知ってほしい、AYA世代のがんのこと
こんばんは。今朝、NHKのあさイチでAYA世代のがんについて特集していました。(http://www1.nhk.or.jp/asaichi/archive/181024/1.html)私も色々考えるところがあったので今日はそのことについて書きたいと思います。AYA世代のAYAとは、Adolescent and Young Adult の頭文字で10代後半~30代までの若年成人のことです。毎年、AYA世代の中で約2万人ががんと診断されています。進学,就職,恋愛,結婚,出産,子育て,など人生を大きく変える出来事が重なる時期。その時期にがんになってしまうことで・進学や就業が遅れ、人生設計が狂う・夢を諦めざるを得なくなる・抗がん剤の影響で、子どもがつくれなくなる・普通に恋愛や結婚ができないなどその後の人生に大きな影響が出てしまいます。がんになってしまった。それだけで辛く悲しいことです。そして身体を治すことで精一杯なのに、その先の長い人生のことまで考えなければなりません。私は、高校生でがんと診断されました。その中で、一番強く感じたのは学習面への支援が足りないということです。小中学校は院内学級が併設されている病院も多く、ある程度支援があります。しかし、高校はほとんどありません。義務教育ではないとはいえ、高校への進学率は98%であり、ほぼ全ての人が通っていることになります。それならば支援が必要だと思うのです。実際、私は病気の治療で入院しなければならなくなり、高校に行けなくなりました。そして欠席日数の上限を超えてしまい、同級生と一緒に卒業することができなくなってしまいました。また、入院中は自分で教科書を読み問題集や参考書で勉強を進めましたが、一人ですべてをこなすのは大変でした。授業で説明を聞くことができれば理解しやすいのにな、質問をできる人がいればな、と思ったことがたくさんありました。そこで、どうすればこの問題の解決することができるか私なりに考えてみました。それは、ICTを活用した学習支援です。例えば、・在籍している高校と病室をインターネットで繋ぎ病院で治療をしながら授業を受けられるようにする・e-learningを導入し、その単位で高校を進級・卒業できるようにするなどです。この先、がんを発症した高校生が私のように学習面で困ることがないように、国や地方自治体に支援を求めます。次に感じたことは、入院中同じ年代の方と関わる機会がないということです。私が入院していたのは、小児科病棟ではなく、成人と同じ病気別に分類された科ごとの病棟でした。周りは60歳~80歳くらいのおじいさんやおばあさんばかりで、年齢や置かれた状況も違い、話もあまり合いませんでした。毎日学校で同じ年の友達と過ごしていたのに、急に大人ばかりの環境に放り出され、ほとんど誰ともコミュニケーションをとることもなく、辛い治療を受けなければならず、気分がとても沈みました。そんな時、悩みを相談したり、一緒に励ましあえる同年代の仲間がいればな、と思いました。今、AYA世代専用病棟を開設している病院もあります。(大阪市立総合医療センター、静岡がんセンター)こういった病棟が増えればいいな、と思います。また、すぐに開設することは難しくても、定期的に病院内でAYA世代の集まりを開く、などすぐにできることもあると思います。また、妊孕性の不安もあります。抗がん剤治療の影響で、妊孕性(妊娠できる能力)が失われてしまうことがあります。妊孕性温存の方法として卵子凍結や受精卵凍結、卵巣組織凍結などがありますが、数十万円と費用が高く、なかなか難しいのが現状です。ここでも、国や地方自治体が支援が必要だと思います。今日はAYA世代のがん患者として感じたことや考えたことをまとめてみました。こういう立場で困っている人がいるということを少しでも知ってもらい、支援が広がっていけばいいな、と思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。