居住部分は狭い。すぐに自分の部屋にたどり着いたが今は素通りして礼拝堂に向かう。鞄 メンズ
重厚感のある木扉を押すと見た目に反して軽い手応えがあり滑らかな動きで開いた。この教会に来たばかりの頃は力の加減が分からず壁にぶつけて派手な音を立てたものだ。
ガイストが王都に行けば、代わりの者が同じ轍を踏むだろう。
慌てる新人の姿を想像して意地悪に笑うのはこの教会を去る者に受け継がれる伝統だろうかと、そんな取り留めもないことを考えてガイストは礼拝堂の奥に安置された像に歩み寄る。
鷹よりも大きな鳥が魔法使いから杖を奪い、青年が剣で魔法使いの胸を貫いている。
殺しの魔法使いに神罰を下すシーンを切り取ったこの像の台座には鍵が付いている。ガイストを含む二等司教の二人に渡されている鍵を使って台座を開けると中には反応石が保管されていた。
領主軍の道案内がてら村を視察する予定のガイストは念のため村人に魔法を使った形跡がないか調べるつもりだ。
既に大まかな製法を知っているガイストだが、未だに半信半疑だった。何しろ理屈が分か
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