ふるさと納税
“ふるさと納税”制度は2008年に導入されたので、今年で丸6年を迎えていますが、私はこれまであまり気にしたことがありませんでした。しかし、11月頃の週刊SPAに出ていた記事を見て、“furusato-tax.jp”というサイトにアクセスしてみて、初めてこの制度のとんでもないメリットに気づきました。と思っていたら、何と先週12月11日の日経新聞朝刊にも大々的に“ふるさと納税 するなら今”などという記事が出ました(http://www.nikkei.com/money/investment/mandi.aspx?g=DGXZZO6390924011122013000000)。恐らくこういうふうに、日経新聞がふるさと納税を紹介したのは、これまた初めてではないかと思います。“ふるさと納税”を端的に説明しますと、“住民税の納税先を一部、自分の意思で変更できる制度”というとかと思います。通常、住民税はその年の1月1日に住民登録をしている自治体に払うわけですが、“ふるさと納税”により、その一部を自分が納税したい自治体に払うことができるようになったのです。実際には、“納税”とは言っても、ある自治体への“寄附”という形を取るのですが、“寄付金控除”を通じて税金が減額されるので、“納税”という言い方になっています。また、敢えて“ふるさと”と言っているのは、“自分が住んでいる自治体以外にわざわざ納税しようと思うとしたら、当然、それは自分の出身地だったり、親が住んでいる市町村だったりするだろう”という考えがあったのだろうと思いますし、そうした形での地方税の再分配が起きることを意図していたものと思います。ただ、“ふるさと納税”の対象となる自治体は全国どこでも構わないので、縁もゆかりもない自治体に“ふるさと納税”することも可能となっています。さて、何が“ふるさと納税”のとんでもないメリットかと言いますと、ふるさと納税をした市町村によっては、“実質的な税金負担額よりも価値のある商品”を納税者にプレゼントしてくれる場合があるのです。全ての市町村がプレゼントをしているわけではないのですが、かなりの数の市町村がそうした商品を提供しています。例えば、茨城県石岡市では10,000円のふるさと納税をしてくれた人に、1升の地元産純米酒2本とか、地元産焼酎4本とか、米10キロとか(納税者が選べる)を贈呈しています。米10キロと言えば、銘柄によって価格はかなり異なるとはいえ、普通に買えば安くても3,500~4,000円はかかるはずです。一方、“実質的な税金負担額”はいくらかというと、何と2,000円です。もともと、“ふるさと納税”は、“住民税を支払わなければならない収入を得ている人”だけが対象となる制度ですが、例えば、住民税を年に100,000円支払っている人が、10,000円をどこかの自治体に“ふるさと納税”したとすると、10,000‐2,000=8,000円は住民税および所得税から税額が差し引かれて、実質的な負担の増加額は2,000円となります(所得税については税金の還付、住民税については自分の住んでいる自治体に支払う住民税の減額という形になります)。つまり、先ほどの石岡市の例で言えば、ふるさと納税を10,000円することにより、実質2,000円の負担で3,000~4,000円の商品が入手できてしまうというわけです。“そんなバカな!”という気もしますが、ふるさと納税を受けた市町村からすると、もともと得られなかった“10,000円という収入”が得られますので、10,000円のうち、例えば3,000円をプレゼント代に充当しても構わないのでしょう。しかも、プレゼントする商品は地元の農産物だったり、特産品だったりするのであれば、何らかの地元の業者への売上貢献ができますし、ふるさと納税した人がその商品を気に入ってくれるかもしれないので、一種のマーケティング活動にもなります。もちろん、“もともと満額の住民税が得られるはずだった”住民登録している自治体からすると、10,000円の収入減(本当は所得税の減額もあるので、自治体の取り分は10,000円より少ない)ですのでいい迷惑ですが、日本全体の税収という観点からすると、実質負担額である2,000円は新規に得られた収入(1000万人がふるさと納税したとすると200億円)なので、これはこれでペイするのかもしれません。