ヒョクチェ side
もちろん。《また》なんてことが、あるわけなくて。同じ会社とはいえ。元々、そんなに顔を合わすこともなかったけど。目が合うと。ぴきっとフリーズして。ぼそっと挨拶をして。そそくさと俺から離れる
覚えてないみたいだったけど。あいつはあいつなりに。何か勘づいたんだろーか...
それを。寂しくも感じたけど。あいつへの恋心に気づいてしまった、いまとなっては。これくらいが、ちょーどいーのかもしれない
『おぃ。飲みにつきあえよ』
シウォンが。何だよ、突然。強引だな...
『え...あ...別に、いーけど...』
じゃぁ、今日な。え...予定でもあるのか?いや、特には...じゃぁ。いいだろ。うん...後でな。わかった。何だろーな...シウォンが誘ってくるなんて...あらかた仕事を片づけて。退勤の準備をしていると
《ちょっとごたついてるから。先に行っててくれ》
ご丁寧に案内図がおくられてきた。何だよ。自分から言いだしたくせに...
予約してあるってゆってたから。フロントでシウォンの名前を出すと。こちらです。え...案内されたのは個室で。ナムジャふたりで個室かよ...何かっこつけてんだ。先に飲んでるか...何か、高そーだけど。ドアを開けると。え...
『い...ひょっちぇ...』
そこには。スーツ姿のドンへが居心地わるそーに、座っていた
《つづく》
※本日のラインナップ