DH side
ヒョクチェくんが。なかなか手を離してくれなくて、困ったけど。何とかなだめて。無事に、家に帰ることができた。黒塗りの車で。今日のことは、口外しないように念を押されて。誰かに話したところで。信じてもらえないだろう。異国の。王子様に会ったなんて
ネットニュースを探してみたけど。ヒョクチェくん...ウニョク王子のことは、どこにもなかった。王国からは、国王ではなく。皇太子が代理で来ているらしくて。その写真はいくつか見た。ヒョクチェくんと。よく似た。他の王族も帯同してるって、書いてあったから。それが、ヒョクチェくんのことなんだろう。画像で見た王国の紋章と同じものが。ヒョクチェくんの部屋にあったから
王国に関係したホームページとかも、漁ってみたけど。皇太子の賛美ばかりで。ウニョク王子のことは、触れられていなかった。よほどできた皇太子なんだろうけど。後継者に連なっていても。順位が低くて。オモニが他国のひとであるなら。尚更。そんなものかもしれない
俺の手を離さなかった。ヒョクチェくんのぬくもりを。眼差しを思いだす
それから。ヒョクチェくんが遊びに来ることも。執事が迎えに来ることもなかった
もう。夢だったのかもしれない。そんなことを考えはじめたとき
帰り際。黒塗りの車に行手をはばまれて。あの執事が降りてきた
《つづく》
※画像お借りしましたm(_ _)m
※きのーの更新です