キュヒョン side



それからしばらく。ドンへヒョンとは、すれ違ってばかりだった。俺が勝手に避けてるんだけど。俺を見るたびに。寂しそうに微笑む姿に。だんだん心が重くなっていった。でも。俺から歩みよることはできなくて...


『キュヒョナ。いる?』


ドアがノックされて。いつもなら勝手に入ってくるのに...いますよ。返事をしたのに。ドアが開く気配がない。何だよ...仕方ないので、こちらからドアを開けると。ドンへヒョンが。やっぱりちょっと、寂しそうな顔をして立っていた


『キュヒョナ』


何ですか...


『俺。明日、田舎かえるから』


え...そ、そう...ですか...


『休みのあいだ、おじさんとこでバイトするから。新学期までには戻るよ』


あ、夏にバイトしたとこか...


『じゃぁ、俺も...』


言いかけたら。ドンへヒョンが首を振る


『冬場は客も少ないからさ。寒いし。俺ひとりで充分だって』


にこっと。口角を上げて。じゃぁな。じゃぁなって...何ですか、その。さよならみたいな言い方...


『待ってください』


離れかけた、その腕を掴む。振り向いた、その顔は...何で...何で、そんな目を...


『来てください』


ちょ...きゅひょ...引っ張って。隣りのヒョンの部屋へ行く。ロックを解除して。ドアを開けると


『え...』


そこには。クリスマスのときの装飾が、そのまま残されていた



《つづく》 


※拗らせたまま年越しかも...

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